6月7日に聴きに行ったロータス・カルテットのコンサートがとても素晴らしかったので、5月にリリースされた同じ曲のCDを買って来ました。
愛用のスピーカーであるCremonaで全曲通して聴いたあと、ipodに入れて5回は聴いたでしょうか。
初対面のCDを、こんなに集中して聴いたのは珍しいです。
<曲目>
R・シューマン作曲
■弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 op.41-1
■弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 op.41-2
■弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 op.41-3
<演奏>
■ロータス・カルテット
<録音>2003年1月
これまで、2番と3番だけのカップリングではありますが、ハーゲン・カルテットの演奏が気に入っていて、ときどき引っ張り出しては聴いていました。
でも、この3つの弦楽四重奏曲はいずれも密接に関連していることもあり、ロータス・カルテットの演奏で全曲とおして聴いてみて、初めてシューマンの弦楽四重奏曲の魅力を教えてもらった気がします。
研ぎ澄まされた鋭敏な感覚と並外れた集中力で、繊細で傷つきやすいシューマンの心の中を鋭くえぐるハーゲン・カルテット。
一方、シューマンの優しさ・愛情深さにスポットをあてて、瑞々しい抒情で聴き手を魅了するロータス・カルテット。
いずれもシューマンの本質に迫った秀演ですが、今どちらか1枚といわれれば、私はロータス・カルテット盤を採ります。
ロータス・カルテットの演奏を聴いてしまうと、ハーゲン・カルテットの演奏は、やや強く感じてしまうんですね。
とにかく、ロータス・カルテットのシューマンは、優しく温かい。
第1番の第3曲アダージョを聴いてみてください。
真摯なアプローチから生み出される抒情がたまらなく美しい。そして終曲プレストでは、細かい音符のメインフレーズと伴奏フレーズが交錯していくなかで、伴奏にまわったときの各奏者の表情が本当に見事で、大変感銘を受けました。
第2番は、私にとって少し苦手な曲。今までどの演奏を聴いてもぴんと来なかった第3楽章のトリオが、初めて違和感なく聴こえました。
そして終曲はバスの動きが大好きなのですが、こんなに活き活きとした表現を聴くのは初めてです。
第3番では、第1楽章の「(ク)ラーレ」フレーズがとびっきり優しい。本当にクララに話しかけているみたいです。そして各楽器間の会話が何ともチャーミング。
第2楽章のテーマも私には「クラーラ」に聴こえます。続く変奏の妙が実に見事でした。
実際にこの録音に参加された♪Mumukau♪さま によると、2003年の全国ツアーの途中、たった二日間のセッションで完成させてしまったそうです。
さぞかし強行軍で大変だったと思いますが、この演奏に、温かさとともに一種ライブ録音のような集中力と一気呵成さを感じるのは、そのあたりから来ているのかもしれません。
先日聴いたコンサートでは、唯一の男性奏者であるマティアス・ノインドルフの音色が他の奏者より柔らかく、そのことがハーモニーを奏でる上で、シューマン独特の陰影を与える大きな要因になっていたと思います。
2003年のこのレコーディングでは、4人の日本人女性奏者たちが作り出す表情は実に生気溢れるもので、各メンバーの音楽の同質性という点ではさらに上回っているように感じました。
メンバーが変わっても、緊密なアンサンブル能力と、常に温かさを失わない表現力がこのカルテットの伝統になっているんですね。
実に素晴らしいアンサンブルだと、改めて実感。
愛用のスピーカーであるCremonaで全曲通して聴いたあと、ipodに入れて5回は聴いたでしょうか。
初対面のCDを、こんなに集中して聴いたのは珍しいです。
<曲目>
R・シューマン作曲
■弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 op.41-1
■弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 op.41-2
■弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 op.41-3
<演奏>
■ロータス・カルテット
<録音>2003年1月
これまで、2番と3番だけのカップリングではありますが、ハーゲン・カルテットの演奏が気に入っていて、ときどき引っ張り出しては聴いていました。
でも、この3つの弦楽四重奏曲はいずれも密接に関連していることもあり、ロータス・カルテットの演奏で全曲とおして聴いてみて、初めてシューマンの弦楽四重奏曲の魅力を教えてもらった気がします。
研ぎ澄まされた鋭敏な感覚と並外れた集中力で、繊細で傷つきやすいシューマンの心の中を鋭くえぐるハーゲン・カルテット。
一方、シューマンの優しさ・愛情深さにスポットをあてて、瑞々しい抒情で聴き手を魅了するロータス・カルテット。
いずれもシューマンの本質に迫った秀演ですが、今どちらか1枚といわれれば、私はロータス・カルテット盤を採ります。
ロータス・カルテットの演奏を聴いてしまうと、ハーゲン・カルテットの演奏は、やや強く感じてしまうんですね。
とにかく、ロータス・カルテットのシューマンは、優しく温かい。
第1番の第3曲アダージョを聴いてみてください。
真摯なアプローチから生み出される抒情がたまらなく美しい。そして終曲プレストでは、細かい音符のメインフレーズと伴奏フレーズが交錯していくなかで、伴奏にまわったときの各奏者の表情が本当に見事で、大変感銘を受けました。
第2番は、私にとって少し苦手な曲。今までどの演奏を聴いてもぴんと来なかった第3楽章のトリオが、初めて違和感なく聴こえました。
そして終曲はバスの動きが大好きなのですが、こんなに活き活きとした表現を聴くのは初めてです。
第3番では、第1楽章の「(ク)ラーレ」フレーズがとびっきり優しい。本当にクララに話しかけているみたいです。そして各楽器間の会話が何ともチャーミング。
第2楽章のテーマも私には「クラーラ」に聴こえます。続く変奏の妙が実に見事でした。
実際にこの録音に参加された♪Mumukau♪さま によると、2003年の全国ツアーの途中、たった二日間のセッションで完成させてしまったそうです。
さぞかし強行軍で大変だったと思いますが、この演奏に、温かさとともに一種ライブ録音のような集中力と一気呵成さを感じるのは、そのあたりから来ているのかもしれません。
先日聴いたコンサートでは、唯一の男性奏者であるマティアス・ノインドルフの音色が他の奏者より柔らかく、そのことがハーモニーを奏でる上で、シューマン独特の陰影を与える大きな要因になっていたと思います。
2003年のこのレコーディングでは、4人の日本人女性奏者たちが作り出す表情は実に生気溢れるもので、各メンバーの音楽の同質性という点ではさらに上回っているように感じました。
メンバーが変わっても、緊密なアンサンブル能力と、常に温かさを失わない表現力がこのカルテットの伝統になっているんですね。
実に素晴らしいアンサンブルだと、改めて実感。