昨夜のNHKの番組「トップランナー」で、ヴァイオリニストの庄司紗矢香さんが登場していた。
独特のアルトで、言葉を選びながらゆっくり喋るその語り口に、思わず引き込まれてしまう。
そして、話の内容にも、26歳とはとても信じられない説得力がある。
持って生まれた性格もあると思うが、思慮深さ、物事と対峙した時の真摯さ、そして感性の豊かさが並外れているのだろう。
庄司さんの話の中で印象に残ったのは、やはり音楽への真摯な姿勢だった。
彼女は言う。
「演奏家として重要なのは、作曲家が何を伝えたいのかを汲みとること。
ヒントは自筆譜にある。自筆のスコアは作曲家自身の手紙のようなものだ。
線の書き具合、どこの音符に心がこもっているか等、すべてが自筆譜に隠されている。」
そして、次のように総括する。
「作曲家の意図をくみ取り、そこに想像力をはたらかせて、曲の魅力を今生きている人に伝えることこそ演奏家の使命。
演奏家のために作曲家があるのではない。作曲家のために演奏家がある。」
何と素晴らしい言葉だろう。
そして、それを単なる言葉としてだけではなく、ヴァイオリンという楽器を使って、ものの見事に体現できているところが彼女の凄さ。
この日、スタジオで2曲演奏してくれたが、私はとりわけ「愛の挨拶」に痺れた。
大変ポピュラーな曲だけど、これほど優しさにあふれ、官能的な演奏には、そうお目にかかれない。
現在の愛器は、ストラディバリウス「レカミエ」(1729年作)だそうだが、彼女自身の言葉を借りると、「深くて、甘美な音色」の名器。
庄司さんは、以前ストラディバリウスの「ヨアヒム」(1715年作)を使っていたと記憶しているが、最近変えたのだろうか。
「5歳でバイオリンを始め、出場したコンクールはすべて優勝!」というようなキャッチフレーズからは、早熟の天才のように思われがちだが、彼女の音楽はきっと齢を重ねるごとに味わいを深めていくことだろう。
私の中でも、ヒラリー・ハーンと並んで最も期待するヴァイオリニストである庄司さん。
今後の活躍が、ますます楽しみである。
独特のアルトで、言葉を選びながらゆっくり喋るその語り口に、思わず引き込まれてしまう。
そして、話の内容にも、26歳とはとても信じられない説得力がある。
持って生まれた性格もあると思うが、思慮深さ、物事と対峙した時の真摯さ、そして感性の豊かさが並外れているのだろう。
庄司さんの話の中で印象に残ったのは、やはり音楽への真摯な姿勢だった。
彼女は言う。
「演奏家として重要なのは、作曲家が何を伝えたいのかを汲みとること。
ヒントは自筆譜にある。自筆のスコアは作曲家自身の手紙のようなものだ。
線の書き具合、どこの音符に心がこもっているか等、すべてが自筆譜に隠されている。」
そして、次のように総括する。
「作曲家の意図をくみ取り、そこに想像力をはたらかせて、曲の魅力を今生きている人に伝えることこそ演奏家の使命。
演奏家のために作曲家があるのではない。作曲家のために演奏家がある。」
何と素晴らしい言葉だろう。
そして、それを単なる言葉としてだけではなく、ヴァイオリンという楽器を使って、ものの見事に体現できているところが彼女の凄さ。
この日、スタジオで2曲演奏してくれたが、私はとりわけ「愛の挨拶」に痺れた。
大変ポピュラーな曲だけど、これほど優しさにあふれ、官能的な演奏には、そうお目にかかれない。
現在の愛器は、ストラディバリウス「レカミエ」(1729年作)だそうだが、彼女自身の言葉を借りると、「深くて、甘美な音色」の名器。
庄司さんは、以前ストラディバリウスの「ヨアヒム」(1715年作)を使っていたと記憶しているが、最近変えたのだろうか。
「5歳でバイオリンを始め、出場したコンクールはすべて優勝!」というようなキャッチフレーズからは、早熟の天才のように思われがちだが、彼女の音楽はきっと齢を重ねるごとに味わいを深めていくことだろう。
私の中でも、ヒラリー・ハーンと並んで最も期待するヴァイオリニストである庄司さん。
今後の活躍が、ますます楽しみである。