昨日の読響マチネと順序が逆になってしまいましたが、27日に聴いたストラディヴァリウス・サミット・コンサートの感想を。
第8回ストラディヴァリウス・サミット・コンサート2009
<日時>2009年5月27日(水)19:00開演
<会場>サントリーホール
<曲目>
■デ・モラーレス :アンティフォーノ(「死者のための聖務日課」より)
■ヘンデル :合奏協奏曲集 op.6から 第1番ト長調
■ヴィヴァルディ :2つのチェロのための協奏曲 ト短調
■ニールセン :小組曲 イ短調 op.1
(休憩)
■バーバー :弦楽のためのアダージョ op.11
■ドヴォルザーク :弦楽のためのセレナーデ ホ長調 op.22
(アンコール)
■スーク:弦楽セレナーデ 第2楽章
■モーツァルト:ディヴェルティメント KV.136 第3楽章
■チャイコフスキー:弦楽セレナーデ 第2楽章
<演奏>
ベルリン・フィルハーモニック・ストラディヴァリ・ソロイスツ
コントラバスを除くすべての奏者がストラディヴァリウスを使用し、その総額がなんと90億円にも達するという話が結構目玉になっていたようですが、そんなことはどうだっていい。
ベルリンフィルの名手たちが自然体で聴かせてくれたこの2時間は、私にとって大変幸せな時間でした。
終演後、後ろの列に座っておられたご婦人が、ため息混じりに「まるで別世界のようね」という会話をされていましたが、まさに仰るとおり。
彼らに、何かを誇示しようとするような姿勢は微塵もありません。
「この曲、いい曲でしょ。自分たちもこんなに楽しんで弾いているんですよ」とでも言いたげな表情で演奏してくれました。
もちろん極めつけのアンサンブルの精度を誇るベルリンフィルのメンバーだからこそ、それが最上の結果に結び付くわけですが、まあ何とも見事な演奏でした。
冒頭のデ・モラーレスの曲は、オリジナルは合唱の曲でそれを弦楽アンサンブル用にアレンジしたものですが、ノン・ヴィブラートの透明感あふれるサウンドはオープニングにぴったり。
そして、この日の白眉はバーバーのアダージョでした。
ことさら悲壮感を際立たせた表現ではなく、むしろ淡々とした表現でしたが、それがかえって心に沁みます。感動的な演奏でした。
また、この日のメインのドボルザークも名演。
第1楽章冒頭の数小節で、ホールの空気を一瞬にして変えてしまいます。
ワルツを経てスケルツォが終わった段階で早くも拍手が来てしまいましたが、無理ないかもしれませんね。
鳴りやまない拍手に応えて、日本語が堪能なヴァイオリン奏者(誰なんだろう?)の曲目紹介に続いてアンコールを3曲も演奏してくれましたが、中でもスークの優雅さが印象に残っています。
個々の音色の素晴らしさ、そして11人がうみだすサウンドの素晴らしさは言うまでもないことですが、何といっても呼吸感の見事さに私は大きな感銘を受けました。
最近、元巨人軍監督の長嶋茂雄さんが「○○○してますか?」と言っているように聴こえるテレビのCMがありますが、この日の私なら、「もちろんです!」と答えたでしょう。
最初から最後まで、私も心の中で名人たちと一緒に「音楽」していましたから。
第8回ストラディヴァリウス・サミット・コンサート2009
<日時>2009年5月27日(水)19:00開演
<会場>サントリーホール
<曲目>
■デ・モラーレス :アンティフォーノ(「死者のための聖務日課」より)
■ヘンデル :合奏協奏曲集 op.6から 第1番ト長調
■ヴィヴァルディ :2つのチェロのための協奏曲 ト短調
■ニールセン :小組曲 イ短調 op.1
(休憩)
■バーバー :弦楽のためのアダージョ op.11
■ドヴォルザーク :弦楽のためのセレナーデ ホ長調 op.22
(アンコール)
■スーク:弦楽セレナーデ 第2楽章
■モーツァルト:ディヴェルティメント KV.136 第3楽章
■チャイコフスキー:弦楽セレナーデ 第2楽章
<演奏>
ベルリン・フィルハーモニック・ストラディヴァリ・ソロイスツ
コントラバスを除くすべての奏者がストラディヴァリウスを使用し、その総額がなんと90億円にも達するという話が結構目玉になっていたようですが、そんなことはどうだっていい。
ベルリンフィルの名手たちが自然体で聴かせてくれたこの2時間は、私にとって大変幸せな時間でした。
終演後、後ろの列に座っておられたご婦人が、ため息混じりに「まるで別世界のようね」という会話をされていましたが、まさに仰るとおり。
彼らに、何かを誇示しようとするような姿勢は微塵もありません。
「この曲、いい曲でしょ。自分たちもこんなに楽しんで弾いているんですよ」とでも言いたげな表情で演奏してくれました。
もちろん極めつけのアンサンブルの精度を誇るベルリンフィルのメンバーだからこそ、それが最上の結果に結び付くわけですが、まあ何とも見事な演奏でした。
冒頭のデ・モラーレスの曲は、オリジナルは合唱の曲でそれを弦楽アンサンブル用にアレンジしたものですが、ノン・ヴィブラートの透明感あふれるサウンドはオープニングにぴったり。
そして、この日の白眉はバーバーのアダージョでした。
ことさら悲壮感を際立たせた表現ではなく、むしろ淡々とした表現でしたが、それがかえって心に沁みます。感動的な演奏でした。
また、この日のメインのドボルザークも名演。
第1楽章冒頭の数小節で、ホールの空気を一瞬にして変えてしまいます。
ワルツを経てスケルツォが終わった段階で早くも拍手が来てしまいましたが、無理ないかもしれませんね。
鳴りやまない拍手に応えて、日本語が堪能なヴァイオリン奏者(誰なんだろう?)の曲目紹介に続いてアンコールを3曲も演奏してくれましたが、中でもスークの優雅さが印象に残っています。
個々の音色の素晴らしさ、そして11人がうみだすサウンドの素晴らしさは言うまでもないことですが、何といっても呼吸感の見事さに私は大きな感銘を受けました。
最近、元巨人軍監督の長嶋茂雄さんが「○○○してますか?」と言っているように聴こえるテレビのCMがありますが、この日の私なら、「もちろんです!」と答えたでしょう。
最初から最後まで、私も心の中で名人たちと一緒に「音楽」していましたから。