ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

鈴木大介 アランフェス協奏曲ほか 『熱狂の日2007(その2)』

2007-05-05 | コンサートの感想
小菅優トリオのあとは、江口有香さんをソリストとするモーツァルト「トルコ風」と、鈴木大介さんをソリストとするアランフェス協奏曲。
今度はホールCの指定席ですから、順番待ちで事前に並ぶ必要がないので、精神的にも肉体的も楽です。
しかし、なんで全部指定席にしないんだろう。

         オフィシャルHPより
             ↓
          

<日時>2007年5月2日(水)
<会場>ホールC
<曲目>
■モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
■ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
<演奏>
■江口有香(vl)
■鈴木大介(g)
■沼尻竜典(指揮)
■トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ

まずモーツァルト。
冒頭のオケの響きが、弾力性をもった響きでとても心地よい。
ソロ・ヴァイオリンは最初少し硬い感じでしたが、清潔で確かな様式感をもった演奏。
第2楽章から第3楽章にかけては、表情も随分豊かになったと思います。
しかし、第3楽章に入って懼れていたことが起こってしまいました。
第1楽章からむずかっていた子供が、ついに第3楽章途中で爆発してしまったのです。
もう音楽どころではありません。
相当数の聴衆の目・耳が、その子供の方に向けられたのではないでしょうか。
「音楽ファンの裾野を広げたい。一人でも多くの人に音楽の魅力を伝えたい。」
この理念にいささかの異論もありませんが、こんな現実を目の当たりにすると、やっぱり来年の運営までには十分考えないといけないことだと痛感しました。
しかし、そんな状況にありながらも、ぶち切れることなく最後までしっかり演奏してくれた江口さんを始め演奏者の方々には、ひとこと「ありがとう」と言いたいです。

さて、後半はアランフェス協奏曲。
鈴木さんは、ギターレストを事前にギターにセットして舞台に登場。
ビックリされた方も多かったのではないでしょうか。
見栄えはともかく、姿勢という点からは足台を使うよりも望ましいといわれています。

ただ、鈴木さんの調子そのものは、残念ながらあまりよくなかったと思います。
いつもの切れ味がなかったですから・・・。
しかし、それでも、「スペインの血、スペイン情緒」といったアランフェスの魅力を、その場面場面で的確に描き出してみせるところは、やはり鈴木大介さんならではのもの。
第1楽章の中間部から最初のテーマに戻る箇所やラスト手前では、ラスゲァードを使ってユニークなリズムを生み出していたし、有名な第2楽章でも、通常親指で弾き下ろすアルペッジョを途中からラスゲァードに切り替えて、いやがうえにもスペインの香りを醸しだしていました。
また、独奏チェロとイングリッシュホルンの冴えた音色にも心打たれました。

さあ、この次はクニャーゼフのチェロでチャイコフスキーの室内楽です。
レビューは次回書きます。



コメント
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