ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

2006年 私の聴いたCDベスト10

2006-12-28 | CDの試聴記
今年聴いたCDの中で、とくに印象に残ったディスクを選びました。
決して「今年リリースされた新譜」という観点での選曲ではありません。
あくまでも、「私が、今年になって初めて聴いたディスクのうち、とくに気にいったディスク」という基準ですので、その点ご了承いただきたいと思います。
なお、一応(1)~(10)という形で番号をつけましたが、さしたる理由はありません。

(1)ヘンデル作曲 『メサイア』
<演奏>
 アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
 アルノルト・シェーンベルク合唱団ほか
(2004年12月のライブ録音)
<寸評>
アーノンクールの新盤。
もの凄い集中力だけど、ややエキセントリックな感じも否めなかった旧盤とは相当違う。
眼差しが優しくなって、全てを包み込むような大きさが感じられるようになりました。
「ハレルヤ」を聴いて、こんなに優しい気持ちにさせられたことはありません。
アルノルト・シェーンベルク合唱団の偉大さも大きく貢献。
「メサイア」最高の名盤のひとつ。

(2)モーツァルト コンサートアリア集
<演奏>
 ナタリー・デッセイ(S)
 グシュルバウアー指揮 国立リヨン歌劇場管弦楽団
<寸評>
グルベローヴァの素晴らしい歌唱に感動しつつも、「もう少し柔らかな表情で歌ってくれる演奏はないものか、たとえばデッセイのように・・・」と思っていたところ、IANISさんに教えてもらったのがこのディスク。
まさに、私の理想の演奏でした。
今年、最もよく聴いたディスクのひとつ。

(3)モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番『ジュノム』
<演奏>
 フリードリヒ・グルダ(P)
 カール・ベーム指揮 バイエルン放送交響楽団
<寸評>
超一流の演奏家たちが、若き日を思い出しながら何とも瑞々しい演奏を展開。
このコンビ、いい意味で大人です。
録音も優秀。

(4)モーツァルト:交響曲第36番ハ長調『リンツ』
<演奏>
 カルロス・クライバー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1988年3月 定期演奏会のライブ録音)
<寸評>
6大シンフォニーの中では最も地味な「リンツ」から、これだけの魅力を引き出したカルロスはやはり天才!
ウィーンフィルの美質ともベストマッチ。
DVDの映像も文句なく素晴らしいけど、このムジークフェラインの定期演奏会の録音はさらに上を行きます。

(5)シューマン 弦楽四重奏曲(全曲)
<演奏>
 ロータス・カルテット
<寸評>
シューマン没後150周年という年に、実際にコンサートで聴いて感銘を受け、すぐに購入したディスク。
このレコーディングでは、日本人女性4名でカルテットを組んでいます。
シューマンへの愛情が、曲の隅々にまで感じられる素敵な演奏。
このディスクのおかげで、比較的演奏機会が少ないこの曲の魅力を再発見することができました。

(6)ブラームス ヴァイオリンソナタ(全曲)
<演奏>
 ゲアハルト・ヘッツェル(ヴァイオリン)
 ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)
<寸評>
emiさんにご紹介いただいて、必死に探し回ってようやくゲットしたディスク。
優しさと豊かさに溢れた素晴らしいブラームス。
現在廃盤のようですが、早く復活させて欲しいと思います。
知る人ぞ知る隠れた名盤。

(7)ベートーヴェン ピアノソナタ(全曲)
<演奏>
 イーヴ・ナット 
<寸評>
学生時代2枚だけLP(もちろん廉価盤)を持っていました。
今年、CDの全集を手に入れ聴きましたが、どの曲もとても気に入りました。
決して気負うことなく、しかし、主張すべきはしっかり主張する。
そして、何気ないフレーズの表現に独特の色気があって、実に瑞々しいベートーヴェンだと感じました。
私の感性にぴったりフィット。

(8)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
<演奏>
 ヒラリー・ハーン(vn)
 ヤノフスキ指揮 オスロ・フィル
<寸評>
ウィーンへ旅立つ前に聴きました。
凄いとしか言いようのない集中力と、圧倒的なテクニックの冴え。
まさしく天才の為せる業。
6月に実演に接し、その思いは確信に変わりました。

(9)ケフェレック バッハアルバム
<曲目>
 パルティータ第5番、第2番ほか
<演奏>
 アンヌ・ケフェレック(p)
<寸評>
パリ生まれの名花アンヌ・ケフェレックが初来日した時に録音したアルバム。
レモンをかじった時のような新鮮な感触を持ったバッハ。
この録音から約30年経った今年5月、幸いなことに彼女のモーツァルトを実演で聴くことができました。
ただただ素晴らしかった。これはコンサートベストテンで書きます。

(10)ワーグナー 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
<演奏>
 フリッツ・ライナー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 パウル・シェフラー(ザックス)
 ゴットロープ・フリック(ポーグナー)
 エーリヒ・クンツ(ベックメッサー)
 ハンス・バイラー(ヴァルター)
 イルムガルト・ゼーフリート(エーファ)ほか
(1955年11月、ライヴ録音)
<寸評>
オペラの分野からは、レコードアカデミー賞を受賞したカイルベルトの「ジークフリート」にしようかと大分迷ったのですが、結局ライナーのマイスタージンガーに決めました。
フルトヴェングラーが亡くなってちょうど一年後くらいの録音ですが、オペラ指揮者としても、ライナーがどれだけ凄い実力を持っていたかをいやというほど思い知らされる演奏。
歌手陣の豪華さも特筆もの。
録音も良いです。
詳細は、また後日ブログで採りあげるつもりです。
 
コメント (9)
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