ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

アンダのバッハ:パルティータ第2番(ザルツブルク音楽祭でのライブ)

2005-06-05 | CDの試聴記
今日は久しぶりの完全オフです。野球のテレビ観戦以外は久しぶりにゆっくり音楽を聴いて過ごしました。
まずフェニーチェオペラが2001年に来日したときの「シモン・ボッカネグラ」を昨夜ハイビジョンで放送していたので、その録画を観ました。このオペラは今まであまりじっくり観たことがなかったのですが、これはブラヴォー(みんな良かったからブラビかな・・・)です。特にパオロ役のヴラトーニャとフィエスコ役のマルティロッシアン が素晴らしい名唱でした。是非一度舞台で見てみたいオペラです。

CDもたくさん聴くことができました。まず、いつもお世話になっているmozart1889さんの記事に触発されてケルテスのモーツァルト40番を聴きました。ケルテスの音楽は何より力ずくでないところが魅力です。仕上がりは結構スタイリッシュになるのですが、ふくよかさと瑞々しさが失われないところに感銘を受けました。タイプは違いますが、カンテッリと一脈通ずるところがあるかもしれません。そういえば、どちらも夭折の天才ですね。
それ以外では、セルのドボルザーク8番(旧盤です)、シューリヒト&VPOのシューベルト5番とブラームス4番、ジュリーニ&シカゴ響の同じくブラームス4番、ライスターのウェーバーのクラリネット五重奏曲等をじっくり聴きました。
そうこうしているうちに、ネットで注文していたCDがきました。
その中の一枚が「ザルツブルク音楽祭のバッハ」と題されたダイジェスト版です。
このアルバムには、グールドがまだコンサート活動をしていた頃のバッハのニ短調コンチェルトやミルシテインによる「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番」といった名演が含まれています。前者は、コンセルトヘボウの10数枚組のボックスCDにも納められているようですから、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれません。

でも、このアルバムで私が一番感動したのは、ゲザ・アンダのパルティータ第2番です。
さわれば壊れてしまうようなはかなさと、まるで自分をじっと見つめながら弾いているかのような内的緊張感を併せ持った素晴らしい演奏だと思います。アンダは各楽章の特徴を本当に巧みに描きつつ、美しい音で聴き手を魅了します。とりわけ、サラバンドが筆舌に尽くしがたいほど美しい。この美しいサラバンドがあるから、続くロンド、カプリッチョの軽やかさ、爽快感がいっそう浮き彫りになるんですね。このパルティータだけで5回も聴いてしまいました。
コメント (2)
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