毎年、私の近くの田は県産米の「はつしも」という品種が多く、その名の通り霜が降りる頃に近くなってから遅い稲刈りが始まると書いてきた。
しかし、さすがにここへ来て見渡すかぎりの田での稲刈りは先々週の末ぐらいには終わった。ただし、たった一枚の田を除いては・・・。
それが私のうちの二階の眼下にある田んぼなのである。そしてその田は、これまで2、3回触れてきたように、風雨にさらされるたびに倒伏が広がり、いまではほとんど全面倒伏の状態といっていい。
二階に住んでいる私は、朝起きて部屋を出た途端、否が応でもこの光景を目にする。そしてうちにいる限り、日に何度となくこれを目にしなければならない。
それは、幼いころ数年、農家に暮らし米作りに寄り添い、それを目の当たりにしてきた私には、苦痛というとオーバかも知れないが、それに近いものがある。
だから、前回も早く刈り取ってほしいものだと書いたりした。それがよりにもよってここだけが残されるなんて・・・。
建物の間に見える田はすべて稲刈りを終えている(左端は問題の田)
一体どうしたのだろう。倒伏した分だけ時間をおいて横たわったものの実りを待っているのだろうか。それとも倒伏したものを刈り取る手段に窮しているのだろうか。あるいは、もう今年の収穫は諦め、このまま放置するのだろうか。
不吉な想像はさらに広がり、以前、この田の持ち主は独り身だと聞いたことがあるが、その身に何かが起こったのではあるまいかなどとも考えてしまう。
いずれにしても、もしこの田がこのまま放置され、稲たちが枯れ死したり、やがてそれらが腐敗したりする様を見なければならないとしたら、私の絹の靴下のように繊細な神経は、とてもそんな光景に耐えられないのではないかと恐怖している。
昨年は殆ど周辺と変わらない時期に刈り取りが行われた。ひとり黙々と作業を進める彼に、家を出て、写真を撮ってもいいか尋ねた。「正面から顔を撮らないならいいよ」とのことであった。
その折のものを最後に載せておく。写真データから見ると昨年の10月7日のものである。だから今年は、もう2週間以上遅れていることになる。
私がやきもきするのもお分かりいただけようというものだ。
しかし、さすがにここへ来て見渡すかぎりの田での稲刈りは先々週の末ぐらいには終わった。ただし、たった一枚の田を除いては・・・。
それが私のうちの二階の眼下にある田んぼなのである。そしてその田は、これまで2、3回触れてきたように、風雨にさらされるたびに倒伏が広がり、いまではほとんど全面倒伏の状態といっていい。
二階に住んでいる私は、朝起きて部屋を出た途端、否が応でもこの光景を目にする。そしてうちにいる限り、日に何度となくこれを目にしなければならない。
それは、幼いころ数年、農家に暮らし米作りに寄り添い、それを目の当たりにしてきた私には、苦痛というとオーバかも知れないが、それに近いものがある。
だから、前回も早く刈り取ってほしいものだと書いたりした。それがよりにもよってここだけが残されるなんて・・・。
建物の間に見える田はすべて稲刈りを終えている(左端は問題の田)
一体どうしたのだろう。倒伏した分だけ時間をおいて横たわったものの実りを待っているのだろうか。それとも倒伏したものを刈り取る手段に窮しているのだろうか。あるいは、もう今年の収穫は諦め、このまま放置するのだろうか。
不吉な想像はさらに広がり、以前、この田の持ち主は独り身だと聞いたことがあるが、その身に何かが起こったのではあるまいかなどとも考えてしまう。
いずれにしても、もしこの田がこのまま放置され、稲たちが枯れ死したり、やがてそれらが腐敗したりする様を見なければならないとしたら、私の絹の靴下のように繊細な神経は、とてもそんな光景に耐えられないのではないかと恐怖している。
昨年は殆ど周辺と変わらない時期に刈り取りが行われた。ひとり黙々と作業を進める彼に、家を出て、写真を撮ってもいいか尋ねた。「正面から顔を撮らないならいいよ」とのことであった。
その折のものを最後に載せておく。写真データから見ると昨年の10月7日のものである。だから今年は、もう2週間以上遅れていることになる。
私がやきもきするのもお分かりいただけようというものだ。
子供の時、日本で汽車の旅の楽しみは畑の向こうに散在する民家を東京から京都まで眺めることでした。もう八十年前の昔の日本でしたのにね。
貴方が掲載して下さる写真をフィラデルフィアで眺める感想です。老齢の身で。ありがとう。
T.
この田はまだそのままですが、ちょっと安心したのは、昨日久々に郊外に出たところ、そこにもまだ刈られていない田がかなりあったことです。
ですから、まだ収穫を諦めたわけではないと思います。いづれにしても、その結果は報告いたします。
稲田をつぶしては、建設される二階建築住宅アパート。そし一面に広がる、倒れた稲の「波」。
数十年前アメリカの都市郊外にも見受けられたような景色でした。こちらは小麦畑だったけど。
ちょこっとだけでも、そのあとのしめくくり記事は残してくださいね。
稲が倒伏しただけで心配していたのに、ほかの田が刈られてからすでに10日余り、ここだけが残り目立っています。
こうした事情にちょっと詳しい方から、こんな推察を頂きました。
「色々考えられますが、病気や怪我等で自分で刈り取りが出来ない場合は業者等に刈ってもらうことになりますが急に頼んだ場合はほぼ最後の刈り取りになります。次に考えられるのはかなり倒れたので共済保険を申請した場合、農業委員の立会いの元判定になるのでそれ待ち。でも少し遅いでしょうか。次に考えられるのは二度の台風で田んぼの土がかなり柔らかく根っこごと引き抜けるので乾くのを待ってる場合。この場合は倒れた稲を反対側にひっくり返し返します。あと考えられるのは、倒れて刈りにくいので一番最後に刈ることにして天気の良い乾いた時にゆっくり刈る予定にした場合。ハツシモの特性はわかりませんが、気温も下がってきたので刈り遅れについてもあまり心配しなくても良い様な気がします。
ま、一般的には最後のパターンでしょうか。」
なるほどと思いますが、毎日見下ろすのはちょとつらいものがありますから、どんな事情であれ、一日も早く刈り取られますよう、祈らずにはいられません。
去年の写真で「青年」と見れば猶更私もその思いが募ります。