女のひとの横顔が見える
頬だけが白く光っていてあとは陰影のなか
でも なんだか懐かしいひと
高校時代に読んだ小説に出てきたひとか
ぽつねんと夜汽車に揺られていたひとか
それとも 生き別れになった姉だろうか
陰影のなかから唄声が広がる
あ これはむかし聴いた童唄
たしか鞠つき唄だったような
しかも尻取りになっている唄
イチリキライライ ラッキョクッテシッシ
シンガラモチキャッキャ キャベツデホイ
ホイで鞠は少女のスカートのなかに消えて
少女はキッと私を見据えるのだった
*上の鞠つき唄は、以下のものの別バージョンのようだ。
いちりきらいらい らかさですいすい
かっぱくってきゃっきゃっ きゃべつでほうらい
最後にお尻の所で受け止めるのが、なかなか難しいのですよ、不器用者には。
童歌はその意味と関係なく子供たちの歌いやすさや憶えやすさの基準でどんどん変わりますから、けっこう局所的に変化が見られるようですね。
とくに昔の電波などの媒体がない口承の時代にはそうだったと思います。
イチジク ニンジン・・・・については、逆に子供たちから教えられたものを憶えています。
イチジク ニンジン サンマのシッポ ゴリラのろっ骨
ナッパ ハッパ 腐ったとうふ
おばママの手鞠つき、さぞかし可愛かったでしょうね。