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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

冬の夕刻 @田舎道

2015-01-11 22:43:03 | 日記
    
 
 冬の夕刻、田舎道は寒くて寂しい。
 伊吹山は黒い雲の向こうに身を隠し、カラスすら飛んではいない。
 背を丸めて歩いているとどこへも帰れないのではという気がする。
 ぽつねんとひとりいることが深々と心細い。
 いつも見慣れた風景がどこか突き放すように空々しい。
 車のライトが、襲いかかるように身をよぎって曲がっていった。
 遠くでうつけたように犬が鳴いたが、すぐに鳴き止む。

    
 
 あと何歩歩いたらいいのだろうか。
 数え始める。
 三〇ほど数えただけで馬鹿々々しくなって止めてしまう。
 ブルブルっと身震いすると、あたりの灯がすべて揺れた。
 冬の夕刻、田舎道はひたすら寒くて寂しい。

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