音感はいい方ではないと思うが音楽を聞くのが好きだ。もっとも、いい音を聴くという機会に恵まれず、オーディオについての関心を持たない環境で過ごしてきた結果だから音感上の弱さは仕方がないと思っている。
昭和20年代の中頃から音楽を聴き始めたが、まずはチューニングの悪いラジオからで、雑音や得体のしれない音波がつねに飛び込んできた。そのおかげで北京放送やモスクワ放送も聴いた。何やら怪しげな4桁の数字が延々と読み上げられることがあったが、あれは乱数表を用いたコミンフォルムからの暗号指令だったのではないかと思う。
そんな環境のなかでS盤アワーとかL盤アワーとかいった番組で音楽を聴き始めた。ようするに聴こえさえすればいい、ないしはちゃんと聞こえると僥倖だといった環境下で聴きはじたのだった。
再生装置といったら、手回しに近い蓄音機程度のものしかなかった。
そんななかではじめて自分専用のオーディオ装置を持ったのは30年近い前だろうか。これはパナソニックのシステムコンポで、先ほど「自分専用」といったが実は当時経営していた居酒屋に置いたものであった。
システムコンポにしたのは、アンプはどこそこ、プレーヤーはあそこ、スピーカーはあれといった知識が皆無だったのと、それらを個別に買って接続できる自信が全くなかったからである。
それを使って店のBGMを流した。今でこそ珍しくも何ともないが、当時、居酒屋でクラシックやジャズを、しかもイージーリスニングではなくて聴かせるというのはそんなになかったと思う。
あるとき、私の好きなメルカダンテのフルート協奏曲(5曲あってどれもいい)をかけていたら、店の奥から一人の顧客がネギマを焼いている私の所までわざわざ来て、「これは有線か」と訊くので、「いいえ、私の選曲です」と答えると、「いやー、こんなところでメルカダンテが聴けるなんて」といたく感激して、その後、次々と音楽好きの顧客を紹介してくれた。
私より少し年配の方であったが、その数年後に亡くなられた。
メルカダンテを聴くと、まっさきにそのひとのことが頭に浮かぶ。
なお、BGMにするにはバロックからモーツアルト前後までだろうか。
ロマン派になるとフォルテシモとピアニシモの落差が大きく、音量を前者に合わせるとピアニシモの部分が全く聴こえず、後者に合わせるとフォルテシモの部分でとんでもない音量となりなかなか使いづらい。もっとも、室内楽の場合はそれほどの落差はないので使える。
それから数年後、今度は自宅の自分の部屋にもと思い、DENON(当時はデンオンといった。いまはデノンらしい)のD101というシステムコンポを大枚20万円ほどで買った。
それをいまでも使っている。
ところがだ、寄る年波で最近あまり外へ出ないせいでよく聴いたからだろうか、CDプレーヤーが壊れてしまった。トレイが作動しなくなってしまったのだ。蓋を開けていろいろいじっていたがどうにもならない。それ以前にカセットデッキの部分も壊れてしまっていたので使い続ける勇気をなくし、なんとかこのアンプとスピーカーを活かしてCDやカセットを聴けないものかと考えた。
ここまでお読みいただいてお分かりのように、めっぽう機械に弱い私にはこれを独力で解決する能力はない。そこで、もつべきは「くすしとものくるるとも」との兼好法師の教訓のもと、援軍を探すこととした。そこで白羽の矢を立てたのが、パソコン通信時代からの知り合いで、店にも来てくれて、MIXIでも出会い、FACEBOOKでも付き合いのあるU氏であった。
彼はこの方面にも明るいはずだし、なによりも情報収集能力に長けている。
私は率直に窮状を述べて泣きついた。
氏による豊富な情報が私のもとに届き始めた。私はそれを追認しながらも慎重であった。その情報をもとに機器を購入するとして、それを最後に接続するのはこの不器用な私である。私が撮った自分の機器の背後の写真や、氏が送ってくれる購入予定の機器の使用説明書などが飛び交った。
その積み重ねのなかで、「よし、これならいけるだろう」と確信をもつに至って、私はそれを発注した。メーカー小売希望価格は68,000円ほど、大手家電販売店では49,000円ほど、そしてAMAZONでは29,000円ほど、ということで迷わずアマゾンへ。溜めてあったポイントもあって、28,000円弱で手に入った。
そしてそれが今日来た。10%ほどの不安を抱えて接続した。一発でOK !
CD、カセット共に大丈夫だ。
この際、設置場所も自分がいつも座っている場所でベストなように変えたせいもあって、さながら大掃除のように半日を要した。しかし、居ながらにしていい音楽を聴けるのだからそんな手間暇はたやすいものだ。
さてセットアップには成功したが、この機器の機能をフルに稼働させるためにはまだまだ使用説明書などで勉強しなければならない。
この機器の特色で狙い目は、USBメモリーにCDやカセットテープの音楽を移動させることにある。とりわけ私にとっては、カセットテープ700本の音楽を聴きながらUSBに移すという作業が眼目になる。
とりあえず、接続できたことに有頂天でこれを書いているが、まずは取扱説明書を精読し、諸機能を十分マスターしなければならない。
今日、最初に聞いたテープは、かつてFMからエアーチェックしたペルゴレージの音楽であった。
これをしみじみと聴きながら、ここまで辛抱強く付き合ってくれたU氏に感謝感激雨あられの思いをもっている。
おっと、購入した機器名を書くのを忘れた。写真にもあるようにそれは、TEACのAD-RW900、CDレコーダー/カセットデッキである。
昭和20年代の中頃から音楽を聴き始めたが、まずはチューニングの悪いラジオからで、雑音や得体のしれない音波がつねに飛び込んできた。そのおかげで北京放送やモスクワ放送も聴いた。何やら怪しげな4桁の数字が延々と読み上げられることがあったが、あれは乱数表を用いたコミンフォルムからの暗号指令だったのではないかと思う。
そんな環境のなかでS盤アワーとかL盤アワーとかいった番組で音楽を聴き始めた。ようするに聴こえさえすればいい、ないしはちゃんと聞こえると僥倖だといった環境下で聴きはじたのだった。
再生装置といったら、手回しに近い蓄音機程度のものしかなかった。
そんななかではじめて自分専用のオーディオ装置を持ったのは30年近い前だろうか。これはパナソニックのシステムコンポで、先ほど「自分専用」といったが実は当時経営していた居酒屋に置いたものであった。
システムコンポにしたのは、アンプはどこそこ、プレーヤーはあそこ、スピーカーはあれといった知識が皆無だったのと、それらを個別に買って接続できる自信が全くなかったからである。
それを使って店のBGMを流した。今でこそ珍しくも何ともないが、当時、居酒屋でクラシックやジャズを、しかもイージーリスニングではなくて聴かせるというのはそんなになかったと思う。
あるとき、私の好きなメルカダンテのフルート協奏曲(5曲あってどれもいい)をかけていたら、店の奥から一人の顧客がネギマを焼いている私の所までわざわざ来て、「これは有線か」と訊くので、「いいえ、私の選曲です」と答えると、「いやー、こんなところでメルカダンテが聴けるなんて」といたく感激して、その後、次々と音楽好きの顧客を紹介してくれた。
私より少し年配の方であったが、その数年後に亡くなられた。
メルカダンテを聴くと、まっさきにそのひとのことが頭に浮かぶ。
なお、BGMにするにはバロックからモーツアルト前後までだろうか。
ロマン派になるとフォルテシモとピアニシモの落差が大きく、音量を前者に合わせるとピアニシモの部分が全く聴こえず、後者に合わせるとフォルテシモの部分でとんでもない音量となりなかなか使いづらい。もっとも、室内楽の場合はそれほどの落差はないので使える。
それから数年後、今度は自宅の自分の部屋にもと思い、DENON(当時はデンオンといった。いまはデノンらしい)のD101というシステムコンポを大枚20万円ほどで買った。
それをいまでも使っている。
ところがだ、寄る年波で最近あまり外へ出ないせいでよく聴いたからだろうか、CDプレーヤーが壊れてしまった。トレイが作動しなくなってしまったのだ。蓋を開けていろいろいじっていたがどうにもならない。それ以前にカセットデッキの部分も壊れてしまっていたので使い続ける勇気をなくし、なんとかこのアンプとスピーカーを活かしてCDやカセットを聴けないものかと考えた。
ここまでお読みいただいてお分かりのように、めっぽう機械に弱い私にはこれを独力で解決する能力はない。そこで、もつべきは「くすしとものくるるとも」との兼好法師の教訓のもと、援軍を探すこととした。そこで白羽の矢を立てたのが、パソコン通信時代からの知り合いで、店にも来てくれて、MIXIでも出会い、FACEBOOKでも付き合いのあるU氏であった。
彼はこの方面にも明るいはずだし、なによりも情報収集能力に長けている。
私は率直に窮状を述べて泣きついた。
氏による豊富な情報が私のもとに届き始めた。私はそれを追認しながらも慎重であった。その情報をもとに機器を購入するとして、それを最後に接続するのはこの不器用な私である。私が撮った自分の機器の背後の写真や、氏が送ってくれる購入予定の機器の使用説明書などが飛び交った。
その積み重ねのなかで、「よし、これならいけるだろう」と確信をもつに至って、私はそれを発注した。メーカー小売希望価格は68,000円ほど、大手家電販売店では49,000円ほど、そしてAMAZONでは29,000円ほど、ということで迷わずアマゾンへ。溜めてあったポイントもあって、28,000円弱で手に入った。
そしてそれが今日来た。10%ほどの不安を抱えて接続した。一発でOK !
CD、カセット共に大丈夫だ。
この際、設置場所も自分がいつも座っている場所でベストなように変えたせいもあって、さながら大掃除のように半日を要した。しかし、居ながらにしていい音楽を聴けるのだからそんな手間暇はたやすいものだ。
さてセットアップには成功したが、この機器の機能をフルに稼働させるためにはまだまだ使用説明書などで勉強しなければならない。
この機器の特色で狙い目は、USBメモリーにCDやカセットテープの音楽を移動させることにある。とりわけ私にとっては、カセットテープ700本の音楽を聴きながらUSBに移すという作業が眼目になる。
とりあえず、接続できたことに有頂天でこれを書いているが、まずは取扱説明書を精読し、諸機能を十分マスターしなければならない。
今日、最初に聞いたテープは、かつてFMからエアーチェックしたペルゴレージの音楽であった。
これをしみじみと聴きながら、ここまで辛抱強く付き合ってくれたU氏に感謝感激雨あられの思いをもっている。
おっと、購入した機器名を書くのを忘れた。写真にもあるようにそれは、TEACのAD-RW900、CDレコーダー/カセットデッキである。
早,40万人のアクセスおめでとうございます。
CDや カセットテープ でいい音楽を聴かれてお過ごしのようで, テアック の機器は正解でしょうね。
私もレコードやテープ で楽しんでいましたが,最近は もっぱら 「BBC」ラヂオ放送 3chを
PC のヘッドホーン端子よりアンプへ入力しBGM として毎日の様に聞いて過ごしていましす。
音質は NHK よりかなりすばらしいが,難点は時差の
8時間はなんともいたし難い、
**,簡単にして何時でもいい音楽を楽しみのお奨
め,
**, MY , ブログ参照
**,http://blog.goo.ne.jp/simauma42/
,
メルカダンテのフルート協奏曲がYoutubeにありました。メルカダンテを調べてみたらイタリア統一(1860年)前に活躍した作曲家で、そんなことを思いながら聴いてみました。良い曲を教えていただきました。
カセットテープのデジタルデータ変換作業はさぞ大変だろうと思います。ある面では大掃除で畳の下に敷いてあった古新聞を読み返すときのような楽しさも伴うかもしれません。
手間はかかりますが、デジタル化するときには曲の頭出しができるようにしておくととても便利です。お手伝いもしないのに余計な意見など言いまして失礼しました。
ブログ拝見しました。
オーディオの箇所、すべて手作りのようで、既製品をつなぐだけでゼイゼイ言っている私から見たら卒倒しそうな感じがします。
懐かしい真空管の写真も拝見しました。
私の先輩で昨年亡くなられましたが、やはり真空管だとこだわっていた方を思い出しました。
何がどうつながっているのか私にはさっぱりわかりませんが、しまうまさんの懸命さと手作りゆえの温かみのようなものが映像からしっかり伝わってきます。
ついでですが、お写真、どれも大胆なアングルでお撮りになったものですね。
私が聴いていたあの4桁の数字は1950年頃からですから、その中には、日本共産党が所感派と国際派に分かれて争うもとになったいわゆるコミンフォルム批判が含まれていたのかもしれませんね。
メルカダンテ、なかなかいいでしょう。19世紀、ロマン派全盛時代にもかかわらず、古典派的な曲想で時代遅れだといわれましたが、時代を越えていいものはいいですよね。
カセットの処理、デジタル化もですが二十数年前から私がどんな曲に興味を示して録音したのか、それを確認するためにもまず聴いてみたいと思っています。
その意味ではおっしゃるように、畳の下に敷いた古新聞を読むようなものですね。
ご指摘の曲の頭出し、勉強します。
さわりだけでしたらYouTubeで聴けますよ。
オペラの曲が多いようですが、それらは知りません。ベルディの登場と同時に古臭いといわれて時代の端に追いやられたようです。
器楽曲もロマン派全盛時代にもかかわらず、古典派的な感じが濃厚ですから、古いといえば古いかもしれませんね。