校門から弾ける声の塊が散ってゆく。
「ほしたらね、ほしたらね、キヨちゃんがね・・」
「あ、おまえ、それヒロシの真似だがや」
「バカという方がバカなんだぞ」
「ギャハハハハハッ」
「アッ、やったな。よ~し」
塊ごとの話題が通り過ぎる。
私の子供たちも出た小学校だ。
この学校の校歌の歌詞の募集があった。
40年ほど前のことである。
賞金目当てで私も応募した。
結果は該当当選者なしで、二人が佳作入選ということだった。
そのうちの一人が私だった。
出来上がってきた校歌を見て驚いた。
私が応募したフレーズが半分ぐらいを占めている。
おそらくあとの半分はもうひとりの佳作の人の手になるものであろう。
ようするに該当者なしということで、二人の詩をていよくくっつけたのだ。
賞品に花瓶をもらった。
なんだかしらけていると、たまたま遊びに来た義妹がいい花瓶だという。
欲しければどうぞというと、喜んで持っていった。
もちろん、今となっては何の恨みつらみもない。
ただただ懐かしいのみだ。
私の子供たちはその歌を歌って卒業した。
今もその歌が歌われているのだろうか。
賑やかに帰って行くこの子たちも歌っているのだろうか。
一度それを聴きたいような気がする。
「ほしたらね、ほしたらね、キヨちゃんがね・・」
「あ、おまえ、それヒロシの真似だがや」
「バカという方がバカなんだぞ」
「ギャハハハハハッ」
「アッ、やったな。よ~し」
塊ごとの話題が通り過ぎる。
私の子供たちも出た小学校だ。
この学校の校歌の歌詞の募集があった。
40年ほど前のことである。
賞金目当てで私も応募した。
結果は該当当選者なしで、二人が佳作入選ということだった。
そのうちの一人が私だった。
出来上がってきた校歌を見て驚いた。
私が応募したフレーズが半分ぐらいを占めている。
おそらくあとの半分はもうひとりの佳作の人の手になるものであろう。
ようするに該当者なしということで、二人の詩をていよくくっつけたのだ。
賞品に花瓶をもらった。
なんだかしらけていると、たまたま遊びに来た義妹がいい花瓶だという。
欲しければどうぞというと、喜んで持っていった。
もちろん、今となっては何の恨みつらみもない。
ただただ懐かしいのみだ。
私の子供たちはその歌を歌って卒業した。
今もその歌が歌われているのだろうか。
賑やかに帰って行くこの子たちも歌っているのだろうか。
一度それを聴きたいような気がする。
なるほどそうですね。
責任も後悔もなく、そのくせ、今も歌い継がれているという密かな満足感が味わえるのですから・・。
何を間違えたのか、高校時代の同級生が、作曲をして、作詞を私に指定してきたので、おっかなびっくりで、まったくセンスのない(ごめんね、その学校の子達)作詞で、校歌が出来てしまったことがあったのです。いまだにそのことを思うと、恥ずかしくて、申し訳なくて、あれが歌い継がれていると思うと、身も世もなく、苦しくなるのですよ。
早く、別の校歌が、作られないかと息を潜めて、待っている苦しさと言ったら。なんで引き受けてしまったのだろうと、後悔にまみれています。こどもたちよ、ごめんね。