怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

箸は普通に使える欧州人「使えるか」と尋ねるのは失礼なのではないか

2019年10月14日 | 日本
二十歳をいくつか過ぎた位の学生K子さんが、近所のベトナム人経営レストランで持ち帰り寿司を買ってやってきた。
ごく自然に箸を使って食べ始めた。
「りすさん、お茶をもらえませんか」
実を言うと、ちょいと扱いが難しいK子さんだ。自分のことばかりで周囲の状況判断ができない。
私は忙しい中「はい、ちょいと待ってね」と答えて冷静を保った。

一息ついて、彼女の様子を観察。
完璧とはいえないが、かなりしっかりとした手つきで巻き寿司を食べていた。
彼女は生粋のドイツ生まれのドイツ人だ。日常的に箸で食事をしている環境で育っているとは思えない。

普通にある持ち帰り寿司に添付されているのは箸だ。フォークが添えられているのをまだ見たことが無い。
つまり、売る側も箸が使えるという前提で売っているわけだ。

もうだいぶ昔に日本で読んだ記憶がある。
欧米人に「箸を使えますか」と尋ねるのは失礼に当たるからやめよう、と。
日本人としては普段使っていない道具で食事をするのは大変だろうという思いやりからの質問なのだろうが、尋ねられたほうは「一般常識が無い」という風に取られることがある、という内容だった。

欧州旅行で、レストランや一般家庭で「ナイフとフォークを使えますか」と尋ねられることを想像するといいとおもう。
ナイフ・フォークが家庭になくても、給食でフォーク、ファミリーレストランレベルの外食産業でナイフとフォークの経験をしている人がほとんどだろう。
親切で尋ねていることは承知していても「日本では普通に使っています」と答えたくならないか?
ただし、ここじゃあそんなこと尋ねられたことは全く無いのでだいじょうぶっ。ぜんぜんそんな配慮はないぞっ

積極的に箸が使えるかどうか尋ねるのはやめて、まずは堂々箸を提供して、観察してみるのが大事ではなかろうか。
何か他のものを要求されたら喜んで変えればいいし、使いにくそうにしていてもその経験を楽しませてやるのもいいと思う。

少なくとも、日本旅行にやってくる人々は日本に興味があるのだろうから、なんでも経験させてあげたいものだ。

さて。
K子さん。
私に「これはあそこのレストランで買ったんですよ。食べたことがありますか」と私に言った。
私は「ありません」と答えた。
K子「お家ではいつも日本食を食べているのでしょう」
りす「いいえ、食べていません」
K子「あれ?りすさん、って韓国人だったかしら、中国人?」
りす「日本人ですが、普段ほとんど日本食らしいものを食べません」と言ってやった。本当のことだが。

アフガニスタン人難民Nも、K子さんが苦手なようだ。
やってきて、彼女の質問攻めに辟易して数分で出て行ってしまった。あの、Nを退散させる威力があるK子さんっ!
ま、機会があったら、どのような人物か説明しよう。