怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

優等生タイプの勉強の仕方

2019年10月09日 | 奉仕活動
トルコ人難民C子さんは10月1日から開講されたドイツ語コースに通っている。
本格的な就業のための授業で、半年後には試験を受けて合格しなくてはならない。
母国では教員という恵まれた職業だった彼女だ。三人の息子さんのお母さんでもある。
母国での資格がここで通用するかどうかはドイツ語力次第だ。だが、たとえこの講座の試験に合格しても、ドイツの正式な教員としての採用は難しいだろう。
20年位まえ、夫と知り合った頃、ドイツの難民状況の記事を読んだ記憶が鮮明だ。
母国で弁護士だったその浅黒い顔の男性は「いつまでも私を生活保護で生かさないでくれ」と主張していた。
当時でも私はそれを読んで、難民たちが移住先で医師や弁護士の仕事をどんどんしたら、その土地で生まれ育った人たちは医師や弁護士になりにくくなるのではないか、と思った。
だいたい、そういった職業はその土地の公用語力がかなり重要で、母語レベルが要求されるだろう。
(例外もあり、義母は地元病院で外国人医師に診察してもらったことを言っていた記憶がある。通訳付きだったとか。通訳にも金がかかることを考えると、通訳付き医師が広く広まることは考えられない)

教員になるのは難しいだろうが、とにかく、ここで何かしら就業するために彼女はもっとドイツ語力を磨かなくてはならない。

一緒に勉強してすぐに気づかされたのは、彼女が勉強に慣れていることだ。
教員になる人たちは、どこの国でもそういう傾向なんだろうなぁ。
彼女の話すドイツ語は稚拙なのだが、凄まじい勢いでドイツ語を書いていくんだ。日本人一般もその傾向があり、話すドイツ語より書くほうが得意だ。
教本にも書き込みがびっしりだ。まだ授業でやっていないところもちゃんと予習してある。
ドイツ人の多くが、教本への書き込みを避けるのを確認している。学校の教科書はいまだに学校所有で、書き込みが禁止なのだろうか。(ドイツに住んでいても、いまだ知らない事柄はたくさんある。ドイツ人との接触がかなり少ない私だ)

C子さんが母国のいい仕事を捨て、難民になっちゃったのが本当に哀れだ。
そう、伝えてみたい・・・・が、彼女の前向きな姿を否定するようで、言えない。
もしかしたら、反体制派で投獄・処刑の恐れがある、ってのはウソで、単にドイツの高収入を狙っての難民のフリ、なのかしら、ともちらっと思ってみる・・・・
どちらにせよ、すでにドイツ生活4年目、これから以前の生活に戻ることはできない。

使っている教材は、今年三月に発行されたものだ。
ここ10年で、外国人向けドイツ語教材は凄まじい変化を遂げた。もちろん、良い方向に、だ。
昔のはひどく退屈だったな。
コンピューター関連の用語もすぐに変化していくから、それに対応しなくてはならない。
私がここで初めて使った教材はひどく古い言葉ばかりだった。

しばらく一緒に勉強する約束をした。すぐに私が脱落するのは目に見えている。
ま、できるだけがんばろうっと。