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腰の位置で赤ん坊をくくりつけているアフリカ人が歩いていた。
一気に増えたアフリカ人たちはそれぞれ母国でのやり方で暮しているのだろう。テレビや雑誌で腰おんぶを見たことがあるが、実物は初めてだ。隠し撮りしようとベンチに座ってカメラを用意した。
そのとき、二人組みの欧州人女性が近づいてきた。彼女らのかもし出す雰囲気で一気にアレの布教活動とわかったので「アタシ ドイツゴ ワッカリマセーン」と言ってみたのだが、それくらいでひるむ彼女らではない。
「あなたはどちらから来ましたか、ご旅行ですか、お住まいですか?」
こうして相手をしている数十秒の間でも、腰おんぶアフリカ人はどんどん遠くに行ってしまう。黙ってこの二人を振り切って逃げようか、と思ったのだが・・・
地元の人たちにいくらかでも貢献、とか思っている私だ。布教に喜びを感じている彼女らにちょいと協力してやろうと諦めた。
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「そうですか、日本語ですか・・・」とバッグの中からパンフレットの束を取り出し、「日本語」と手書きされているそれを見つけて満足そうに私に渡した。
「すべての苦しみはまもなく終わる!」かぁ。それって、義両親との別居が可能になる、ということだろうなぁ。
とチラッと思った後に、すぐさま急ぎ足でアフリカ人を追った。
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あまり近づくと気付かれるな、と警戒し、遠くから撮影。拡大してみたけれど、やっぱり、小さすぎてはっきりしない。
あ~あ・・・。布教のお二人が私に目をつけていなければ・・・もっといい画像を掲載できたのにぃ。
盗撮するより、布教義務に燃えた彼女らを相手して、彼女らを満足させるほうが意義がある行動だった、と自分を納得させるほうが私にとってもお得な人生、かな!