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私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

シマヨシノボリ・ オオヨシノボリを釣るぞの巻! ②       釣査20種目

2016-11-16 14:22:54 | 通し回遊魚
 2016年11月15日

 前回の続きである。
 正直、オオヨシノボリは釣れんと思っていた。
経験からも書籍などの情報からも、オオヨシノボリは上流の早瀬、
つまり急流を好む魚という固定観念でいたからである。
つまり、タナゴ仕掛けで歯が立つ相手ではないのである。

 シマヨシノボリは、確かに日本国内でも広く分布するし、
ひょっとすると誰か同じように釣っとるかもしれん。
しかし、世界広し猫ひろし(ワンパターンですがな)といえども、
オオヨシノボリをねらって釣った人は、私の知る限り私だけである。

「ま、もっと上流域へ車を走らせ、カワムツでも釣ってれば、
 景色もいいし、かみさんも気分いいだろうし・・・・・・」
なかなかポイント(車を迷惑かけずに止められることも含む)が見つからず、川を溯る。
オオヨシノボリもこんな気分で遡ってきたのに違いない。

 川も次第に細くなり、道路との高さの差も大きくなる。
おっ! 十分車が止められるスペースがある。しかも、川へ降りる階段もある。
「ちょっと様子を見てきてもいい?」
「いいよ。車で待ってるから。」
しばらく覗き込んで観察をした。


 おる! 小さなヨシノボリがおる。大きな石の上にちょこんとのっとる。
ま、カワヨシノボリじゃろうな。
「ヨシノボリおるけえ、ちょっと竿出すで。90cmの短いタイバラ用のやつ。」

 なかなか食わん。見える魚は食わんというけえなあ。
と、石のすき間へ何回か落とした瞬間、おっきいのが食ってきたのである。


「わっ! オオヨシノボリじゃ!」 おっきいといっても体長4cmほどの若魚であるが・・・・・・


 またまた、メスである。いやあ、モテる。モテる。なんてえ日だ! 
興奮しまくってアドレナリンがいっぱい出てきた。そういう時のアドレナリンはアナドレン。
このあと、メガネがどこへ行ったのやら、探すのに小1時間もかかってしまった。
車の後方のすき間に入りこんどった。なんてえ所だ!

 ちなみにオスは、こんな感じである。


 特徴は、胸鰭の黒い菱形の模様と尾ビレ付け根の黒いひげ模様である。
こいつは、ほんと結構おっきくなるからねえ。

 私の固定観念は、完全に崩れてしまった。
こんな流れのほとんどない小さな淵にいるなんて・・・・・・。
しばらく考えた。めずらしく考えた。

 つまり、こういうことじゃないだろうか?
他のヨシノボリ類と共存している場合は、
より腹ビレを発達させたオオヨシノボリは急流で過ごしつつ、より上流へとよじのぼる。
ところが、のぼりきって競合する他のヨシノボリ類がいなくなった場合は、
淵でも瀬でもどこでものほほんと過ごすんじゃないか、と。

 であれば、私の釣ったこのオオヨシノボリは、性来の負けん気で、
河口からえっちらおっちらたどり着いて、やっとほっとしたところだったことになる。
「ごめんね。すぐ戻すから良い子にしててね。」
 シマヨシノボリが観察ケースでウロチョロしてなかなか撮影できなかったのに、
こいつは、じっとヒレを広げ「早く撮影してね。」って待ってくれていたのだった。

 実に爽快な気分で、家路に着いた。
気持ちいい! 超気持ちいい!

 


シマヨシノボリ・ オオヨシノボリを釣るぞの巻! ①       釣査19種目

2016-11-16 13:20:44 | 通し回遊魚
 2016年11月15日

私:「たまには全然違う川へ行かん?」
か:「ええよ。どこ行くん? 何釣るん?」
私:「シマヨシノボリとオオヨシノボリ。ま、ドライブのつもりで・・・・・・。」

 ということで、とある川へと向かったのである。
過去の採集経験から生息するポイントはつかんでいるのだ。
釣れる自信はあまりなかったのだが・・・・・・。

 世界広し、猫ひろしといえども、
「シマヨシノボリ・オオヨシノボリをねらって釣りに行く人」は、
私の知る限りでは、私と台湾の大学の先生くらいだろう。
もっとも台湾の大学の先生については、「用水路でアベハゼ属を釣ってる写真」を、
台湾の本『ゴビィペディア(ハゼ図鑑)』で見ただけだ。この図鑑いいぞお!
だから私の知る限りでは、私だけなのだ。
ま、くだらなくて誰もせんわな。

 それでもって、シマヨシノボリをねらい通り2尾釣ったのである。





 どちらもメスである。いやあ、もてる。もてる。
ほほのミミズ模様が大きな特徴だ。

 分布は本州以南・朝鮮半島・台湾となっているから、台湾の先生も今ごろ釣ってるかもしれんな。
 
 オスも紹介しとくと、こんなのである。第一背ビレに注目するといいよ。


 ついでに、春メスのお腹はコバルトブルーに輝くのだ。イマイチ写真が下手だけど。
 

 中小河川の浅い瀬を好んでたくさんいることはいるのだが、
そんな瀬のゴロタ石の間に仕掛けを落としても、仕掛けが引っかかるばかりで釣れんぞ!

 釣りたい人は、次の写真をヒントとして出しておこうじゃないか!


 ちなみに、ここではオオヨシノボリは釣れず、かみさんはカワムツばかり釣っていた。

 目標の半分は達成だ。気分ええわあ!
さあ、次のポイントへと行こうじゃないか!

コグラクハゼは楽園なの・天国なの?  「お魚日帰り旅」②        釣査18種目

2016-11-16 08:21:44 | 通し回遊魚
2016年11月13日

 さて、この日はゴクラクハゼも釣ったのである。


 水深も浅く、澄んでいて、ウロウロする魚たちの姿もよく見える。
ゴクラクハゼも結構いるぞ。
と、仕掛けを入れると、コウライモロコやアブラボテたちが
「どけ! どけ! わしの食いもんじゃあ!」と駆け寄ってくる。

 釣り上げるのに苦労したわ、ホンマ!

 で、こんな感じのオスが釣れた。

 
 私が釣った個体もだが、記録撮影の時なかなかヒレを広げてくれないのだ。
過去に撮ったたっくさんの写真を検索しても、全然ダメ!
 そこで、撮影のうまい友の写真を借りて紹介することにする。

 で、次の写真がメス。下のメスは抱卵中。




 第二背ビレの色と形が違うから、分かるよね?
ん? 分からんだと?
オスは黄色の線が入っていて平行四辺形の形、メスは地味なままの色で扇のような形。

 ヨシノボリ類の中でも、一番分布が広いのではないかなあ。
韓国でも、中国でも採集した思い出がある。中国では、バンバン釣れたし。台湾の図鑑にも載ってるし。
東アジア全体に生息しているみたい。
瀬戸内海の小さな島々でも、幼魚はたくさん見つけることができたし・・・・・・
まるで、同じメニューと味で展開している牛丼屋みたいなもんである。
比べると他のヨシノボリ類たちは、
それぞれの地域で少しずつ違うメニューと味でローカル色を展開する「カップ麺」みたいなもんである。
 
 なんで、このゴクラクハゼだけローカルな遺伝的進化をしなかったのだろうか?
不思議だなあ。
 
 ということで、中国の某地域で採ったゴクラクハゼは、次のような感じ。


 ね! 一緒でしょ!
 
 ところが、別の某地域ではこんなのも採れたりした。

 なんか違うよなあ。同じゴクラクハゼとは到底思えないよなあ。
解る方、是非ご連絡ください。
「ゴクラク」という名の由来もなんぼ調べても分からん。

 最後に、この広大な分布をもつゴクラクハゼでさえ、国内では地域によって絶滅危惧種に指定されていたりする。
本当に、極楽なの? パラダイスなの? 天国なの?