またまたあれよあれよという間にカレンダーが一枚めくれてしまいました。
9月は30日しかない“小”の月にもかかわらず、今年はしぶとい残暑から急に肌寒くなって、またちょっとぶり返したと思ったら、もう秋のお彼岸で日の高さが低くなっているので枯れ木も山の賑わいみたいなヘンな暑さ・・と高低差が、古い遊園地のジェットコースターみたいだったので、相対的に一か月が長く感じました。部屋の中に長袖、半袖、上物が入り乱れて仕舞うにしまえなくなっている向きも多かろうと思います。
街を歩く人たちも、もう一重のロングコートを着ている人もいれば、相変わらずの半袖ポロにトレーナーひっかけている人もいる。いま時期ぐらい服装の“シーズン幅”がまちまちな時季もないでしょう。いつもの年ならインバウンドの皆さんが長めの夏休み?で、観光スポットでも商業施設でもないそこらを闊歩しているはずですが、欧米系白人の皆さんはヘタしたら10月半ばくらいまで半袖で、ブロンドのふさふさ腕毛を剥き出しで歩いていることが多かったのに対して、アジア系のお顔立ちの人たちはなぜか1か月半くらい“冬先取り”で、ウールのニットキャップにライトダウンまで着込んでいる人も見かけたものです。いまいち、渡航前の旅行者向け情報がタイムリーでないのでしょう。それともあれかな、欧米の肉食民族は体温が高いのかな。
彼らエトランジェに比べると、やっぱりネイティヴの日本人は経験の積み重ねが違いますから、季節気候対応がこまやかで、ちょっとした気温や湿度の変動を、着るもの履きモノ、持ち物、小物アクセ等を調節して快適にしたり、安全にしたり、オシャレにしたりするセンスが研ぎ澄まされているなぁと実感します。
9月ちゅうの個人的大変化と言えばまず、別に菅義偉新総理にあやかろうとしたわけじゃありませんが、シルバーウィークの後半から早朝散歩に覚醒しました。ジャンジャジャーン。(音楽は大友良英さん(『いだてん』)で)。
ぼつぼつ朝は特に涼しくなったし、当地では特に、「涼しくなったと思ったら真っ逆さまに暖房必須」がつねですから、コートだ靴だと重装備しなくても乾いた地面を気軽に歩ける季節のうちに、車通りも人通りも始動前の時間の空気を吸い、空の色を見、風景を眺めてみよう、日常の中の非日常をたまには味わってみようと思ったのがきっかけ。やっぱり今年は当地らしくない夏終盤の暑さが、じんわりねっちり応えていて、季節の移ろいに貴重感や一期一会感が湧いてきたのかもしれません。
薄手のパーカーに、9月の経済活性化(衝動買いとも言う)戦利品のひとつ=我らがはぴだんぶいのプリントトレーナーを重ねてフードを引っ張り出し、いざスタート。9月下旬の当地の日の出は5時20分から30分ぐらいですから、その10分後くらいに川の堤防通りを南進するタイミングで出ると、晴れた日はぱぁっと、曇りの日はそれなりに、燃える朝日が街並みの上に顔を出し、市街の西の山の斜面がそれを受けてくっきり立体的に見えます。まだ紅葉が進むには早いけれど、初夏から夏の滴る緑の山ではなく確実に“秋の顔”になっている。
徒歩圏内でいちばん南端にある橋を真ん中まで渡って張り出しバルコニーからいま来た方向を見ると、川の水面にも朝日が映って部分的に砂金を流したよう。この橋はかなり幹線道路に近いのですが、この時間ならまだ車も疎らです。
渡り切って山側の堤防通りに入り方向転換すれば今度は昇りゆく朝日を対岸に眺めながら北進。幸い、始めて3日ぐらい風の弱い、川沿いを歩くのに好適な朝が続いたのでわかったのですが、ちょっと薄曇りめぐらいのほうが、朝日の清浄さ、滾々たる生命力みたいなものを味わえますね。雲ひとつない快晴だと、それはそれで凛として気分がいいけど眩し過ぎて目を細めないといけないし、時間の進みが速いような気がして、うわわもう仕事の時間、社会の時間に突入しちゃう!?と気が焦ったりも。
雲越しのほうがなんとなく「見守っているよ(^ω^)」という感じで尊いです。
河川敷の石段にちょこっと降りて、ポケットラジオでNHKラジオ第一の“今日は何の日”を聴き、ラジオ体操に合わせて関節を動かしたりしつつ自宅に戻るコースへ。新聞の『首相動静』によれば、菅新総理の官邸敷地内お散歩はこの時間帯なんでしょうね。菅さんが起床いちばん、新聞全紙に目を通している時間に、月河はひと回りしてくるスタイルなわけ。
秋分の日を通過してこれからますます日の出は遅くなるので、日の出に合わせてのスタートだと帰路が車の増えてくる時間に突入するようになったらちょっと億劫だなと思うのですが、その頃にはかなーり服装が“寒冷地”仕様じゃないと早朝の冷え込みに耐えられなくなっているはずなので、そのへんで今年はオフ入りかな。でも覚醒したばかりなのでできるだけ長く続けたい気も。日の出直前から、日の出後30分ぐらいまでは本当に、山も空も川も“黄金の時間”だったんだな・・と気がついた9月でした。
そんなこんなでいま、人生でいまだかつて例をみなかったパーカーブームが訪れています。重ね着した上からガバッと着られるゆったりめで、耳や頬が温ったまるまでフードかぶっていられるやつ、ミルクボーイじゃないけど「こんなんなんぼあってもいいですからね~」。着る前からテンション上がる様なパッとした色柄の、今度探してこよう。ぼつぼつジップトップの首もとにもパイルのネックウォーマーが入り用になってくるしな。
・・運動系の中で、いちばんカネがかからない“種目”と思われる散歩ですが、なんだかんだで消費意欲をツンツンされてます。菅新総理、結構やってくれるじゃないですか・・・って、思い立ったのは月河の自助、つうか自発だからね。