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映画とサウナ。

黒く濁る村 【感想】

2011-09-03 00:05:27 | 映画
8月が終わり、9月が始まった。(もう2日目だけど)

盆前から漂い初めた仕事の繁忙ぶりが、加速度を上げ、現状かなりシンドい。
今日は20時前に帰れたが、昼休憩なしで朝から終電までぶっ通しのデスクワークが連日続く。
上期数字が未達で「もっと残業できるよね」と珍しく激励してくれていた上司も
最近「無理するな」に口調が変わってきた。
忙しい時期、睡眠時間を削るだけのサマータイムはホント、クソくらえである。

先週のTSUTAYA100円セールで借りたDVDが溜まっている。
疲れた体で陰鬱な気分には、気晴らしな映画が良いとも思ったが、
明日は休みだし、逆にもっと陰鬱な気分になってやるか~とうことで、
韓国映画の新作DVD「黒く濁る村」を観ることに。

本作は公開時、観たかったが完全に見逃してしまった映画だ。
なので、新作DVDの棚で見つけた時は相当テンションが上がった。

先週見た「ハウスメイド」で韓国映画の強さを再認識した直後とあって、期待は増した。

しかし、観始めて30分と経たないうちに、
その期待は検討違いであったことに気付く。
160分、無駄に長かった。

本作は韓国の結構な田舎を舞台に、長年疎遠にしていた父の死をきっかけに、
その父の死因を探ろうとする青年と村人の間で起こるサスペンススリラーだ。

人間の欲望、その哀しいサガなど、心の闇をえぐる。。。的な
作品の狙いは見えるのだが、全てが戸板のように薄い。
よさげで期待したのに、シラけて落胆した「悪人」を観た感覚に似てる。

話の構成、演出は完全に練り不足。
「そのままかよっ」が多い一方で「なんでそうなる?」もかなり多い。

主人公の父の真相に迫ることが最大のクライマックスで本作のスリルなのだが、
いろんなところでドキドキさせてやろう!というサービス精神か、
無駄に回り道をしすぎて、途中で息切れする。
どれもたいして面白くないし。

登場人物の描写も下手で、この手の映画には重要なキャラ同士の関係性も弱い。

物語の最大のヒール(?)の村長は、チョン・ジェヨンの老けメイクによるものだが、
齢を重ねることで醸される威圧感が全くない。非常に残念。
演技は抜群に上手いのだけれど。。。
村長が裏社会を牛耳ってるところを裏付ける描写も乏しく、
ただのチンピラ老人が右往左往しているように映り、
その存在感に説得力がない。

そして主人公の青年を演じたパク・ヘイル。
やはりこの人のサイコオーラを放つ独特な顔立ちは、
本作のように、物語の中心人物かつノーマルな役は似合わない。
真相を探ろうと一生懸命になっているだけなのに、
「怪しいこと考えてんな。。。」と余計な妄想をついついしてしまう。
これは役者パク・ヘイルの確固たる才能だと思うので、それを活かしたキャスティングが望ましい。
韓国映画マイベストワン「殺人の追憶」で彼を始めて見たとき、鳥肌立ったし。

主人公と父の関係、村長と手下の絆、主人公青年と検事の友情なども、
その背景が見えなさ過ぎて、あまりピンと来ず。。。

物語のラストで、予想だにしない鮮やかな語り口に驚かされたが、
「じゃなんで、もっとちゃんとしなかったのか」と
それまでの流れにツッコミを入れてしまう。

まあ、劇場で見なくて正解だった。

【45点】














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