指名手配中の連続殺人犯の取材に向かったジャーナリストが、その取材先の廃屋マンションの一室で殺人犯の凶行に巻き込まれていくという話。ホラー寄りな、純度の高いサスペンススリラー。ほぼ全編ワンカットの長回し。POV撮影によるアナログな撮影手法と、密室劇による閉塞感、韓国人キャストの熱演が、観る者に緊張感を与え続ける。先の読めない展開に釘付けになり、リアリティとファンタジーをミックスさせた世界観が楽しい。韓国語と日本語の不通を活かした脚本もとても巧い。
白石映画は本作が初体験。個人的にイタダケなかったのは「エロ」の描写。そのシーンの放り込み方が手慣れた感じであり、おそらく白石監督映画のお約束と思われるが、その必要性は全くない(笑)。無駄にB級感を煽っているようで自分は冷めてしまった。しかしながら、韓国映画らしい友情ドラマに結びつけたエンディングはお見事で、想定外の充足感を得ることができた。
【65点】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます