「桐島、部活やめるってよ」を観た。
上映館が少ないにもかかわらず、ソーシャル~を初めとしたクチコミで評判が良かった本作。
自分もツボに入った。
この映画、好きです。
本作は、とある高校を舞台にバレー部のエースである「桐島」が部活をやめたことで、
「桐島」に直接的、間接的に関わる周りの同級生たちの日常に
動揺と変化が伝播し、彼らの本音が浮き彫りになっていく様を描いた群像劇だ。
「できる奴はできる、できない奴はできないってこと」
自分の高校時代を振り返った。
男子校だったが、本作同様、いくつかのグループに分かれていた。
バリバリ運動部、
バリバリ文化部、、
帰宅部でイケていたグループ、、、
帰宅部でイケてないグループ、、、、
バリバリ運動部を挫折し、バリバリ文化部になった自分はワリと、
うわべではあったが、いろんなグループと仲良かった記憶がある。。。
しかし全体を俯瞰して想い出すと
それらのグループが親密に交わることはあまりなかったように思う。
「昨日カラオケボックスでヤっちまった」みたいな話をしまくる、
帰宅部イケていたグループの話に、ムラムラしていた情けない自分を想い出す。
本作の「できる奴」は何でも器用にこなしてしまう才能のある奴という意味が近いが、
自分にとって高校時代、同級生の「できる奴」っていうのは、
男子校というハンデを乗り越え、可愛い女子校生と付き合っている奴だった。
恋愛というよりセックスへの目覚め(渇望)、
部活を中心に自分がやりたいことを自己選択できる自由の始まり、
本作を観ながら、想い出すと、高校時代っていろんな意味で
黄金の時代だったのだな~と思った。
本作で描かれるのは、「桐島」の不在を受けた生徒たちのリアクションと連鎖。
誰かの言動は、誰かを励まし、誰かを傷つける。
学校というある種、閉塞感のあるコミュニティにおいて、それは結構リアルで、
主観、客観をわきまえ始める高校生の頃なら、なおさらのことだと思う。
同じ時間軸のシーンを、異なる生徒たちの視点から繰り返し描く本作の構成は、
そんな高校生活ならではの特殊な人間関係を雄弁に語り、
大いなる共感のもと、そのドラマに観る側を引き込む。
描かれるキャラクターがすべて、活きたキャラであったことや、
登場人物の全てが並列で平等な立場として描かれていたことも大きい。
また、制作陣が物語の世界観を高いレベルで完成させるためだったのか、
有名無名を問わず、勢いのある若手俳優たちをキャスティングしたことも素晴らしい。
神木君が表現した、時にコミカルに、時に切ない抜群のマは、
彼の俳優としての才能を改めて実感することができた。
「告白」で注目した、橋本愛の存在感は、
愛おしく残酷な本作キャラぴったりだった。あーいうコっているな。。。。
多くの俳優陣の中で一番印象に残ったのは、本作で初めて見た東出昌大だ。
リアルにいそうなイケメンで、あらゆる面で「(自意識のない)できる奴」を好演。
泥臭くて汗臭い野球部の先輩に言いようのない劣等感を抱くその姿に説得力があった。
今後の彼に注目である。
物語の季節が、秋であったことも、この物語の世界観を深めることに相乗している。
「秋」であることを明言しない描写もニクい。
「おおかみこども~」に引き続き、日テレ配給映画にありながら、当たりな映画。
映画の日(1000円の日)に関わらず、客席の入りが4割くらいだったのが残念。
青春映画を語る上で、欠かしたくない佳作。
青春の時を駆け抜けた本作のキャラクターたちが愛おしく、羨ましかった。
【80点】
上映館が少ないにもかかわらず、ソーシャル~を初めとしたクチコミで評判が良かった本作。
自分もツボに入った。
この映画、好きです。
本作は、とある高校を舞台にバレー部のエースである「桐島」が部活をやめたことで、
「桐島」に直接的、間接的に関わる周りの同級生たちの日常に
動揺と変化が伝播し、彼らの本音が浮き彫りになっていく様を描いた群像劇だ。
「できる奴はできる、できない奴はできないってこと」
自分の高校時代を振り返った。
男子校だったが、本作同様、いくつかのグループに分かれていた。
バリバリ運動部、
バリバリ文化部、、
帰宅部でイケていたグループ、、、
帰宅部でイケてないグループ、、、、
バリバリ運動部を挫折し、バリバリ文化部になった自分はワリと、
うわべではあったが、いろんなグループと仲良かった記憶がある。。。
しかし全体を俯瞰して想い出すと
それらのグループが親密に交わることはあまりなかったように思う。
「昨日カラオケボックスでヤっちまった」みたいな話をしまくる、
帰宅部イケていたグループの話に、ムラムラしていた情けない自分を想い出す。
本作の「できる奴」は何でも器用にこなしてしまう才能のある奴という意味が近いが、
自分にとって高校時代、同級生の「できる奴」っていうのは、
男子校というハンデを乗り越え、可愛い女子校生と付き合っている奴だった。
恋愛というよりセックスへの目覚め(渇望)、
部活を中心に自分がやりたいことを自己選択できる自由の始まり、
本作を観ながら、想い出すと、高校時代っていろんな意味で
黄金の時代だったのだな~と思った。
本作で描かれるのは、「桐島」の不在を受けた生徒たちのリアクションと連鎖。
誰かの言動は、誰かを励まし、誰かを傷つける。
学校というある種、閉塞感のあるコミュニティにおいて、それは結構リアルで、
主観、客観をわきまえ始める高校生の頃なら、なおさらのことだと思う。
同じ時間軸のシーンを、異なる生徒たちの視点から繰り返し描く本作の構成は、
そんな高校生活ならではの特殊な人間関係を雄弁に語り、
大いなる共感のもと、そのドラマに観る側を引き込む。
描かれるキャラクターがすべて、活きたキャラであったことや、
登場人物の全てが並列で平等な立場として描かれていたことも大きい。
また、制作陣が物語の世界観を高いレベルで完成させるためだったのか、
有名無名を問わず、勢いのある若手俳優たちをキャスティングしたことも素晴らしい。
神木君が表現した、時にコミカルに、時に切ない抜群のマは、
彼の俳優としての才能を改めて実感することができた。
「告白」で注目した、橋本愛の存在感は、
愛おしく残酷な本作キャラぴったりだった。あーいうコっているな。。。。
多くの俳優陣の中で一番印象に残ったのは、本作で初めて見た東出昌大だ。
リアルにいそうなイケメンで、あらゆる面で「(自意識のない)できる奴」を好演。
泥臭くて汗臭い野球部の先輩に言いようのない劣等感を抱くその姿に説得力があった。
今後の彼に注目である。
物語の季節が、秋であったことも、この物語の世界観を深めることに相乗している。
「秋」であることを明言しない描写もニクい。
「おおかみこども~」に引き続き、日テレ配給映画にありながら、当たりな映画。
映画の日(1000円の日)に関わらず、客席の入りが4割くらいだったのが残念。
青春映画を語る上で、欠かしたくない佳作。
青春の時を駆け抜けた本作のキャラクターたちが愛おしく、羨ましかった。
【80点】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます