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GODZILLA 星を喰う者 【感想】

2018-11-18 10:00:00 | 映画


アニメ版ゴジラの最終章。前作はNetflix配信を待っての自宅鑑賞だったが、最後かつ「キングギドラ」登場ということで劇場で見た。難解でモヤモヤが残る結末だが、過去2作以上に製作陣の野心が際立っていた。

人知のあらゆる手段を使ってもゴジラを倒せなかった前作。で、最終手段として本作で用いられるのは「神頼み」。主人公が憤慨するのも納得で「じゃこれまでの犠牲は何だったの?」というツッコミも「時期尚早だった」という答え。あまり理解できないが、おそらく脚本上はちゃんとロジックがあるみたい。そこで「神」たるキングギドラが登場。
思い描いた怪獣同士の肉体的戦闘に流れないのがユニーク。本作で描かれてきたゴジラは体長300mもあり、防御力、戦闘力ともに弱点がなく無敵といってよい。同じ土俵で戦える生物が存在するとは思えず、「異次元」から来たという設定はよく考えたものだ。異次元の生物というより概念に近いキングギドラは、胴体があって三つ首が出ているこれまでの外見とは大きく異なる。気になるゴジラとの攻防シーンは、これまた予想だにしない展開。イマジネーションに唸らされる一方、人間対ゴジラのアクションシーンがなくなった本作にあっては、画として地味なのは否めない。スケール描写は相変わらず素晴らしい。「勝つことは生き延びること」という新人類の価値観によって導き出された結末も受け入れられる。いろいろ理解が及ばない点は、二度見の楽しみといえるか。主人公を演じた宮野真守、この間、NHKの生特番ではっちゃけていたがサービス精神だけでなく、声優としても一流の仕事をする人なのだなと実感した。
「ゴジラ」ではなく「GODZILLA」。実写版から一線を画し、アニメで描けることのアドバンテージを最大限に活かし、自由な発想のもと新たなゴジラを作り出した。「人間が築いた文明社会はゴジラ誕生の前座」「人間の憎悪がなければ、ただの巨大な生物」という考察はSFの本作ならでは。最後まで主人公はゴジラではなく人間だった。

【65点】
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