から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

フランシス・ハ 【感想】

2015-05-21 11:00:00 | 映画


ダンスカンパニーの実習生の女子が、彼氏と別れ、同居の親友と別れ、仕事をクビになったことをきっかけに、新たな一歩を踏み出すために奔走する姿を描く。
主人公の女子の年齢は27歳。良い大人だ。恋愛よりも友情。見てくれもガタイのよい長身で、一人で何とかやっていけそうな逞しさがある。だけど、その中身は「喧嘩ごっこ」という親友とのじゃれ合いでキャッキャッ言っているような子どもだ。自分の本意ではないところで、次々と環境が変わっていく。その環境の変化に素直に順応していくのが、ある意味大人だと思うが、主人公は当たり前のようにその状況を受け入れない。自分自身が変わるのではなく、身の周りの状況を変えてみれば何か好転するのでは?といろいろ試みるが、ことごとく裏目に出る。思いつきで向かったパリで、何も起こらないのが最高に可笑しい。映画は主人公に特別なイベントを用意するなど甘やかすこともなく、絶望の淵に追いやるように突き放すこともない。ただただ、主人公を見つめる。ドラマチックな展開とも無縁だ。
大人になれない主人公の取り柄は、常に前向きであること。立ち止まることなく、常に動き続ける。空回りによる退屈もモノともしない(笑)。ニューヨークの街を疾走するシーンが印象的だ。前を向いてひたすら走っていたら、いつの間にか状況が変わっているではないか。「確かに〜」と、極めて共感指数の高い映画だ。
ラストに明かされるタイトルに込められたメッセージを目撃し、清々しい陽光を感じた。

【65点】
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マップ・トゥ・ザ・スターズ ... | トップ | 駆込み女と駆出し男 【感想】 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事