から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

ザ・レイド GOKUDO 【感想】

2015-03-19 01:57:32 | 映画


ザ・レイド GOKUDO 【70点】
劇場スルーした「ザ・レイド」の続編を新作DVDで見る。前作と肉付き(体型)が大きく変わったけども、結果、これはこれでアリ。非常に面白った。前作の壮絶な戦いがあった直後から話が始まる。主人公ラマの心身疲労をよそに、あれよあれよという間に今度は潜入捜査に挑むことになる。警察、地元ギャング、日本ヤクザの3つ巴の戦いに話が広がり、地元ギャング間の抗争も加わって、かなりボリューミーな内容に。前作の高層ビル内という限られたスペース内での舞台は、本作では屋内外を問わず多種多様な空間に広がり、カーアクションまで飛び出す(但し爆破はなく、あくまで人間の身体能力のかけたもの)。いろんな種類の揚げ物を盛って盛って盛りまくった大食いメニューのようだ。すべてはアクションを魅せるための脚本であり、この方向性には大賛成。泥地でのアクションなんかまさにそう、難易度の高いアクションを見せつけるための舞台である。惜しむらくは、アクションに何の関わりを持たなかった日本のやくざの登場。あれは不要だと思った。日本語のセリフが無駄に聞き取りにくかったし。前作を大きく上回るアクションのバラエティ、想像性を強く感じさせる圧巻のカメラワークなど、見応え、食べ応え十分。スプラッター感も過剰なほどにパワーアップして笑いを誘う。そしてトドメのクライマックス。「終わらせるには、全員を倒さねばならない」で主人公ラマが体1つで殴り込みにかかる。「キターっ!!」と、怒涛のノンストップアクションに血沸き肉躍る。本作のハイスピード格闘アクションは 、緻密な計算と双方の強い信頼に上に成り立っている。これはアクションという名のアートだ。あと、ギャングの若頭のイケメン俳優がかなり演技が巧く、印象的だった。

FRANK ーフランクー 【55点】
ミュージシャンを夢見る平凡な男子が、ひょんなことから風変わりなロックバンドのメンバーに加わるという話。タイトルの「フランク」はバンドのリーダー(?)の名前であり、食事、寝るとき、シャワーの時まで、ずっと頭に被りモノをしている。本作は間違いなくコメディだと思うのだが、どっからどこまでが面白いのかよくわからなかった。一言でいえば「シュール」な作りであり、フランクや他メンバー、一般人である主人公との間で起きるヘンテコな空気のマが笑いを生み出すのだが、それ以上の価値を見出すのが難しい。結局、物語の中心にいたフランクのキャラが天才なのか、凡人なのか、ただの病人なのか、うやむやに描かれ、その魅力が十分に語られない点が大きい。ライブのシー ンもグダグラに終わり、高揚感のないまま終了。主人公演じたドーナル・グリーソンは、個人的には「アバウトタイム」よりも等身大キャラとして納まりが良く、ナイスな好演ぶり。また、マギー・ギレンホールの変人キャラが新鮮で面白かった。フランク演じるマイケル・ファスベンダーは相変わらずの細マッチョぶり。ラストにフランクが歌う「あ~い、ら~~びゅ~~♪」が、なぜか耳に残った。

罪の手ざわり 【60点】
中国を舞台に、実在の事件をベースに作られた4つのオムニバスからなる映画。炭鉱の利益を搾取する人間たちにキレて「八つ墓村」する中年メタボ男、出稼ぎと偽り強盗を繰り返す小男、商売女と侮辱され包丁を振り回す女、職を転々とし行き場をなくした青年。どの事件も大量の血を流すのが印象的で、その描写はなかなかのインパクト。各話ごとに都市部、郊外、田舎とロケーションが次 々と変わり、現代の中国の情景が見えてきて興味深い。「格差社会にある虐げられた弱者たちの不条理」みたいなものがテーマなのは理解できたが、事件の動機にあまり共感できない。冷徹な視線が行き過ぎて、キャラクターたちの必然性すら削がれてしまった印象。1話目の炭鉱「八つ墓村」男は単なる自己中に見え、3話目の包丁女は侮辱シーンも含めてコントに見えた。監督は名だたる映画人、評論家たちから熱い支持を受けるジャ・ジャンクー。個人的に苦手な監督の1人だが、本作は過去作に比べて一番とっつきやすかった。説明することを避け観客の想像力に委ねる作風は相変わらずだが、過去作のなかで一番動きがある。いろんなメタファーが散りばめられているのもわかりやすい。それでも 上級者向きの映画には変わりないのだが。
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