
「死霊のはらわた」のリメイク版の観た。
普通に怖くて面白かった。
「笑っちゃうわ〜」なんていう余裕のリアクションは自分にはできなかった。
本作のオリジナルは1981年に公開されたサム・ライミのデビュー作かつ、
スプラッターホラーの先駆けとなった有名作だ。
それにしても「死霊のはらわた」なんて、
上手い邦題を付けたなぁ〜とそのセンスに改めて感心する。
「はらわた」という言葉が、オリジナル版が持つ世界観をよく表現している。
リメイク版となる本作は、オリジナルが持つ世界観からユーモアを排除し(笑)、
スプラッターとホラーという2つの要素を4倍増させ、
ギュッと90分に濃縮したような映画だった。
特に印象に残ったのは「痛さ」だ。
スプラッター映画の多くは、簡単に手足がスパスパ切れて、
血しぶきが飛ぶ感じなので、良くも悪くも嘘くさい。
本作は観ていて痛さが伝わるように魅せている。
おかげで観ているこっちは「怖いわ、痛いわ」で忙しい。
悪霊が蘇る過程とかはそっちのけで、その後の悪霊の暴走に集中し、
「恐怖」と「痛み」を観客に植え付けることに徹しているのだ。
オリジナル版との共通項は、5人の若者が山小屋に滞在中、
悪霊に憑りつかれて、殺戮が繰り広げられるという話のプロットだけで、
思っていた以上に脚本が変わっていた。
脚本が変わっていても、話の展開に意外性があるというワケではない。
「こうなるなー」と思ったら、ほぼ間違いなく、そうなる。。。
だけど、やっぱ怖い。
「リメイクという枠の中で、観客を怖がらせるためにはどうすべきか?」
それを突き詰めた賜物といえそうだ。
オリジナル版の製作時よりも、資金も潤沢にあったことで自由度も高かったのだろう。
観終わって、満腹感はあっても不足感はなかった。
流行のVFXは極力避けて、特殊メイクにこだわるなど、
オリジナル版に近い感触を残していることも好印象だ。
本作の監督はサム・ライミからオファーを受けたフェデ・アルバレスという新人監督らしい。
サム・ライミ本人も製作と脚本に関わっていたようで、期待以上の完成度だった。
あと、wikiで調べたら、脚本はディアブロ・コーディも書いていたらしい、意外。
リメイク映画としては成功している映画だと思う。
ホラー映画としては真新しさはなく、ツッコミどころもそこそこ多いが、
バカ正直に作ったホラー映画といった感じで、満足。
【70点】
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