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から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

RAW 少女のめざめ 【感想】

2018-08-15 08:00:00 | 映画


劇場鑑賞できなかった1本。面白い。
近くのツタヤに1本しか置いておらず、ずっと貸し出し中。4回目のトライでレンタル成功。

カニバリズムを通してみる、少女の性の目覚め。衝撃的。

獣医学校の学生寮に入居した少女の身に起きる変化を描く。
ネット上のレビューは真っ二つに分かれるが、とても納得した。自分は支持派。

舞台はフランス。日本だけかと思ったが、学生時における上下関係がきちんと根付いているようで、登場する学生寮では、新入生への「洗礼」や、上級生への服従が徹底される。ただ、そこは自由の国フランス。管理者のいない学生寮では夜な夜なパーティが催され、風紀は乱れまくり。貞操は嫌悪される空気だ。厳格な家庭で育った主人公は初めて自由謳歌し、ベジタリアンだった彼女は初めて「肉」の味を知ることになる。
動物の血をかぶってカピカピのまま学習、生のウサギのレバーの丸飲み、全身に痒みが走る蕁麻疹、男子間の口内愛撫、女子の立っション、ゲロ、鮮血、解剖。。。生理的嫌悪を伴う描写が意図的、かつ大量に配置される。それだけで、不快と敬遠する人も少なくないだろう。穢れなき少女を中心に据えたことで、画的に何とかバランスを保っているか。
カニバリズムを描いたホラーではなく、性の衝動に目覚めてしまった少女のメタファーとして描かれる。新鮮で非常に面白い。ただ、かなりわかりづらい部分もあって、主人公の特異性の理由がわざわざ丁寧に描かれる点や、テーマに関係のない説明が多い点から、散漫なホラー映画にも見えてくる。演出、映像(特に色使い)はどこを切っても鮮烈であり、最後まで映像世界に引き込まれた。この映画の脚本兼監督が女性監督ということを知って、その感性に驚かされた。また、ゴシック調でどこか胸騒ぎのするテーマ曲が美しく、耳から離れなかった。
【70点】

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