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OUR PLANET 私たちの地球 【感想】

2019-05-15 07:00:00 | 海外ドラマ


Netflixコンテンツの今年のベスト候補が現る。

「OUR PLANET 私たちの地球」がとんでもなく素晴らしかったので感想を残す。

神々しく美しい映像に心を奪われる。
CGでもこんな幻想的な光景は再現できないだろう。

所詮は、動物ドキュメンタリーと侮るなかれ。

映し出すのは「地球」そのものであり、人の足が及ぶことのないあらゆる自然環境に生きる、微生物、植物、昆虫、魚類、動物の生きる姿を克明かつ鮮明に活写する。どれもこれも見たことがあるようで、実は全く見たことのない映像ばかりだ。想像を超えた驚くべき生態を目の当たりにして、興奮と感動を抑えられないほど。そして「私たちの地球」というタイトルのとおり、人間もその生態系の1つであることを強く訴求する。人間による環境破壊の大きさを再認識。自然のメカニズムがわかりやすく解説され、環境問題を考える教材としても非常に有益だ。

製作期間4年、60か国撮影期間3375日、撮影隊600人、ロケ200回、ドローン撮影6600回、海上撮影911日、潜水時間2000時間、隠しカメラ撮影40万時間。

途方もない時間と労力をかけて撮影した、野生の生き様は、全てが”決定的瞬間”といえるほど驚きと感動に満ちている。「こんな映像、見たことがない」「どうしたら、こんな映像とれるの?」と感嘆が止まらない。被写体は演出が効かない相手なのだが。

フラミンゴの巣作りと生まれた雛の過酷すぎる50キロ行脚、イワシの群れにアタックする上から海鳥、下からイルカの海中カオス、ジャングルの密林で「菌」に憑りつかれ殺される昆虫たち、海藻をものすごい勢いで貪り食うウニ、海上のアザラシの死骸に群がるカモメ(肉食かよ)、見たことのないクロマグロの大群(美味そう)、世界最大のトラ、アムールトラを目前に捉えた奇跡的ショット、などなど。

ディスカバリーチャンネルなどでも、動物たちのレア映像を捉えたシーンはあるが、過去の映像の引用だったり、画質が悪いものが目につく。本作の映像はすべて撮り下ろしであり、その高精細な映像の迫力ったらない。

全ての生態系に意味があり、地球が生まれてから現在に至るまで長い年月をかけて形成されたメカニズムといえる。異種の垣根を越えて、ありとあらゆる多様性により、持ちつ持たれつのバランスが成立している。無意味と思われた砂漠も、海に養分を運ぶ役割を果たしていたなんて知らなかった。

この絶妙な地球のバランスを狂わしてきたのは、ほかならぬ人間だ。地球上の森林の半分は人間の手によって失われた。人間の乱獲によって動物たちは存続の危機に瀕し、生態系自体を壊す脅威につながっている。結果、人類自身の首を絞めることにもなっている。

目に焼き付くショッキングなシーンがある。温暖化の影響により住処を追われ、高い断崖の絶壁から次々と転落し、固い岩盤に体を打ち付け死んでいくセイウの群れ。その光景があまりにも衝撃的で思わず悲鳴を上げてしまった。人間が知らぬうちに、野生動物を苦しめ殺している現状に「無関係」なんて言葉はなくなる。やや環境保全のプロパガンダに見えなくもないが、現実問題として捉えることに異論を挟む余地はないだろう。

但し、本作は警鐘を鳴らすだけでなく、希望ある可能性を示すことも忘れない。チェルノブイリの事故は、周辺の自然を破壊したものの、専門家たちの予想を超えるスピードで森林が復活し、そこに様々な野生の動物たちが住み着くまでになっている。自然の生命力の強さは、人類のサポート(あるいは放置)によって発揮される。

永久保存版のドキュメンタリーだ。ボーナス映像として用意される撮影の裏側の記録が凄まじく、本当に撮影スタッフの手によって撮影された映像であることがわかる。本当にお疲れさまでした。

まずは身近なところから環境のためにできることを考えようと思う。

【95点】
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