
ヒュー・ジャックマンが今週のスマスマに出ていたので見てしまった。
さすが、ハリウッド1(イチ)のナイスガイだ。
各メンバーのひとりひとりの名前を呼び、気遣いが半端ない。しかもあくまで自然体。
コメントには誰も傷つかないユーモアを効かせ、番組を盛り上げることも忘れていない。
ヒューがゲストとして、スマップのメンバーにもてなされる格好であるが、
彼の立ち振る舞いに、スマップのメンバーが逆にもてなされているみたいだった。
で、彼がこの番組に出演した理由でもある「ウルヴァリン:SAMURAI」を観た。
「Xメンシリーズ」は無条件に、毎回公開初日に観てしまう。
「Xメンシリーズ」のスピンオフ、ウルヴァリンシリーズの2作目と思っていたが、
前作1作目の延長として観るのは大きな間違いだった。
ひいてはXメンシリーズの延長にある物語でもなく、まったく独立した映画だった。
物語はかなり突飛である。
第二次世界大戦中、長崎で捕虜として捕まっていたウルヴァリンが若き日本兵の命を
原爆の投下から救ったという過去がある。。。。時は流れて現代、
実業家として大富豪となった当時ウルヴァリンに救われた老人が、
余命少ないタイミングで当時の御礼をしたいと、ウルヴァリンを日本に招待するという話だ。
これまでのXメンシリーズで周知のように、
ウルヴァリンには「死ねない」という特殊能力ゆえの苦悩があり、
生きることと死ぬことに対する死生観みたいなものが歪んでいる。
その死生観と、自ら死を選ぶことを美徳としていた「侍」を結びつけるのは、
意外と面白い着眼点だなーと思った。
本作で出てくる侍はまるでカッコよくないのだが。。。
洋画でありがちなヘンテコな日本描写。
本作でも随所に違和感たっぷりな日本の風景がたっぷり出てくるが、
アメコミの世界観にあって、スムーズに見れてしまう。
もれなく刺青たっぷりのヤクザや、摩訶不思議なラブホ、
アキバの電気街に、パチンコ店、新幹線を飛ばせばすぐに漁港。。。
外国人の勝手な思い込みというよりも、初めて日本に触れた外国人が
印象に残った風景を、ギュギュッと詰め込んだ描写だ。
ウルヴァリン演じたヒュー・ジャックマンの体がやばい。
レミゼで激痩せしたあとに、筋肉だけ付けたようで、体脂肪がない上に筋肉モリモリだ。
常にパンプアップしたみたいに、血管が肉体全体から浮き上がっている。
今やすっかり国際派俳優となった真田広之は、
その演じた役柄の意味がよくわからなかったけど、
良い意味で、ハリウッドっぽい大味な演技が印象的だった。
期待通りのアメコミな世界観は堪能できたものの、
非常に残念なのはミュータント色があまりにも薄いことだ。
Xメンの魅力である社会に虐げられたミュータントたちの姿が全く見当たらない。
本作はウルヴァリンという特殊能力を持った男が、
日本のお姫様を救うという話。。。。これはXメンじゃない。
命を救ったはずの日本兵との結末も、あまり歯切れがよくない。
このXメンらしからぬウルヴァリンにフォーカスした物語が新鮮に映ったのか、
全米での評価を上々だった。個人的にはどうにも消化不良。
ウルヴァリンが普通に日本を転々とする中盤には何度も睡魔が襲った。
アイアンマン同様、Xメンに対して勝手な思い入れがあるので、
その世界観を崩してほしくない。
【60点】
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