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悪の教典 【感想】

2012-11-24 11:07:01 | 映画
昨日の勤労感謝の日に「悪の教典」を観に行った。

原作を読んだことはないが、
普通に楽しめた。

本作の監督、三池崇史も「蓮見を知らしめる映画にしたかった」と言ったように、
主人公のサイコキラー蓮見のキャラ、その描かれ方が面白かった。

描かれる殺戮は狂気の沙汰の何者でもないが
彼にとって殺人という行為は快楽ではなく、
果たすべき義務という理性的な解釈の上に成り立っている。

なので残酷な殺戮シーンでも、我を失わない。
「トゥーダイ?」のシーンでは吹いた。

学校という職場を離れ、ボロ家(自宅)で過ごす蓮見は
「悪」と寄り添い、対話をしている。
その悪の象徴として、自宅の庭に度々訪れるカラスが描かれていて、
蓮見という人物への考察がより深まっていく。
(これは原作のままかも)

今年1番のヒットとなった「海猿」で
役柄の残像がまだ強く残る伊藤英明を
主役に据えることは、リスキーだったと思うが、
彼を配して正解だったと思う。客寄せという狙いも多分にあったと思うが。

蓮見というキャラは他の役者が演じても成立する役柄であるが、
甘いマスク、マッチョな肉体の彼には華があって、
映画をより娯楽色の強い映画にした。

殺戮シーンは予想以上のグロさだった。
日本では珍しい本格スプラッター映画ともいえそう。

死の祭壇というべきか、
文化祭の前夜というタイミングで、煌びやかな装飾、電飾で飾られた校内が
殺戮シーンを幻想的なものにしている。
いつか見た悪夢のようだ。

三池節も本作の色に見事マッチング。
加減のない暴力シーンは勿論だが、
ディープキスやフ●ラシーンでの、「クチャクチャ」という効果音をあえて
聞かせるあたりとか、「(三池)っぽいな~」とニヤニヤしてしまう。

脇役のキャスティングもハマった。
常にタンが喉に絡まる(笑)陰湿な物理教師役の吹越満の妙演や、
「ヒミズ」が素晴らしかった染谷将太、二階堂ふみの嬉しい再共演。
山田孝之の出演が勿体なさ過ぎで、かつ、アホなシーンに大いに笑う。

「蓮見を描く」というテーマなので仕方ないが、
すべてが蓮見のコントロールのもとで構成される流れに、若干の短調さと
物足りなさを感じるものの、本作のような映画が
エンタメ映画としてリリースされたことは喜ばしい。

AKBの某アイドルが先日「人が殺されすぎて、この映画が嫌い」と涙ながらに発言し、
話題になったが、彼女の想像力の欠如はさておいて、
映画を観るきっかけになれば良いなと思う。

【70点】



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