
コーエン兄弟の新作「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」を観る。
味わい深い良作。猫萌え。しかし眠い。
近くのシネコンで公開していなかったので新宿の武蔵野館で見る。
いまどき全席自由席。運が悪いと前の人の頭がスクリーンに被る。
苦手な映画館だが仕方なし。
映画の内容は1960年代のアメリカを舞台に、
不実のフォークシンガーが売り込みのためにシカゴに向かう話だ。
主人公は実力があるのにチャンスを悉く逃す、冴えない男だ。
歌いたいから歌うのではなく、生活費を稼ぐために歌うというのが良い。
「ビッグマネー」という言葉には程遠く、日銭稼ぎですらままならない。
そんな男の姿を、淡々とコーエン兄弟らしいユーモアを織り交ぜて見せる。
フォークソングといえば、ボブ・ディランだろう。
主人公の失望とすれ違うようにボブ・ディランが登場する。
アメリカ発祥のフォークソングの歴史を垣間見た感じだ。
アメリカの文化は奥が深いなとしみじみ。
劇中多くのフォークソングが歌われる。
演者たちのパフォーマンスが素晴らしく、音楽映画としても楽しめた。
フォークソングの調べが心地よく、平坦な展開と相まって、何度も眠りの世界に誘う。
会社帰りの体調もあっただろう。5分に一回ウトウトしていた。
主人公の旅のお供となった茶トラの猫が最高である。
物語の情景に猫がフィットしている。猫好きには堪らない映画だ。
車窓を眺める猫のシーンがとても好きだ。
コーエン兄弟は猫をよく知っているなーと、好印象だ。
主人公を演じたのはオスカー・アイザック。
自分と同い年なので昔から親近感をもっている。
これまで癖のある悪役が多かった彼なので、歌手役というイメージが沸かなかったが、
本作では堂々の主演ぶりだ。見事な美声を披露してみせる。わからないものだ。
共演はキャリー・マリガン。「Fuck!」を連呼して主人公を罵る。(笑
2人とも「ドライヴ」と見せたキャラクターと180度違う。面白い。
上映中、睡魔と葛藤していたため、ジョン・グッドマンとのクダリとか記憶にない。
得意な映画ではないが、レンタルされたら見直そうと思う。
【65点】
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