goo blog サービス終了のお知らせ 

から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

哀しき獣 【感想】

2012-06-09 16:33:23 | 映画
映画館での鑑賞を熱望していた韓国映画「哀しき獣」。

しかし、都内では小さくて苦手なシネマートでしか上映されないとあって、
泣く泣く鑑賞を諦めたが、昨日DVDレンタルが開始された。

最寄りのTSUTAYAに電話で取り置きをしてもらって早速観た。

本作は「チェイサー」でかなりハマったナ・ホンジンの新作。
「チェイサー」と同じメインキャストを配し、
評判も結構良さげだったのでかなり期待していたが、正直イマイチだった。

物語は中国にいる朝鮮族の男(ハ・ジョンウ)が、
借金返済のため、朝鮮族の犬商人(キム・ユンソク)と取引をして、
韓国に密入国し、殺しのミッションを果たそうとする中で
様々な陰謀に巻き込まれていく話だ。

まず、本作の前提となる「朝鮮族」という存在。
その存在を全く知らなかった自分は導入部分からつまづいた。
「なぜ同じ朝鮮人なのに差別されているのだろうか??」
余計な疑問がついて回り、話の展開になかなか没入できない。
後で調べたら納得。知っているのと知らないとではエラい違いだ。

前作の「チェイサー」同様、全編緊迫感で充満しているが、
逃亡するハ・ジョンウ演じる男の状況打開策がかなりの力業で、あまり面白くない。
それは敵たちに囲まれても殴る蹴るで何とか突破するというものだが、
火事場の糞力ということか。。。と思えば良いかもしれないが、
そのシーンが多く続き、「ああ、また何とかなるんだね」と冷めた見方になってしまう。
なので期待していた没入感であったり、疾走感は不足。

これも前作に引き続きだが、本作も血糊がふんだんに使われている。
使われる武器は銃ではなく、あえて斧や包丁。鈍器という表現が適当。
「チェイサー」以上に観る人を選びそうなバイオレンス描写だが、
それは単なる監督の演出なのか、それとも朝鮮族のヤクザの色を出しているのか。。。
あと、朝鮮族のヤクザが犬肉にむしゃぶりつく光景も印象的。
朝鮮族の食文化には犬食が根付いているようだ。

複雑な人間模様(キャラ相関図)は難解であるため、
再見して確認したいとも思ったが、140分という時間は本作においては長すぎる。
元妻を探し出すという並行するもう一つのストーリーもあまり入ってこなかった。

キム・ユンソク演じる男の無敵ぶりも、本作の色にはマッチしない。

本作は脚本段階でアメリカの20世紀FOXがリメイク権を獲得したらしい。
話のプロットはとても良いので、魅了してくれる映画に生まれ変わってほしい。

【60点】



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。