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ジャスティス・リーグ 【感想】

2017-12-01 08:00:00 | 映画


事前の不評が目立っていたが、想定以上におもしろい。DCユニバースに対して北米の映画ファンは厳しすぎるのでは!?
アクアマン、サイボーグ、フラッシュという新たに加わったメンバーは全くの異種にも関わらず、よくここまで1つの流れにまとめたものだ。彼らの共闘アクションは、それぞれの特性が巧く機能していて見事。そしてアツい。参加メンバーの組み合わせでいえば、「アベンジャーズ」よりも難易度が高かったはず。また、本作の背景にあった、アマゾネス、アトランティス、神、宇宙人など種族間の神話にワクワクする。この神話の話だけで1本の映画を作ってほしい。まさにマーベルにはないDCの世界観といえそう。女性戦士で構成されるアマゾネスがやっぱりかっこよく、今年の「ワンダーウーマン」の成功は本作にとって大きな追い風になったと実感する。勧善懲悪なシンプルな作りは映画ファンへの間口を広げたが、1クセあるこれまでのDCユニバースも嫌いじゃない自分は少し残念な気もした。

本作に直接つながる前作は昨年の「バットマン vs スーパーマン」だ。副題の「ジャスティスの誕生」とあるように、バットマンことブルース・ウェインは地球を防衛するためのチーム(「ジャスティス・リーグ」)を作ろうとして、前作でリクルートするメンバーに目星をつけていた。その狙いはとてもシンプルで、来るべき強敵に備え、対抗できるだけの超人的な力をもつメンバーを揃えるというもの。そして本作でいよいよメンバーが一同に介する。

バットマン、ワンダーウーマンのほかに加わるのは、海の種族「アトランティス」の末裔「アクアマン」、不慮の事故によって肉体が死んだが機械仕掛けの改造人間として生きる「サイボーグ」、そして、雷に打たれて光速で動くことのできる「フラッシュ」の3人。アクアマン、サイボーグに比べ、フラッシュの人物背景が薄いのは、最近のテレビドラマを初め、馴染みのあるキャラとして認識されているからだろうか。そんな3人がチームに加わる動機も、短い説明描写ながら違和感がない。フラッシュのみ、ミーハー気分というのも全然アリだ。絶対に失敗できないという製作陣の意気込みを脚本の随所に感じる。

今回の敵は、彼ら種族と因縁のある宇宙人だ。ステッペンウルフといい、いかにも凶悪で強そうな容姿。実際もかなり強い。ステッペンウルフの手下である昆虫に似た雑魚集団が大量発生するが、なかなか手ごわいのがユニーク。ただの人間であるバットマンにとっては倒すのも一苦労だ。ステッペンウルフが欲するのは「マザーボックス」という箱で、3つ揃うと、宇宙を征服できるほどの力を発揮するものだ。「アベンジャーズ」におけるインフニティストーンと設定がよく似ているが、この箱が物語を展開するうえで非常に便利なツールになる。

<以下、ネタバレあり>(ネタバレじゃないかもだけど)

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前作で死んだことになっていたスーパーマンは本当に死んでいたwww
前作のラストで棺桶が波動で揺れていたのは何だったのだろう。。。

ステッペンウルフ軍団があまりにも強いため、チームは何とかしてスーパーマンを蘇らそうとする。そして、成功する。そこでマザーボックスが活用されるが、その力の媒介のため電流を流す設定も、「アベンジャーズ」とよく似ていて「ヴィジョン」の誕生シーンを思い出す。もしかすると、ジョス・ウェドンが途中参加した影響かもしれないと勝手に想像する。

スーパーマンは規格外に強い。死から蘇ったスーパーマンは我を忘れてチームメンバーに攻撃を仕掛けるが、5人が束になってかかっても太刀打ちできない。前作では、アイアンマンばりのパワードスーツを着用していたとはいえ、バットマンはよくあそこまでスーパーマンと渡り合えたものだ。それはステッペンウルフにとっても同様で、5人が激しい返り討ちに合うなか、スーパーマンにとっては朝飯前、「(ステッペンウルフ相手に)何をてこずってるの??」と余裕綽々だ。切り札として鮮やかに登場して圧倒的な力を見せ付ける。その光景はめちゃくちゃ痛快であるが、スーパーマン1人の力で、他の5人分の共闘の効果が薄れてしまうのも事実。

このシリーズのバットマンは強さよりも弱さが際立つ。超人メンバーのなかで唯一の一般人だ。本作でも「金持ち」が自身の能力といい、攻撃を受けたあとの肉体的ダメージを隠すこともない。当初、バットマンのベン・アフレックの起用にしっくり来なかったが、本作で「統率者」としての役割がより明確になったことで彼のキャスティングに納得がいった。今年の私的ヒットだった「コンサルタント」でのぽっちゃり体系からは、かなりシェイプアップされた模様。彼が演じるバットマンは若くはない自身を振り返り、リーダーとしての座をワンダーウーマンに委ねようとする。バトルシーンのフィニッシュも、ワンダーウーマンに花を持たせる格好となっていて「なるほど」と呟いた。DCユニバースの計画では、最初からワンダーウーマンを前面に押し出すのは決まっていたのかも。

全体的にCG臭が強すぎるのはマイナス。敵役がフルCGなのは今や珍しくないが、あらゆる舞台が隅から隅まで切り貼りした合成感があって安っぽい。フルCGの舞台でいえば、我が愛する「ガーディアンズ~」も負けてはいないが、ユニークなデザインと多様さの点で異なる。とりわけクライマックスの舞台は無機質で殺風景、被害を被り逃げ惑うはずの一般ギャラリーもほとんどいないため、映像のスケールの割に小さく見える。舞台だけでなく、登場人物が動き回るシーンにおいてもCGによる差し替えアクションが多用されるため、実写映画というより、アニメーションっぽい。

ほぼ覆面コスチュームで出ているフラッシュ役のエズネ・ミラーの明るい個性に救われているが、もっと笑えていいシーンが多いのに、まだまだユーモアが弾けない。スーパーマンが建物ごと担ぐシーンなんて、マーベルなら爆笑シーンだったりするのだが、普通に見入ってしまう空気あり。個人的にはシリアスに徹してもらってもよくて、いただけないのは、ユーモア描写を中心にマーベル映画への憧れが見え隠れするところだ。やっぱりジョス・ウェドンの途中参加が効いているのかもしれない。。。

「スーサイド・スクワッド」の失敗から、よくぞここまで持ち直したと思うが、まだまだ魅力不足。エンドロール後に今後の展開を示唆するシーンが描かれるが、全く興味が沸かない。。。マッチョビューティフルボディの「アクアマン」の単独作(監督はジェームズ・ワン!)、そして「ワンダーウーマン」の続編で今度さらなる成熟が必要不可欠だ。

【65点】

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