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アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~ 【感想】

2020-05-06 09:49:18 | 海外ドラマ


アマプラで配信されていた海外ドラマ「アップロード」を見た。

全10話だが、各30分程度でサクサク見られる。
今の時代に合ったボリュームだが、なかなか練られた話で面白かった。
(けれど、いろいろと惜しいな・・・・)

2033年という近未来の設定。死ぬ間際に、2つの選択ができることになっている。そのまま天国に召されるか、それとも意識、記憶だけをデジタルで作られた仮想世界にアップロードするか。後者の世界を描くのが本作であり、仮想世界に行くと、そのまま永久的に生活することができて、VRを通じて現実世界とつながることもできる。現実世界では資源が枯渇し、食料は3Dプリンターで作られた疑似だったりする。一方の仮想世界は、快適なリゾート地。美しい自然に囲まれ、快適な居住空間が用意され、美味しい料理が食べられる(とプログラムされている)。ある意味、仮想世界のほうが幸福だったりする。この設定を思いついた時点でほぼ勝利。

今から少し進んだ時代というのがミソ。現代のデジタル社会における皮肉も風刺され笑いに転化される。何かとオプションで金をとるシステム、データ容量を超えると動かなくなる、評価は星の数で決まる等々。ややチープな視覚効果も、逆にコメディの追い風になっている。

デジタルの仮想世界は、現実世界に存在する企業によって運営されている。残された遺族がその運営会社に料金を支払うことで、主人公らは仮想世界で生きることができる。仮想世界で起きる出来事を描くだけでも1つのコメディショーになると思うが、本作では、仮想世界と現実世界を交わせ、主人公が事故にあった真相を探るミステリーや、主人公と現実世界から接触するカスタマサポートの女子とのロマンスを差し込む。コメディとミステリーとラブロマンスを共存させる脚本であるが、その点はあまり機能していないと思われる。軽い笑いを基調とした世界観で、シリアスなミステリー要素はアンバランス。

恋愛要素も然り。演じるキャスト陣はすべて知らない役者ばかりで「よくいるタイプの容姿」という印象からスタート。次第に魅力的に見えてくるというパターンが、本作にはあてはまらなず、恋にときめく2人の姿が輝かない。キャスティングはかなり重要な要素と、本作を反面教師な扱いにして改めて思う。

また、コメディドラマとしては1シーズンで終わらせたほうが良いサイズ感であり、次のシーズン2まで引っ張った最終話には正直冷めた。ただ、映画版としてリメイクし、もっと恋愛要素をブラッシュアップさせたら、「her」みたいな傑作になり得るような気がする。

【65点】
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