から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

トイ・ストーリー4 【感想】

2019-07-27 15:11:11 | 映画


完璧な幕切れであった「3」から、続編を製作する意味はあるのか。。。それが最大の関心事だった。結果、「続編」というより「スピンオフ」な話。「トイ・ストーリー」の世界を大いに楽しんだのだけど、人間と玩具の信頼関係が前提にあった、これまでのシリーズから軸が変わった印象を持ち、良くも悪くも、ピクサーではなく、ディズニーの色を強く感じた。”多様性”の波がここにも来たか。
主人公、ウッディが新たな局面を迎える。アンディとの友情関係は過去の思い出。アンディから引き継がれたボニーとの関係は良好とはいえなくなった。”全ての玩具が人間と相思相愛にはなれない”、これまでのシリーズでも言及されてきたテーマだが、本作では別の方向へ舵を切っていく。人間に愛されることでしか幸福を見いだせない玩具はどう生きるべきか。本作が導き出した答えに、賛否が分かれるのはごもっともであり、むしろ、絶賛一色であった、アメリカ本国での評価が不思議なほどだ。生き方の価値観の違いだろうか。
もちろん、シリーズならではの玩具たちの冒険劇は有無を言わさぬ面白さ。豊かなイマジネーションとユーモアに溢れ、ピクサーがピクサーたる所以を高らかに誇示する。新キャラのなかでも、ダッキーとバニーが楽しい。日本語吹き替えを担当するチョコプラがまさかのファインプレー(笑)、声質が声優向きなのだ。人間に生み出され、愛された瞬間から「玩具」として生まれる、ファーキーの存在がこのシリーズの玩具の在り方を象徴する。スリリングで、笑えて、愛情がたくさん詰まった「トイ・ストーリー」の世界に再び埋没する。
そして、安心のハッピーエンドである。あとはシンプルに好き嫌いの問題だ。本作の結末を自分は受け入れられなかった。人間との友情の中に成立していたドラマが、シリーズの醍醐味と勝手に思っていたからだ。少なくとも「3」で流した涙を受け止める場所は本作にはなかった。
【65点】
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