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レギオン 【感想】

2017-06-02 23:00:00 | 海外ドラマ


もう最終回を見終わって2カ月近く経つが、海外ドラマ「レギオン」の感想を残す。
全8話。huluにて。

ノア・ホーリー×ダン・スティーヴンスの海外ドラマということで、去年から激しく楽しみにしていたが、久しぶりの期待ハズレだった。huluの配信期間も短かったため、イッキ見ができず、5話目を見逃してしまったことも大きいか。でも、全部で通しで見たとしても夢中になることはなかったと思われる。XメンのTVドラマ版として見ると、大きな肩すかしを喰らう。

強力な念力を持つミュータントの男が、仲間たちと共に、悪の一団と戦うという話。。。。。というのが、本作をわかりやすく紹介するベターな表現だと思われるが、正直なところ何の話だったのかよくわからない。

主人公は統合失調症と診断され、精神病院に収容されている。彼が患っている精神疾患は、実は、彼の隠れた能力ゆえの現象であり、その能力が、ある事件をきっかけに覚醒されるという展開。その覚醒シーンが描かれる、1話目が本作のピークといえる。1話目で「これは面白いドラマだ!」とテンションが上がるも、2話目以降でズルズルと興味が失せていく。

劇中の多くの時間を、主人公の内面を掘り下げる過程に割いていく。主人公の中にある、現実、記憶、幻想、精神という4つの世界がごちゃ混ぜに描かれ、その仮想世界で起きる話がまとめられている。極めてユニークな世界観をもったドラマといえるが、肝心の理解と興味がついていかない。あれを描くことにどんな収穫があるのか、と?マークが脳内をよぎるばかり。物語が前に進んでくれない。ミュータントを駆逐しようとする悪の軍団よりも、主人公の内面を潜む、もう1つの敵からの開放が本作の最重要ポイントだったようだ。

本作は「Xメン」のスピンオフと位置づけられるみたいだが、Xメンとの共通項は「ミュータント」という言葉が出てくるくらいで、関係性は極めて希薄だ。突然変異によって、生まれながらにして持ってしまった特殊能力を、正義のために使うという設定がXメンシリーズの醍醐味であるが、本作ではミュータントらしい能力が可視化されることはあまりない。主人公は周りから「お前は最強のミュータントだ」とさんざん持ち上げられながらも、一向にその力を飼い慣らしてくれない。本人のコントロールではないところで能力が発揮されることにイライラする。さすがに最終話では、自らの意思で強力な念力を披露するが、クライマックスの割にかなり地味な画だ。

ドラマ「ファーゴ」のシーズン1、2で感じた、ノア・ホーリーの引力はどこへいったか。新しいタイプのドラマを作ろうとする挑戦は買うが、もっと普通に楽しめる娯楽作品を作ってほしい。「ファーゴ」の出演陣が、本作にも主要キャラとして何人か出演しているが、「ファーゴ」の時に演じたキャラクラーのほうが何倍も魅力的だった。主演のダン・スティーヴンスはかなり痩せた印象。体を絞ったというよりも、役作りのために病的に見える痩せ方でイマイチ。ドラマ「ダウントアビー」や映画「ゲスト」の時のように、彼のチャームをもっと活かしてほしかった。特殊能力を使ってくれないフラストレーションも手伝って、彼が演じる主人公に物足りなさが残った。

アメリカでの評判はまずまずのようで、シーズン2の製作も決まっているらしい。
自分はシーズン1で脱落だ。

【55点】