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モンスターズ・ユニバーシティ 【感想】

2013-07-20 09:01:04 | 映画


最近のピクサー映画はどうもパッとしない。
「カーズ2」「メリダとおそろしの森」など期待を下回る凡作が続いている。

そんな中、ピクサー映画の新作となる「モンスターズ・ユニバーシティ」は、
ピクサー、復調の兆しが見えた映画だった。

調べて驚いたが、前作の「モンスターズ・インク」は今から10年以上前に公開されている。
テレビ放送を少し見たが、古臭さを感じさせないクオリティが凄い。
主役のマイクとサリーは、映画を観たことがない人でも馴染みのあるキャラとして
日本でも定着した感がある。

本作は「モンスターズ・インク」の前日譚で、マイクとサリーが出会うきっかけとなった、
若き日の彼らの学生時代を描いたものだ。

前作同様だが、人間の恐怖をエネルギー源に変換するという設定がやはりユニークだ。

舞台となる大学では、そのエネルギー事業会社に即戦力として就職できるように
エネルギーを収集する(悲鳴を狩りに行く)「怖がらせ科」や
エネルギーを貯めるためのタンクを製作する「タンク科」など、
学部が進路に応じて分かれている。

物語の世界はファンタジーでも、そこに息づくキャラクターたちの心理や、
彼らによって形成されている社会構造が現実社会と強く結びついている。
ドラマ「glee」や映画「21ジャンプストリート」にもあった、
イケてるグループとイケてないグループに分かれる、
学園ドラマならではのベタな構造もちゃんと抑えていて思わずニヤつく。

勉強はできるが、怖がらせ屋としての才能に乏しいマイクと、
才能がありながら、その才能を活かしきれないサリーという、正反対な2人の個性を通して、
超えられない現実の厳しさや、不可能を可能にする希望へのヒントが描かれていく。

「友情」という人間関係は知らず知らずに
互いの補い合いの上に成り立っているものなのだなーとしみじみ思う。

本作は前作と違って、モンスターの世界を中心に描いているだけあって、
モンスターキャラが盛りだくさんである。皆カラフルで丸っこくて可愛い。
幼児が落書きしたような造形キャラも多いが、
どののキャラに対してもちゃんと愛情が注ぎ込まれているのが嬉しい。

ラストのクライマックスは想定外の展開。
カタルシスを感じる爆発的な逆転劇が何とも気持ち良い。
久しく感じられなかったピクサーの持ち味である脚本力を感じた。

こちらのイマジネーションの向こう側にあるような、
ピクサーならではのエモーショナルでダイナミックな演出はやや控え目だが、
平均点以上の面白さ。

ただし、ピクサーという看板を背負っている以上、
もっと欲しいのだ。こんなものじゃないと。。。

5歳の甥っ子を初めて映画館に連れて観に行ったが、
まだよくわからなかったようだ。見終わってポカンとしてた。笑
「モンスターズ・インク好きー」と言ってたけどな。

【65点】
コメント
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