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きっと、うまくいく 【感想】

2013-07-06 13:32:12 | 映画


「きっと、うまくいく」という邦題タイトルのインド映画を観る。

公開してから一ヵ月以上経つが、絶賛に近いレビューが多く、
インド版青春グラフィティという内容に惹かれて観に行った。

劇場のリアクションが「最強のふたり」に似ていた。

本作はインドの工科大学を舞台に、
学生寮のルームメイトとして出会う3人の男子学生の友情を描いたものだ。
物語は、大学を卒業した10年後、行方知れずとなった3人のうちの中心人物「ランチョー」を
残りの2人が探す旅を起点に、学生時代を回想していくという流れで進んでいく。

これまでのインド映画にあったイメージは「ムトゥ踊るマハラジャ」や
「ロボット」などに象徴されるように、ダンスとド派手なアクションで魅せるというもので、
目や耳に楽しいアトラクションムービーとして観ていた。

だけど、本作はかなり毛色が違った。

終始一貫、ノリはコメディ映画だが、登場人物たちのドラマを丁寧に描いている。
ノー天気なコメディ映画というより、地に足を付けたコメディ映画というべきか。
様々な伏線を散りばめ、結末までに回収していく脚本からは
これまでのインド映画にはない洗練さを感じた。

インド映画の楽しみであるミュージカルシーンは健在。
普通にテンションが挙がってワクワクしてしまう。
本作ではその進化系を観た感じがする。
1つのミュージカルシーンを様々な舞台設定・美術で魅せて、
より物語性をもたせる編集の巧さや、豊かな創造性に関心した。

しかし長い。。。
「退屈とは無縁の3時間」などというレビューが目立っていたが、
自分のコンディションもあってか中盤何度も睡魔が襲う。

長時間映画が苦手ということではないが、
すべてのエピソードを隈なく魅せることが正解とは思えない。

インド映画ならではのサービス精神からかもしれないが、
「このエピソードがなくても十分成立するよな〜」と感じるシーンも多かった。
集中力が途切れるので、時間が長く感じてお尻が痛い。

インド映画ならではの音楽のベタな使い方(狙い?)により
感情移入できない部分も多々あったが、周りの人たちは結構ハマっていたようだ。

会場からは暖かい笑いと、感動のあまり鼻を啜る音が交互に響いていた。
隣に座っていた女子とかめっちゃ号泣してたな〜。

Wikiで調べたら、主人公「ランチョー」を演じたアーミル・カーンという人は当時44歳だったという。
相当な役作りの賜物と思われるが、スーパーアンチエイジング俳優だ。
自然体ながら不思議な魅力を放つ主人公を好演している。

中盤の中だるみ感と、乗り切れないドラマに
手放しで「面白かった!」とは言えないが、
ラストの爽快感は数ある映画の中でも得難い仕上がり。

主人公の口癖である「きっと、うまくいく」というセリフのとおり、
ひたすら前向きで、元気になれる映画。

ラストの美しいロケーションにも目を見張る。
そのロケ地は、チベットに近いパンゴン湖というところらしい。
って「落下の王国」でチェックしていた場所じゃん。
死ぬまでに一度は行ってみたいー。

【65点】
コメント
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