から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

キラー・スナイパー 【感想】

2013-02-16 11:31:36 | 映画
DVD鑑賞で面白い映画があったので感想を残す。

その前に他観たDVDの寸評。

【リンカーン弁護士】(70点)
面白い。シリーズ化希望。マシュー・マコノヒー演じる型破りな弁護士が素敵。
利害関係を軸に複雑に絡み合う人物相関と読めない展開にワクワク。ラストはスカッと爽快。

【ムカデ人間】(50点)
今更ながら観てみた。思いのほかグロくはなかったが、「痛み」を感じる描写はやっぱ苦手。
話のアイデアはホラーとして興味が持てたものの、結局、何も進まない話にややガッカリ。

【バイオハザードV リトリビューション】(35点)
3D表現を勘違いした駄作。もっともらしく魅せる、センスのないアクションが鼻につく。
テレビゲームのように各ステージクリア型の展開もひたすら退屈。脚本がつまらない。
こんな映画が傑作「アベンジャーズ」よりも日本でヒットしたことに絶句。日本人はよいカモだ。

で、面白かったDVD映画は日本で公開されなかった映画「キラー・スナイパー」だ。

一昨年(2011年)アメリカで最も活躍した俳優はライアン・ゴズリングだ。
で、昨年(2012年)は、本作の主演でもあるマシュー・マコノヒーだと思われる。

日本でも馴染みのある「評決のとき」から、はや十数年。
コンスタントに映画出演はするも作品に恵まれなかったのか、
活躍の潜伏期間を経て、昨年は「リンカーン弁護士」、「Magic Mike」(萌)、
「Mud」、「Bernie」、「Magic Mike」(この3本、日本で早く公開して!!)と
ほぼすべての映画、演じた役柄で批評家の絶賛を浴びた。

彼の活躍年を知る上で本作「キラー・スナイパー」も欠かせぬ一本。
原題は「Killer Joe」。映画自体も日本映画未公開が惜しい面白さだった。

本作は、とある一家が資金調達のために、保険金をかけた母親を殺すため、
依頼した殺し屋(ジョー)が、依頼料の払えない一家の娘(少女)を担保にしたことで
その一家と深く関わるようになる、という話だ。

邦題の付け方がまたよろしくない。「スナイパー」という表現だと、
ゴルゴ13的な男の活躍をイメージするが、本作には殺すシーンが全く出てこない。

本作をジャンルでカテゴライズするのであれば「ホームドラマ」。
ゴミ溜めのような一家に、狂気な殺し屋が関わることで展開していく喜劇。
ただし、ひどくサディスティックでバイオレンスな仕上がりのため、18禁必至かも。

マシュー・マコノヒー演じる殺し屋ジョーが絶品。

ジョーは本業は警官(笑)。
場所はテキサスなので映画でも見覚えのある、サングラスにテンガロンハット、茶色のブーツ・・と、
お決まりのコスチュームだが、それらがすべて手入れされていて、バシっとキマっている。
神経質、そして性格はひたすらクール。光のない目元からはダークなキャラが浮かび上がる。
しかし、その実態はなかなかの変態野郎。思い出すだけで、笑ってしまう可笑しさ。。。
ジョーが、殺しの依頼をかけた一家の少女に恋をする話なのだが、ロリコン丸出し。
その恋はプラトニックなものかと思いきや、「ヤっちゃうんかい」とズッコケ。
不貞と嘘を働いた一家の継母にキレると、顔面流血&フライドチキンを噛ますフ●ラを強要。
その自身のサディスティックに陶酔し、まぶたが痙攣するほどのイキ顔が最高(爆笑)。
ジョーの濃ゆいキャラは、「ノーカントリー」でのシュガーなどにも匹敵するものだ。
すっかり演技派となったマコノヒーの変貌ぶりを実感。ホント楽しいわ。

家族の絆など、微塵もない一家において、ジョーという存在が果たす役割も興味深い。
不条理さを抱えつつも、家族という、ある意味宿命に似た関係だけで成立する姿は、
今はなき森田芳光の代表作「家族ゲーム」によく似ているなと思った。

監督は「エクソシスト」で馴染みのウィリアム・フリードキン。
老齢ながらも、こんなにエッジの効いた映画を撮るパワーに感服。

今後が楽しみなエミール・ハーシュやジュノー・テンプルの熱演も嬉しい。

観る側を喰ったようなラストも、本作ならではタッチで好きだ。

【75点】






コメント
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