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ザ・レイド 【感想】

2012-11-23 16:12:34 | 映画
世界の映画祭を席巻したインドネシア発アクション映画「ザ・レイド」を観た。

渋谷のシネマライズのみの公開とあって、かなり面倒であったが、
どうしても観たくて10年ぶりくらいに行った。

前評判に違わぬアクション映画の傑作。

冒頭のシーン。
静かな朝。主人公と思われる若い男が、安らかに眠る妻の傍ら起床。
イスラム教の国とあって、床に絨毯引いてお祈りをする。
その後、黙々と筋トレして、穏やかな顔立ちとは裏腹に
サンドバック相手に凄まじいスピードで拳を繰り出している。
この男が相当なツワモノであることを示唆する。

強い男子に憧れる自分は、のっけからもうビンビンである。

穏やかなシーンはこの冒頭のみで、
物語はその後、ラストまで壮絶な攻防になだれ込んでいく。

本作はジャカルタのスラム街(だったらしい)で、麻薬王が支配し、
ギャングたちのアジトとなっている高層マンションに、
SWATチームが奇襲をかけ麻薬王をとらえようとする話だ。

SWATチームが活躍する話だと思っていたが、違っていた。

SWATチームは麻薬王、ギャングたちの圧倒的武力と
高層マンションという閉鎖空間の中でフルボッコにされる。
悪党どもの残忍さも手伝い、やられ方が半端ない。
そして20人程度いたSWATチームはほぼ壊滅。

残されたのはSWATチームの新人ラマ。
冒頭で出た凄腕の男だ。

一人対何十人の格闘アクションという全体像が見えたところで、
期待でゾクゾクする。

ダイ・ハードのブルース・ウィリスはあの手この手で切り抜けたが、
本作は抜け道のない空間において、彼が選んだ(選ばざるを得なかった)道は正面突破。
残された仲間を助け、生き残るためには最上階にいる麻薬王を倒さねばならない。
ゲームチックながら、このわかりやすいプロットが非常に効果的。

短銃、マシンガン、青龍刀、短剣、、、あらゆる武器と、
ボーンシリーズや96時間などのハリウッド大作でも馴染みのある、
格闘技「シラット」が見事に融合。

すべての体の動きが防御、打撃と偏在自在に変化するシラットがめちゃくちゃカッコよい。

徹頭徹尾、アクションで魅せる映画なので、脚本の甘さは気にならず。

これでもかと押しまくるアクション描写に
劇場内では嘲笑に近い笑いが起こったが、
自分は制作陣、俳優陣の情熱みたいなものを感じ、むしろ感動してしまった。
何人の演者がこの撮影で骨を折ったのだろうか。。。

主役のラマを演じたイコ・ウワイスは実際、プロのシラット家で
本作アクションの振り付けも担当しているらしい。
タイのトニー・ジャーと並び、アジアの新たなアクションスターだ。

また、残忍でド悪党な麻薬王演じた俳優のパフォーマンスがヒくほど怖く、
インドネシア映画界の層の厚さを感じた。

音楽はリンキンパークが担当しているなど、
映画としての仕上がりは驚くほど洗練されている。

本作はアメリカでのリメイクが決まっているらしい。

スリリングでエキサイティング。
やや胃もたれ感が残るアクション映画だが、
インドネシアという地で本作のような映画が誕生したことは歓迎すべきことだ。

シネマライズのみの公開が実に惜しい。

【75点】





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