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その夜の侍 【感想】

2012-11-20 01:07:39 | 映画
一昨日の土曜日、下半期個人的に最も注目していた邦画
「その夜の侍」を見た。

タイトルがカッコよく、名作の予感がしたが、まずまずな映画だった。

本作は、5年前に妻をひき逃げにより殺された中年男と、その加害者の男の話。

話の筋は予告編で見たとおり、妻を殺された男の復讐劇だった。
シンプルなストーリーが2時間という長丁場でどう描かれるのか。。。
昼食2時間後に襲ってくる睡魔も手伝い、結局なんだかよくわからなかった。

つまらないことはなく、むしろ見応えのあるドラマだと思われる。

本作では人間の虚無感や焦燥感みたいなものを描いていて、
画面から伝わるその質感は監督の作家性とも受け取れ、久々に歓迎すべき邦画の匂いがした。
この手の人間ドラマでは、物語の断片からそこに描かれるキャラの人物像を勝手にイメージして、
形作っていくことで作品世界にのめり込んでいくのだが、
掴みかけた人物像がことごとく手から離れていった。
それが繰り返されるので「う~ん、どうしてそうなるかな」と。

主役の2人だけでなく、彼らを取り巻く、
被害者の弟しかり、加害者の友人しかり、
工事現場の警備員しかり、デリヘル嬢しかり。。。

物語のラストシーンにも象徴されるように、
結局、彼らは何を想って、どうしたかったのだろうか。。。
理解できなくてもよい。どうにも釈然としないのだ。

しかしながら、主役の2人を演じた堺雅人、山田孝之をはじめ、
新井浩文、綾野剛、田口トモロヲ、谷村美月、安藤サクラ、でんでんなど、
「役者」という表現が相応しい実力派俳優の競演は映画料金に見合う価値がある。

堺雅人、山田孝之の息を呑むクライマックスはまさに魂のぶつかり合い。

木南晴夏も端役で山田孝之と共演していて、
今テレビでやってる脱力系ドラマ「勇者ヨシヒコ~」との温度差が激しい。

個人的に残念で気になったのが、劇中のセリフに出てくる、
「魚民で説教だな」「牛角行くか~」など
モンテローザ、レインズグループの飲食店の頻出。
低所得で食べ物に頓着しない登場人物たちの生活スタイルには
よく合っているワードかもしれないが、
自分の苦手な飲食店グループなだけにイササカ不快。

エンドロールで同グループのクレジットを探したが、見つからず。
不穏な金の匂いがした。。。

【60点】
コメント
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