3週間ぶりに映画を観る。
報告書が終わらず、明日の土曜日も出社が確定した段階で、
残る仕事をあきらめ、残業2時間でそそくさと会社を出る。
久々のmovixさいたまのレイトショー。
観たのはロマン・ポランスキーの最新作「ゴーストライター」だ。
ロマン・ポランスキーの新作っと言いながらも
この人の映画で見た記憶があるのは戦場のピアニストくらい。
それもそんなに好きじゃなかったが、本作はアメリカでの公開時
何かと評判がよかったようなので前から楽しみにしていた。
本作はピアース・ブロスナン演じる元英国首相が自叙伝を出版するにあたり、
彼のゴーストライターである男が不審死を遂げるところから始まり、
ユアン・マクレガー演じる後任のゴーストライターがいろいろな事件に巻き込まれていく話だ。
まあ、なんとも。。。
これぞ、サスペンスの王道といった出来栄えだ。
一つのラストに向かって、ただ突き進む。
多くの情報が盛り込まれる現代映画において、
これほどまで無駄なぜい肉をそぎ落としたような映画も珍しいように思う。
ヒッチコックの映画を見たときにようなクラシカルな匂いを感じるのだが、
古さというよりは、サスペンスの普遍的な醍醐味みたいなものを改めて感じ、
逆にとても新鮮な印象をもった。
ユアン・マクレガー演じるゴーストライターの名前が一切出てこないのも象徴的。
舞台となる孤島の、異常なほどの天気の悪さも徹底している。
シンプルな構成ながらも、すべてのシーンに物語の本質や意図が見え隠れする。
玄人好みで、思わず唸ってしまうシーンも山ほどあり、
監督の確かな感性と演出力が発揮されているようだ。
また本作に惹かれてしまうポイントとして、
作品のパワーに呼応するかのような英国俳優たちの巧演。
主演のユアン・マクレガー。
個人的にはどうしてもトレインスポッティング時のエッジの効いた印象が強く、
そのイメージが先行してしまうが、今やすっかり演技派の仲間入りだ。
近年だと「フィッリップ君を愛してる」の肉感的でリアルなゲイっぷりが非常によかった。
本作でも頼りなさげで、吹いたらすぐに飛んでいってしまうような影の薄い役を好演し、
まさに「ゴースト」といった感じで、作品世界に上手く同化している。
そして、元英国首相演じたピアース・ブロスナンの意外な一面。
007のせいか、ハンサムでスマートなだけの、どこか表層的な印象を持っていたが、
本作では中年らしい2重アゴを表情のベースにして傲慢で自信家、
国家の元トップならではのカリスマオーラを放ち、存在感ったぷりの演技。
政治家らしくプライベートな場での表情と、公の場との表情の違いに説得力ありだ。
そのほか、オリヴィア・ウィリアムズ、キム・キャトラルの性質の異なる、
熟女エロスな演技も見どころだ。
映画のラストシーンもなかなかすごい。
想像力の足らない自分にとって、一度見では本作を100%理解できてない。
あと2,3回観てようやく余すところなく理解でき、
本作のさらなる旨みを知ることになると思われる。
本来単館系の映画なのに、公開してくれたmovixに改めて感謝。
【75点】
報告書が終わらず、明日の土曜日も出社が確定した段階で、
残る仕事をあきらめ、残業2時間でそそくさと会社を出る。
久々のmovixさいたまのレイトショー。
観たのはロマン・ポランスキーの最新作「ゴーストライター」だ。
ロマン・ポランスキーの新作っと言いながらも
この人の映画で見た記憶があるのは戦場のピアニストくらい。
それもそんなに好きじゃなかったが、本作はアメリカでの公開時
何かと評判がよかったようなので前から楽しみにしていた。
本作はピアース・ブロスナン演じる元英国首相が自叙伝を出版するにあたり、
彼のゴーストライターである男が不審死を遂げるところから始まり、
ユアン・マクレガー演じる後任のゴーストライターがいろいろな事件に巻き込まれていく話だ。
まあ、なんとも。。。
これぞ、サスペンスの王道といった出来栄えだ。
一つのラストに向かって、ただ突き進む。
多くの情報が盛り込まれる現代映画において、
これほどまで無駄なぜい肉をそぎ落としたような映画も珍しいように思う。
ヒッチコックの映画を見たときにようなクラシカルな匂いを感じるのだが、
古さというよりは、サスペンスの普遍的な醍醐味みたいなものを改めて感じ、
逆にとても新鮮な印象をもった。
ユアン・マクレガー演じるゴーストライターの名前が一切出てこないのも象徴的。
舞台となる孤島の、異常なほどの天気の悪さも徹底している。
シンプルな構成ながらも、すべてのシーンに物語の本質や意図が見え隠れする。
玄人好みで、思わず唸ってしまうシーンも山ほどあり、
監督の確かな感性と演出力が発揮されているようだ。
また本作に惹かれてしまうポイントとして、
作品のパワーに呼応するかのような英国俳優たちの巧演。
主演のユアン・マクレガー。
個人的にはどうしてもトレインスポッティング時のエッジの効いた印象が強く、
そのイメージが先行してしまうが、今やすっかり演技派の仲間入りだ。
近年だと「フィッリップ君を愛してる」の肉感的でリアルなゲイっぷりが非常によかった。
本作でも頼りなさげで、吹いたらすぐに飛んでいってしまうような影の薄い役を好演し、
まさに「ゴースト」といった感じで、作品世界に上手く同化している。
そして、元英国首相演じたピアース・ブロスナンの意外な一面。
007のせいか、ハンサムでスマートなだけの、どこか表層的な印象を持っていたが、
本作では中年らしい2重アゴを表情のベースにして傲慢で自信家、
国家の元トップならではのカリスマオーラを放ち、存在感ったぷりの演技。
政治家らしくプライベートな場での表情と、公の場との表情の違いに説得力ありだ。
そのほか、オリヴィア・ウィリアムズ、キム・キャトラルの性質の異なる、
熟女エロスな演技も見どころだ。
映画のラストシーンもなかなかすごい。
想像力の足らない自分にとって、一度見では本作を100%理解できてない。
あと2,3回観てようやく余すところなく理解でき、
本作のさらなる旨みを知ることになると思われる。
本来単館系の映画なのに、公開してくれたmovixに改めて感謝。
【75点】