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ぼくのエリ 200歳の彼女 【感想】

2011-02-13 18:03:25 | 映画
美しい映画だ。

この映画のジャンルは何なのか。。。
ホラー? ファンタジー? ラブストーリー?

おそらくどれも正解なんだろう。
ただし、そのどれにもあてはめたくないような映画だ。

昨年、上映館が少なく見過ごしてしまった本作「ぼくのエリ 200歳の彼女」。
新作レンタルで早速観る。

本作はスウェーデンの映画。世界各国でも高い評価を得たらしい。

12歳のいじめられっこの少年と同い年のヴァンパイアの少女の出会いの話。
舞台はスウェーデンの郊外の町。
冬なのだろうか、ただただ真っ白い世界。
その中にあって、2人が織り成す哀しくも美しい物語が一層の光を放つ。

オープニングから美しい。
暗闇の中で降る雪が、舞って光っている。
抜群のセンスの良さをのっけから印象づける。

演出が繊細だ。
しかしその一方で大胆さを併せ持つ。
12歳の少年と少女の世界。純粋で透明な中に、2人の宿命を無視することなく、
残酷でショッキングな描写が無感情に放り込まれる。
そのコントラストに圧倒されるのだが、作品の美しい世界はブレることはない。不思議だ。

作品世界は監督の演出によるものが大きいと思うが、
本作では少年のオスカーとヴァンパイア少女エリのキャスティングによるものが大きい。
その姿が非常に美しく、見ていてウットリする。

一瞬女の子??と思ってしまうほど中性的なビジュアルの少年オスカー。
金髪のサラサラおかっぱ頭。透き通るような白い肌。真っ赤な唇。
いつもどこか遠い眼をしている。

ヴァンパイアのエリは真っ黒髪。人間と交わることのできない悲哀と、
その運命を受け入れるような気丈さを、その表情にいつもたたえている。
彼女が返り血に染まるシーンは痛々しく、哀しい。

そんな2人の出会いに必然性を感じてしまった。
映画史に残るカップルの誕生といえる。

私の大好きな石川三千花さんが本作を観たら、どんな感想をもつのだろう。
きっとイラスト映えする素敵なレビューをするんだろうな。。

【75点】

コメント
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