そもそも論者の放言

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葡萄が目にしみる

2019-04-14 22:10:31 | Entertainment
昨日「ブラタモリ」を視ていたら、勝沼の葡萄畑が出てきて、また思い出してしまった。
ドラマ「葡萄が目にしみる」のことを。
 
このドラマ、Wikipediaにも記事があるが、1991年9月16日の夕方にフジテレビで放映された単発ドラマで、ペプシの単独提供によるタイアップ(ドラマの中にペプシの缶ジュースや自販機が登場する)であることも理由かもしれないが、それ以来おそらく一度も再放送されていない。
 
28年も前のドラマなのだが、まるで昨日のことのように鮮烈な印象が残っている。
カレンダーを調べると、この日は敬老の日の振替休日で、当時大学一年生だった自分は、どこかに出かけていて夕方帰宅し、何の気なしにテレビをつけたらやっていたのだ。
観始めたら目を離せなくなってしまった。
当時、デビューしたてで全く無名だった戸田菜穂の瑞々しい姿に、魅了されてしまった。
彼女にとっての初主演作品だったらしいが。
自分の中では衝撃的なくらい、良質なドラマとして記憶に深く刻まれた。
 
それ以来このドラマのことが忘れられず、心のどこかで観たい観たいとずっと思い続けてきた。
ソフト化もされておらず諦めていたのだが…
凄い時代になったものだ、思い立ってネット検索してみたら、全編を良画質で観ることができてしまった!
 
山梨のブドウ農家の一人娘である主人公の高校最後の夏休みを、同級生に対してずっと抱いていた淡い恋心を巡る出来事を通して描く。
恋心の対象となる同級生役に萩原聖人、戸田菜穂の仲良し三人組の友人に櫻井淳子(後に戸田とは「ショムニ」で共演)と大寶智子(ドラマや映画で時々見かける個性的な女優さん)、同じ高校の大人びたマドンナ的な存在の生徒役に桜井幸子(今は芸能界引退してしまったのね)が出演。
 
出演者たちと同世代の自分も当時は19歳。
アラフィフに差し掛かっている今となっては、当時と同じ気持ちで観ることはやっぱりちょっとできなかったかもしれない。
どちらかというと、主人公の父親(蟹江敬三)や母親(田島令子)の目線で彼女たちを観ていたかも。
 
シチュエーションがよいのだ。
夏の葡萄畑の美しさ、何の変哲も無い公立高校での二度と戻らない学校生活、思春期の娘を気遣う父母のさりげない優しさ、駅で待ち合わせて身近な「都会」である甲府へと出かける非日常、花火大会が近づく高揚。
すべてが素朴で、そして美しい。
手作り弁当だったり、貸した傘だったり、拾って大事に取っておいたキーホルダーだったり、エピソードはどれも他愛ないが、最後にショッキングな現実を主人公に突きつける。
切なくて心が苦しくなる、高校最後の夏休み。
だが、それも時が経てば他愛ないと笑って振り返ることができる。
そんな思い出を心の何処かに持っていれば、きっと幸福な人生を送ることができる。
コメント
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