昨日の続き。
日経朝刊「経済教室」、「グーグル・ヤフー提携を考える」シリーズの「下」は、林紘一郎・情報セキュリティ大学院大学学長。
グーグル・ヤフーの提携が、独禁法が禁じる「私的独占」「不当な取引制限」に該当するかについては明確な判断が避けられています。
曰く「一定の取引分野における競争」を阻害しているかどうかは、「一定の取引分野」をどの範囲で線引きするか細部に立ち入った検討が必要であると。
昨日の記事で書いた自分の疑問も、競争している「市場」をもっと広く捉えたほうが実態と合っているんじゃないかという点にあったので、そういう意味では林氏の指摘と重なるところもあるのかなあ、と。
林氏は、そういう論点よりもむしろグーグルの経営者のメンタリティに関心があると云ってます。
「技術的な可能性をトコトン追求し、仮に弊害があればその後で対策を考える」というグーグルの”オプト・アウト”志向は、クロード・シャノンの「情報理論」の正当な末裔であるように思えるとのこと。
個人的にはこういうグーグルの行動様式は嫌いじゃないんですが、林氏も指摘するように世間の「常識」とは間違いなく衝突するし、どこで調和を取るのかは難しい問題ですね。
ちなみに林氏は「グーグルの行動すべてを擁護するつもりはないが」という留保付きながら、グーグルのリスクテークの姿勢には評価を与えています。
以下、引用。
セキュリティの専門家であろう氏の言葉には肯かされるところがあります。
いま、日本企業は自信を喪失し、ひたすら「コンプライアンス」を「法令順守」という意味だけでとらえて、内向きの経営を続けている。株式会社はもともと、多くの出資者がリスクを分担して大プロジェクトを可能にする仕組みであった。そしてセキュリティーとは、ゼロにできないリスクにどう対応したらよいか考察するものであった。ところが、日本では「ひたすらリスクを避けること」に変化してしまっている。
日経朝刊「経済教室」、「グーグル・ヤフー提携を考える」シリーズの「下」は、林紘一郎・情報セキュリティ大学院大学学長。
グーグル・ヤフーの提携が、独禁法が禁じる「私的独占」「不当な取引制限」に該当するかについては明確な判断が避けられています。
曰く「一定の取引分野における競争」を阻害しているかどうかは、「一定の取引分野」をどの範囲で線引きするか細部に立ち入った検討が必要であると。
昨日の記事で書いた自分の疑問も、競争している「市場」をもっと広く捉えたほうが実態と合っているんじゃないかという点にあったので、そういう意味では林氏の指摘と重なるところもあるのかなあ、と。
林氏は、そういう論点よりもむしろグーグルの経営者のメンタリティに関心があると云ってます。
「技術的な可能性をトコトン追求し、仮に弊害があればその後で対策を考える」というグーグルの”オプト・アウト”志向は、クロード・シャノンの「情報理論」の正当な末裔であるように思えるとのこと。
個人的にはこういうグーグルの行動様式は嫌いじゃないんですが、林氏も指摘するように世間の「常識」とは間違いなく衝突するし、どこで調和を取るのかは難しい問題ですね。
ちなみに林氏は「グーグルの行動すべてを擁護するつもりはないが」という留保付きながら、グーグルのリスクテークの姿勢には評価を与えています。
以下、引用。
セキュリティの専門家であろう氏の言葉には肯かされるところがあります。
いま、日本企業は自信を喪失し、ひたすら「コンプライアンス」を「法令順守」という意味だけでとらえて、内向きの経営を続けている。株式会社はもともと、多くの出資者がリスクを分担して大プロジェクトを可能にする仕組みであった。そしてセキュリティーとは、ゼロにできないリスクにどう対応したらよいか考察するものであった。ところが、日本では「ひたすらリスクを避けること」に変化してしまっている。