そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

ノーベル賞ってそんなに価値があるものなんだろうか?

2009-10-10 23:20:27 | Society
オバマ政権の負担に?…平和賞で広がる戸惑い(読売新聞) - goo ニュース

ノーベル賞でもアカデミー賞でも芥川賞でも、「賞を獲ったから価値がある」という考え方には個人的には多大な違和感を憶えます。
それって典型的な思考停止なんじゃないかと。

そもそも、その賞が「権威がある」とされる所以はどこにあるのか?
イチローの安打数や打率のように明確な数値で現れない価値を評価するモノである以上、結局は「誰が」「どのように」評価して受賞者を決めているかに帰結するものなのだと思います。

なんでも、ノーベル平和賞はノルウェーの国会が任命した5名の委員が選考しているそうな。
具体的にどんな人物が委員になっているのかは寡聞にして知りませんが、まあ普通に考えて、選考委員の顔ぶれに賞の権威の源泉を求めるのは難しそう。
となると、賞の歴史というか、長年に亘ってこれまでにどんな人物を受賞者に選考してきたのか、に権威の源泉を求めるしかないと思います。
しかし、平和賞のような性格の賞であればなおのこと、政治的立場によって評価が180度異なる人物を選んでいくわけだから、万人が認めるような人物を選考し続けることは困難。
結果、ノーベル賞の他分野に比較しても、価値の安定しづらい賞にならざるを得なくなってしまう。

で、オバマ。
受賞の報を知ったときの第一印象は、なんだかミーハーな選択だな、というものでした。
確かに「核なき世界」への志向を表明したことはエポックメイキングだとは思う。
が、言われているように、まだ何も成し遂げていない段階であるのは事実だし、多少旬は過ぎたとはいえ、アイドル的に扱われ、世界で一番有名な人物であるかもしれないオバマに飛びついてしまうのは、賞の「軽さ」を印象付けるような気がします。
世に知られていないながらも国際平和のために地道な活動をしている人物にスポットを当てる、そんな賞であるべきではないかと。
コメント
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