そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「輸出型」が縮む未来

2008-12-17 23:52:32 | Economics
月曜は泊まりの出張で札幌に行ってました。
あまりに寒くて外出する気も起らず、やることがないのでビジネスホテルの部屋でテレビを見て過ごすしかなく。
NHKスペシャルで、非正規雇用にセーフティーネットが利かないことをテーマにした特集をやってました。

ここのところ国内の話題は、派遣切りや雇い止めの話ばかり。
つい先日まで史上最高益などと騒がれていた、トヨタやキャノン、シャープなどの日本を代表するメーカー大企業が雇用調整の先頭を切っている。
実感なき「戦後最長景気」を支えていた、これら輸出型製造業が、世界的な金融危機に際して、日本においてイの一番に逆風にさらされている。
そして、これら輸出型製造業にガタがくることで、国内の経済は急激な落ち込みを見せている。

これらの現象は、とても深刻な含意を示しているように思えてなりません。
金融危機による欧米や新興国での景気後退に伴う外需の冷え込みと、円高による採算悪化により、日本経済を支えてきた輸出型製造業は一気に勢いを失った。
つまり、これらの自動車メーカーや電機メーカーにとって、日本の国内市場よりも海外市場のほうがずっとずっと大きな重要性を持っているという構図がすでに成立していたということを意味しているのではないか。
そうだとすると、中長期的なスパンでみると、これらのメーカー大企業は、国内で製造して輸出する形態よりも、海外において現地で製造して現地で販売する形態へと次第に移行していくことが合理的な選択、ということになっていくのではないか。
現地製造、現地販売なら為替リスクも無いし。
日本経済を支えてきた、これらの製造業が日本を捨てて海外へと移転していったら、あとには何が残るのだろうか。

そんな明るくない未来が、なんだか見え隠れするような。
そんなことをぼーっと考えながらテレビを眺めていた札幌の夜でした。
コメント
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