そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「一葉」 鳥越 碧

2005-06-19 17:52:25 | Books
一葉 (講談社文庫)
鳥越 碧
講談社

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樋口一葉の生涯を描いた長編小説。

樋口一葉がどのような人物だったのか、知識がなかったので、どちらかというと伝記的な情報を求めてというのが読んでみようと思った動機だった。

だが(良い意味で)意に反して、この本は単なる伝記ではなく、一人の女性の短い一生を描いたたいへん素晴らしい大河小説であった。
「あとがき」に自ら書いている通り、作者は少女の頃から一葉に対して強い憧れを抱いていたという。その想いがとても強く伝わってくる。この小説における夏子(一葉)への丹精な描きこみとして結実している。
樋口家の歴史からもたらされる境遇をバックグラウンドとして、夏子が何を思い何を求めてその短い生涯を生きたのか、繊細で正確な描写は説得力を持っており、ここまで生き生きとした人物像を形作られていることに驚きを感じたほど。

士族の娘として育ったことへの矜持、思いがけず戸主となったことに対する責任感、それらとは裏腹に隠し切れないひとりの女性としての情欲、書くことに対する心の底からの憧憬と欲求。そして、自分が魅力を感じるのは何より、夏子の人生に対する高潔さと真摯な姿勢である。僅か25年に満たず、閨秀作家としてまさにこれからというタイミングで、彼女の人生が終焉を迎えてしまったことは悲劇ではあるが、その高潔さ、真摯さが損なわれない若さのまま、樋口夏子という人間像が永遠に残されることは実は幸せなことでもあるのかもしれない。
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母子手帳

2005-06-19 01:47:42 | Diary
土曜日でも開いている区の出張所に母子手帳を貰いに行ってきた。

ヨメのつわりは重い状態が続いている。
今週の木曜は朝会社に行くことが出来ず、遅れて出勤したにも関わらず、職場の最寄り駅で歩けなくなり会社の人に車で迎えに来てもらったり。
何も食べられない、というほどではないのでまだ良いのだが、魚介類・乳製品は全く受け付けず、食べるのはトマトや果物中心。カレーやうどんなどは少し食べられる。
一度にたくさんの量を食べられないのですぐお腹が空く、お腹が空くと気持ち悪くなる、の繰り返し。
つわりというのも人によって思い軽いがあるようで。ヨメの友人には、何も食べられなくなって入院して点滴を受けた人もいるとか。ヨメの場合、お母さんも重かったそうなので体質を受け継いでしまったのか。
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薄氷の決勝T進出

2005-06-19 01:27:24 | Sports
ワールドユース豪州戦は引き分け、決勝トーナメントへ (読売新聞) - goo ニュース

あんなGKのワンミスで決勝T進出を逃していたら・・・と想像するだけでちょっと背筋が寒い。アテネ五輪でも決勝Tまで行けなかったし、若手の世界大会で敗退が続くと、日本サッカーの将来に悲観的にならざるを得なくなってしまう。コンフェデで世界との差を痛感せざるを得ない雰囲気になりつつある状況だけに。その意味で、意地で同点に持っていった気迫あるプレーを素直に喜びたい。

このユース代表チームの試合をちゃんと観たのは初めてだったので何とも言えないけど、この試合に限ってはあんまり魅力的なチームであるようには映らなかった。
攻撃面で平山の高さに頼りすぎ。それでいてその肝心な平山が決定的場面を外しまくり。
パス回しが華麗というわけでもないし、味方同士の距離が近すぎて被ってミスする場面がやたらと目に付いた。
決勝トーナメントに期待します。
コメント (2)
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