ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

グエイ公園のホアキン・ベラオ

2010-11-16 | つれづれなるままに



バルセロナに友人がいます。
ボストン時代のTОの同級生でバルセロナ出身。
クリスといいます。

彼はスペインの名家の出て、いわば天才型。
飛び級をし、国王じきじきにメダルを授けられた過去を持つ超秀才ですが、
人間的にも実に魅力のある人物で家族ぐるみで仲良くしていたころは
人見知りする息子がすっかりなついていました。

クリス自身大家族の一員で一番末の弟が息子と同い年だったせいもあり、
息子はかれからずいぶん愛情を注いでもらいました。

大学卒業時に
「ぜひバルセロナに来てよ」
と言われていたので、日本人と違って「社交辞令」ではこういうことを決して言わない
スペイン人のお誘いだから、と本当に遊びに行ったのです。

旅をするからには挨拶くらいは現地語で、という家訓に則り、いつも直前に猛勉強します。
昔、日頃全く勉強せず、試験前の一夜漬けでなんとかなっていた
学生時代の土壇場勉強法は今も健在。
知り合いの紹介でメキシコ人にスペイン語を2ケ月教わって行きました。
一家の通訳係は英語圏を除きいつも私です。
しかし、旅行が終わればすぐさまきれいさっぱり忘れてしまい、
現地でクリスを感嘆させた一夜漬けスペイン語も、今覚えているのは

「ウナス・タパス・サブロサス」(美味しいおつまみ)

だけ。
何の役にも立ちません。

エリス中尉、実家が神戸なのですが、このバルセロナという街、
オリンピックでご覧になって御存じの方は、
もしかしたら海沿いの明るい雰囲気が神戸のようだと思われたかもしれませんね。
海に山が迫っていて、街全体が太陽に包まれている様子が
まさに神戸のようで、すっかりこの街のファンになってしまったものです。

そして、街中いたるところにある歴史的建造物。
そう、ガウディの建てた(今も建造中)サグラダ・ファミリアも。
この建築にあたる主任は日本の方らしいですね。

天才建築家ガウディの遺したものは、バルセロナのあちこちで観光名所となっているのですが、
本日表題のグエイ公園もその一つ。

園内にはガウディの家が資料館のように移設されて見学できます。
ガウディはこの公園のデザインを全て手掛けたほか、入口にある今日画像のかわいらしい
「ガウディとかげ」も、この公園のためにガウディが作った、人気の「ゆるキャラ」。

ここにはそれこそ世界中から毎日のように観光客が訪れるので、
それを目当てのストリートパフォーマーがたくさんいるのですが、
驚くことにそのレベルの高いこと。

ストリートミュージシャンといっても、ヨーロッパの国らしく、ジャズよりクラシックが多いのですが、
何しろ思わず聴きいってしまうくらい実力のある演奏者が、いたるところで演奏しているのです。
クリスに聞くと、誰でも演奏できるわけではなく、おそらくオーディションがあって、
それを通らないと市当局の許可はもらえないということでした。

アコーディオンでヴィヴァルディの「四季」全曲を演奏していた音楽家のCDと、
何故かバロック時代の扮装で演奏していたコントラバス奏者のCDを買って帰りましたが、
あらためて聴いてもなかなかのものです。

公園内には曲芸師もいましたが、そのはか、スペインらしくフラメンコダンサーなどもいて、
一日でも滞在できるくらい楽しいのですが、勿論お店もたくさん。
手作りのアクセサリーなどが売られているも日本と一緒。



そのお店(と言っても地べたに布を敷いて商品を並べているようなもの)の中に、
不思議なデザインのアクセサリーを作って売っている人を見つけました。

写真のチョーカーのようなネックレス。
ヘッドにアメジストとジェットが嵌めこんであります。
これをしているとなぜかみんなに褒められるのですが、
特に知人のアメリカ在住絵本作家に褒められたときは嬉しかったですね。

この一風変わった、それも原石を惜しげもなく使った作風のアクセサリー売りのコーナーに
陣取って見ていると、なぜだかスペイン人がわらわらとたかってきて、
あっという間に押すな押すなの人気コーナーに。

実はエリス中尉は自他共に認める「招き猫体質」。
ガラガラのお店に一人でいると、何故か次々と人が入ってきて、お店の人が不思議がるほど
「いつのまにか満員御礼」状態になることがよくあるのですが、
ここスペインはバルセロナにおいても招き猫体質を発揮してしまい、
この少しアクセサリーにしてはお高めなお店が大賑わいになってしまいました。

このアクセサリーを売っている男性は、は自分で石を仕入れて磨き、デザインして、
こうやって製作したものをいろんなところで売っているということでしたが、
このデザイン、なかなかオリジナリティがあっていいセンスだと思いませんか?

日本に帰って、こんな感じの石を使ったオリジナルの手作りアクセサリーが
2万3万という値段をつけて売られているのを見て、
50ユーロもしなかったこのアクセサリーの方がずっとお洒落だわ、と思うこともしばしば。

スペイン出身のホアキン・ベラオというデザイナーがいます。

独特のデザインのクロスがトレードマークの、今や世界的なジュエリー・デザイナーなのですが、
このグエイ公園のデザイナーも、そのうちこの独特なデザインが誰かの目に留まって
有名になるかもしれません。

そのときは
「無名時代のホアキン・ベラオ(仮名)の作品持ってるの」と自慢しようっと。