ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

ディープ・オオサカ

2010-11-03 | つれづれなるままに
大阪に滞在していても、なかなか行かないのが冒頭写真の道頓堀。
何度かブログで言っていますが、神戸出身であるエリス中尉も、ここに来たことは数えるほどしかありません。

一口で関西と言っても、地域ヒエラルキーの厳に存在するのがまた関西の特徴、神戸人はたいてい大阪が嫌い。
用事で仕方なく行くけど、買い物はできればキタですませる、という傾向にあります。
ついでに言うと、京都人は「陰険で何考えてるか分からない」ということになり、京都という場所には敬意を払うものの、京都人の悪口を言うことも忘れません。

お互い悪口を言い合っている様子は、まるで東アジア三国の様子のようです。
まずい例えかな。


ミナミですら行かないのですから、ましてや通天閣の辺りなど言わば人外魔境の地、
(今、じんがいまきょうと打ったら出てきたのが「人が今今日」ですと・・・orz)
用事がなければ天王寺動物園と美術館以外に行ったことは無い、という神戸人が大方だと思います。


というミナミや天王寺区の人には失礼な書き出しをしてしまいましたが、このエネルギッシュで猥雑なディープ・オオサカ、遠くにありて眺めると、実に異国情緒があってエキゾチック。
関西住みのときは近親憎悪とでもいうべき嫌悪感すら持っていたものですが、今となってはバリや上海、香港を観るような「良くも悪くも一つの魅力的な街」という、暖かいまなざしになってしまうのです。

今回、道頓堀にお好み焼きを食べに行きました。
  

いいねいいねーと、おのぼりさんのごとく写真を撮りまくってしまいました。
「中国人観光客と間違えられるからヤメロ」
とTО。
はっ。そうか。

実は、この日「お好み焼きが食べたい!」
ということになったのも、おされでお高いセントレジスのお食事に飽きてしまったから。
ホテルのコンシェルジュに
「大阪一美味しいお好み焼き屋さんを教えるヨロシ」
と、尋ねたところ、道頓堀は千日前にあるお好み焼き屋さんを紹介してくれました。


 

左がネギ焼き、右が焼きそば。

色々楽しめるセットで、最初に出てきたのがここのお奨め山芋のお好み焼きだったのですが、あまりに美味しくて、はっと写真を撮ることを思い出したときには無くなっていました。


隣の席に座っていたのは、どうやら関西のテレビ関係者と、東京から来たプロダクションのグループ。
エリス中尉、こういう言葉の端々から職業を当てるのが異様に得意。

で、奈良出身のそのうち一人の知っているお店らしかったのですが、東京組がこのお好み焼きのおいしさにこれも異様に感動していました。
そう、確かに関東住みにはこの粉モノの美味しさを味わう場所も機会もない。
彼らの興奮は十分理解できました。
だって、美味しかったんだもん。おまけに安くて。

でも、お店の主人と思しき人が
「わいはこの道一筋や。うちのお好みは大阪一やで。文句は言わさへん」
みたいな硬派のオーラを出しまくっていて、少なくともアイソというものがつまみにしたくとも無く
「食べさせていただきます」「おう、食べてええで」
といった厳しい雰囲気を醸し出していたのは何故なんでしょうか。
TOはマヨネーズもソースもお店の人が最初にかけるだけで後はいちいち言わないといけないので
「美味しかったけど、ソースまで支配すんな。好みの分だけかけさせろ」
と少しおかんむりでした。

さて、この道頓堀、通称「ひっかけ橋」と言われています。
客引きとキャッチとナンパのメッカなんです。
我々があまりにお上り臭ふんぷんだったのか、3メートルごとにメニューを持った飲食店の客引きが寄ってくるのには少しうんざり。


くいだおれは閉店したのですが、かのくいだおれ人形は復活していました。第二第三のくいだおれやカニやフグを狙ってか、どぎついキャラクター(たいてい聞いたことも見たこともない)人形が氾濫していて、ちょっといや~な感じがしました。
「狙った」感じが見えすぎるのもいかがなものか。
「二度付け禁止おやじ」なんぞ、わたしゃ認めん。



狙ったといえば今回思わず買いそうになったのは「白い恋人」のパロディで、「面白い恋人」というお笑いの街大阪名物のお菓子です。
買わなかったので画像はありません。
ディープ大阪は、またヘンな表示の宝庫です。
え?何が可笑しいねん、て?
うーん、かなりヘンだと思うんだけど。
列車風、って言葉に何の説明もないのに何故か納得させられてしまう強引さ。

電車のドアに昔「指つめ注意」って書いてあって、関西以外の人から
「指つめって・・・ヤクザのあれ?」
と長らくいぶかられていた大阪市営地下鉄ですが、今回、英語表記がすごいことにになってました。

Please mind your fingers

Mind your step
という言い方はあるでしょうが(イギリス英語)
指は・・・
どう考えても
「あなたの指を気にしなさい」
「あなたの指を気に病みなさい」
って感じではないですか?
watch your step
で「足許注意」の一つのフレーズですが、
watch your fingers
って、絶対言いませんよね。

バイリンガルのうちの息子も「ヘン」って言ってました。
これ、もしかしたら「指つめ」級のヘンな表示じゃないのかなあ。
でも、あまりに堂々としていたので、もしかしたら私の知らない世界ではこういう言い方もあるのかしら、私の認識間違ってるかしら、という気がしてます。

そもそも、指に気をつけろってことをどうしても標語にしてドアに書かないと駄目なんでしょうか。


でも、こういう不思議な感覚がまかり通ってる大阪、関東に住んで慣れた身には非常に「おもろいとこ」に思えます。

あ!きっと「おもろい恋人」って読むんだろうなあ、あのお菓子。