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ベトナム〜令和元年度 自衛隊音楽まつり

2019-12-10 | 音楽

ところで、読者のあざらしロビさんが、どうやらわたしと同じ日に
音楽まつりに出撃されていた模様です。

矢印のところにおられるのがロビさんと奥様。
(右は夫妻肖像画)

ちょうどその向かい、貴賓席にわたしが座っていたことになります。
この写真で言うと、左側のふたりボックス席の右側がわたしです。

そうそう、後ろに座った人が黒い上着を掛けてきたので
目障りだなあと思っていたりしたんですよね(笑)



さて、音楽まつりの第二章2番目に登場したのは、
ベトナム人民軍参謀部儀礼団軍楽隊でした。

ベトナム社会主義共和国の国防を担当する軍事組織で、事実上、
国の正規軍として機能すると共に、ベトナム共産党が指揮する
「党軍」としての側面も併せ持っているため「人民軍」と称します。

ベトナムでは2年間の徴兵制を布いているので、陸軍だけでも
兵力は(あの小さな国で)46万人、海軍4万5千人、空軍3万人。

かつては総兵力170万あったそうですが、それでも日本の二倍であるのは
やはりベトナム戦争を戦っただけのことはあります。

ご存知とは思いますが、我が自衛隊は陸海空合わせて24万7千人です。

 

 

本日出演の軍楽隊は参謀部儀礼団ということなので、ベトナムとしては
常日頃国際儀礼などに音楽を提供するもっとも権威のある?
軍楽隊を投入してきたのではないかと思われます。

もちろんのこと音楽まつり初参加となります。

最初の曲は「ベトナム」
すごいタイトルですが、もし我が国に「日本」という曲があっても、
こんな感じにはならないんじゃないかという気がしました。

いわゆるアジアンポップス調で、歌詞の最初に「ベトナム」という
言葉が入っているのが聴いていてその場でわかります。

彼女は専属の歌手のようですが、軍服を着用しているので
アメリカ軍のように技術曹として採用されているのかもしれません。

歌が始まって8小説目には全体が星の形になりました。
これはもちろんのこと、ベトナム国旗の星を表しています。

赤い旗に黄色い星、中国と同じく共産党による一党独裁なので、
国旗からもわかるように「ミニ中国」という面もあります。

まあ、親分と違って覇権主義でもないし民族弾圧もしてませんけどね。

おそらくベトナム軍には、会場がこんなに広いことは
伝わっていなかったと思われます。

広い会場の真ん中でマーチングも控えめ、アトラクション?
というのが、この新体操のリボンを綺麗どころがクルクル回すだけ。

ちなみにこの写真は予行演習の時のものです。

こんな広いところで固まらなくても、と初日見ていて思いましたが、
他ならぬ彼ら自身も他のバンドと比べて俺らちょっとしょぼくね?
と気づいたらしく、最終日に向けて少しずつ変化していくさまが見られました。

同軍楽隊はブラスバンドとして見た場合、ステップ一つとっても演奏そのものも、
正直言って「発展途上」という言葉が過ってしまうレベルでしたが、
それを補って余りあったのは、クルクルリボン隊のお嬢さん方の「レベル」でした。

二日目。どうよこれ。

音楽隊とは関係ないところから綺麗な人を選抜して
吹奏楽先進国であるアメリカと日本のステージに対抗しようとしたのか、
それは知りませんが、会場のカメラマンは楽団員には目もくれず(そらそうだ)
このお嬢さん方の写真を撮りまくっていたと思われます。

こちらもなかなかよろしい。
彼女はHoang Thi Dungさんとおっしゃいます。

わたし的に一押しの美女はリー・チー・ドゥンさん。
っていうか皆同じ名前なのはなんでなんだぜ。

全員が全員、完璧な歯並びを惜しげもなく見せるため、
にっこりと微笑みながらお仕事をしています。

まあしかし、望遠レンズを覗いているカメラマン以外には、
あまりにも会場が広すぎてそもそも女性が綺麗かどうかもあまり伝わらず。

しかも予行練習日は、何を思ったか、お嬢さん方、
軍服のパンツスーツという空気の読めなさ。

彼らが儀礼用の全身白の制服で演奏したのはこの日だけでした。

こちらが二日目の同じパートの写真です。
自己反省したのか、どこかからご指導が入ったのか、
楽団は赤いベレーにライン入りの制服に着替え、
タンバリン隊はミニスカートということにしたようです。

まあ普通そうなる罠。

 

二曲目のタイトルは「ライスドラム」

イントロはまるでディキシーランドジャズみたいな出だしなのに、
それに続くのは

「♫と〜れとれ ぴ〜ちぴち かにりょおり〜」

みたいなフレーズで、西洋風音楽理論に拘らない(笑)形式の曲。
ベトナムで有名な民族音楽だと思われます。

ベトナムはフランス領の時代が長かったので、特に料理は
大変洗練されていると聴いたことがありますが、音楽は
古来より伝わる雅楽などもいまだに継承されているそうです。

このバンドの演奏で全てを推し量るわけではありませんが、
音楽については民族色の強い傾向が浸透しているように見えました。

しかし、音楽まつりではむしろこういうのを聴きたいですよね。

最後に全員で円を描き、手を胸にお辞儀をしましたが、
ベトナム軍の赤い帽子で描いた円、そしてこの日本式挨拶は
日本に敬意を表した演出だったと思われます。

指揮は音楽隊長ファン・トゥアン・ロン中佐
袖の二本線は全員がつけているので階級章ではありません。
階級は肩章で表されます。

クルクルリボン隊は中佐が敬礼をしている時もクルクルしていましたが、
そのまま回しながら退場していきました。

さて、3回目の最終日の同隊ステージです。

二日目が終わって、「まだまだいかん」と鳩首会談を行った結果
(たぶん)彼らは演技にさらなる軌道修正を加えることにしたのでしょう。

最終兵器のアオザイを投入してきました。

長いパンツはもちろん、ミニスカートでもまだパワーが足りない!
ここは世界で最も女性をセクシーに見せるといわれるアオザイで一発逆転や!

ということになったのだと思われます。

一応衣装は一式持ってきていたけど、様子見してたんですかね。
それともベトナム同胞の集まりのために用意してきたのを出してきたか。

全てを覆い隠しながらも体の線を際立たせずにいられないデザイン、
切れ込みが脇の下まで入って素肌がチラリズムというのもあざとい、
いや、心憎い。

椰子の木の下でデートをする二人。伝統的な模様なのでしょうか。

三曲目の「勝利の行進曲」は、8×5に並んだ部隊が8小節ごとに
向きを四方に変えて演奏をするという今時珍しいフォーメーションでした。

いや、フォーメーションというものでもないか。

というわけで日程後半にいくほどある意味評価うなぎ上りだった(多分)
ベトナム人民軍参謀儀礼団軍楽隊の演奏でした。

さて、続いての最終外国招待バンドはドイツからの出演となります。

 

続く。