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平成29年度富士総合火力演習 予告「来てはいけない人」

2017-08-25 | 自衛隊

今年も富士総合火力演習、通称総火演にいってまいりました。

前日2時半にうちを出て帰って来たのが夕方の6時半、ということで
昨夜は夢も見ずに爆睡したのですが、今日起きて写真を整理していたら
今回同行したイベント仲間からメッセージが来てこんなニュースを知りました。


【東富士演習場で男性が一時、行方不明 演習中止に】

24日、静岡県御殿場市の東富士演習場で男性が一時、行方不明になる騒ぎがあり、
夜間に予定されていた陸上自衛隊の演習が中止となりました。

東富士演習場では24日、陸上自衛隊による国内最大規模の実弾射撃訓練、
「富士総合火力演習」の予行演習が行われていて、地元の住民などに公開されていました。
このなかで、静岡県浜松市に住む90歳の男性が行方不明になったと
一緒に訪れていた人から自衛隊に通報がありました。
そのため、陸上自衛隊は男性が演習場内に入った可能性もあるとして、
午後7時半から予定していた夜間の予行演習を中止しました。

その後、男性は自宅に戻っているのが見つかり、25日から演習は予定通り行われます。

 

こんなとほほな事情で中止になるとは、夜間演習を楽しみにしていた人たちも
怒りを通り越してがっくりでしょう。

わたしは去年夜間演習のチケットをいただき参加しました。
昼間の演習を見学終了後、御殿場市内で夜まで時間を潰し、
早めに列に並んだおかげで最上段に座ることができたのですが、
(例によってお仲間の無謀とも言える作戦立案の成果)もしあの苦労が
今年のようなことがあって無駄になっていたらと思うと・・・。

暴動を起こさなかったこの日の観客の民度を賞賛せずにはいられません(笑)

 

要はおじいちゃん(かなりの確率でボケていると思われ)が勝手に会場を離脱して
勝手に帰宅していたのに、携帯など持っていないので連絡が取れなかったと。

心配した同行者が自衛隊に連絡したところ、それが90歳の老人であることから、
どこに徘徊しているかわからない(つまり演習所にフラフラ入り込む可能性あり)
と自衛隊も判断したため、当人が見つかるまで演習を中止にしたと。

自衛隊の判断としては、当然のことだったといえます。

しかもこれ、

その後男性は自宅に帰っているのが見つかり

って、家族が家に帰ったらいたってことですよね?
お風呂に入ってさっぱりした(かどうかは知りませんが)じいちゃんが。

「あー!おじいちゃん帰ってたの!何で黙って帰っちゃうの!」

と驚き呆れながらもホッとした家族は慌てて自衛隊に連絡し、平身低頭
(かどうかは知りませんが)で謝ったということが想像されるのですが、
おそらくその連絡を受けるまで、東富士演習場では何十人(もっとかな)
単位の自衛官を導入して必死の捜索活動をしていたと思われるのですよ。

本人生存(笑)の報を受け、その後陸自では状況終わりとなり、
何事もなく終わったわけですが、自衛隊側から見るとこんな迷惑な話はありません。

そもそもこんな騒ぎの責任は、皆さん誰にあると思いますか?

おじいちゃん?

ではありません。
90歳の老人を総火演に連れて来たという同行者です。

本人がたとえ今生の思い出に総火演を見たいと言い張ったとしても、
(かどうかは知りませんが)

「いや、あそこは90歳の人にはきつすぎるからやめといたほうがいい」

と諌めてでも参加を阻止するべきだった、周りの人たちです。

きついというのは体力的なことだけをいうのではありません。
要するにこの老人は大混雑の現場ではぐれて、とっとと帰ってしまっていたのでしょ?

そこで同行者に連絡を取ることもできないような判断力のない老人を、
そもそもこんな場所に連れてくるなって話です。

・・・こんな場所。そう、こんな場所です。

総火演が「どんな場所」だか全くわからないで来ている人というのを
わたしは過去何回かの総火演体験で見て来ました。

自衛隊広報は、総火演がどんなに過酷で老人子供に不適切な場所かを
もう少し広報すべきだと思いますが、ここでわたしが心を鬼にしていいます。

1、老人は来るな

2、乳幼児を連れて来るな

3、ハイヒールで来るな

4、マナーを守れない者は来るな

 

1、老人は来るな

老人というのは本人に自分が衰えているという自覚がありません。
体力はもちろん判断力も加齢によって若い頃より低下しているのに、
本人は自分だけは大丈夫だと過信して、安易な気持ちでやってくる。

そして、今回のようなことをやらかすのです。

観艦式の時に、艦上で倒れた年配の方がいましたね。
すぐさまヘリから病院に救急搬送され、自衛隊の危機管理能力の高さに
現場にいた人は拍手を送ったということですが、結局その方は亡くなったと聞きます。

亡くなった方には失礼を承知で言いますが、そういう可能性が少しでもあるなら
そもそも観艦式などのイベントへの参加は自重するべきではなかったでしょうか。

 

3、ハイヒールで来るな

上の写真は演習場となっている正面の会場に駐車場から歩いていく道です。
黄色いロープの仕切りは、各駐車場に向かうバス待ちの列ごとに分かれているからで、
ここを歩かねば、全ての人は入場も退場もできません。

もちろん政府関係者や特別招待客などで、駐車場に迎えが来ていたり、
車で会場の真ん前まで連れて来てもらえる人は別ですが。

で、この道が、5センチ台の大きさの砂利がゴロゴロしている坂道で、
急いで歩いても15分はかかる距離です。

 

今回杖をついて歩いている人が、途中で立ち止まってゼイゼイ言ってるのを見ましたが、
会場に着きさえすればもう大丈夫、というわけには行きません。

冒頭の写真は朝7時半の画像。
シート席の人たちは自衛官に誘導されて順番に前列から座っていきますが、
ここでは携帯椅子も使えませんし、足も伸ばせず、炎天下で全く影がありません。
雨が降って来ても傘をさすことはできませんし、一旦座ってしまったら
席を立ってトイレに行くのも人混みで一苦労という環境です。

わたしは今回、駐車場の開門を4時過ぎから待っていました。
もちろん同行者はこの前の時間からスタンド席の列に並んでいます。

2、乳幼児を連れて来るな 

6時に駐車場からのバスが発車し始めました。
しかし、このバスで会場に着いた時にはスタンド席待ちの列はいっぱいでした。

ところで、お恥ずかしい話ですが、この時わたしはバスに乗ってから

カメラを車の中に忘れているのに気づき、

同行者にチケットを渡して入場し、席を確保してからもう一度
駐車場にバスで取りに戻りました。

朝なのでわたししかいないと思ったら、同じバスに、

「来てみたけれどやっぱり帰ることにした」

という乳幼児連れのお母さんが乗っていました。

英断です。

どんなところか全くわからず家族で来てみたものの、
喃語でうにゃうにゃいうだけの歩けない人間と一緒にこの環境では、
親子共々とても1日保たないと判断したのでしょう。

バスの中で、女児がパパー、というと、母親はスタンドを指して

「パパあそこにいるよ」

と言っていたので、おそらく父親は現地に残ることにしたようです。
これ、多分お父さんが来たかっただけなんだろうな。
どんなところか知っていたら最初から一人で来てたんでしょうけど。

もちろんベビーカーなど使えないので、(物理的にも規則的にも)
お母さんは会場から足元の悪い砂利の坂道を子供を抱いてよたよたと降りて来て、
まず自分がトイレに行っている間バス会社の社員に子供を抱っこしてもらい、
バスに乗ったら今度は子供を座席(しかも最前席)に置いたまま、

・・・なんと携帯でメールを始めました。

バスの運転手は横目で赤ちゃんがシートの上でウゴウゴしているのを見ながら、
ビクビクという感じで時速10キロで這うように運転しています。

見かねて、

「お母さん、お子さんそこで大丈夫ですか?抱かないと危ないですよ

と声をかけると、彼女はすみません、と言って赤ん坊を膝に抱きました。
会場から離脱するだけでも女手一つではあまりに大変だったので、
バスに乗ってホッとして、少しだけでも手を離したくなったのでしょう。

そこで携帯というのは常識的にどうかとは思うものの、わたしも
子育て経験者として、彼女のこの時の気持ちは痛いほどわかりました。

 

しかしだからこそいいます。乳幼児は連れて来るな。
いや、乳幼児がいるなら参加はもうその時点で諦めていただきたい。

子供を空気も振動するような戦車発砲の轟音に晒したり、火砲の煙火を見せたり、
炎天下で日よけもない直射日光の下に長時間居させるなど言語道断です。

 

去年、ミニスカートで12センチのストームヒールのサンダルを生足で履き、
しかも3歳児の手をひいて歩いていた母親を目撃しましたが、
これなどここに来てはいけない人の標本みたいなもんです。

本人だけが辛い思いをするならそれは自業自得ですが、
判断力のない子供を親のエゴで虐待するな!と言っておきます。

 

これはわたしが忘れ物を取って帰って来た時、8時半の様子です。
シート席に座るつもりなら、この時間でも10時ギリギリでも同じです。

むしろ、早くから来てずっと地べたに座っているのがしんどいのなら、
9時ぐらいに来てシートの後ろの方に座った方がましかもしれません。

しかし、こういうイベントでいつも思うことですが、老人(男)の
マナーの悪さ、これは眼に余るものがあります。

4、マナーのない者(老害)は来るな

これも、自分がマナーがないということを自覚している人はいないからねえ(笑)

観艦式でも不愉快なマナー違反をするのは必ず団塊の世代のカメラ持ち男性でしたが、
こういう過酷なイベントで、自分だけが少しでも楽をするため、
自分勝手な振る舞いをして恥じないのはこれもなぜか必ず団塊老人です。

会場は最終的にはこんな状態になります。

これは後段演習の一番最後のシーンですが、シート席に空きがあるのは
前半終了後混雑を嫌って帰ってしまう人が結構いるからです。
しかし、フェンスの向こう、通路は立ち見している人がぎっしりいる状況。

シート席は、始まる前にも予行演習中も、自衛官が誘導して順に座らせていくのですが、
誘導を待たず、勝手に自分の好きな場所に座ってしまう人が必ずいるのです。

今回も二人の男性を目撃しました。

誘導の自衛官がやってきて、ちゃんと順番に並んでください、と注意するのですが、
見ているとなんやかんやと寄ってたかって言い返し、根気よく説得する自衛官に
逆に食ってかかり、果ては無視を決め込んで居座り続ける構え。

「あれ、どうなるんでしょうね

上から見ていたわたしたちですが、結局自衛官は根負けしてしまいました。

「あーあ、ごね得だ」

「自衛官もそれ以上強くいうことができませんからね」

「故意犯ですね


独自のルールで、勝手に階段の通路に座り込む輩も全員が団塊です。

前段演習が終了した頃、入り口で立っていたその世代のおっさんたちが、
わたしたちの一角のスタンド席通路に上がってきてちゃっかり座りこみました。

警備の自衛官が『通路ですので』と注意しても例によって知らん顔。
わたしたちの周りに座っているのは全員が早くて前日の夜、遅くとも朝4時に現地入りして
ずっと座って並び、この高さのシート席を確保した人たちです。
皆が内心ムカムカしていたと思うのですが、一人の男性がついに声を荒げました。

「通路に座ってんじゃないよ!そこどけよ」

すると、最上段近く、前日徹夜組の横の通路階段に座っていた団塊夫婦の夫の方が

「みんな座ってるじゃないか」

と下3段くらいに座り込んでいる人たちを指して言い返したのです。
ちょっと信じられない図太さですが、自衛官と違って遠慮しない男性はそれに対し、

「みんなやってるって子供かよ!
あんたは誰かがやってたらって理由で人殺すのか!

と怒鳴りつけました。

「だいたいみんな何時から並んでここ座っていると思ってんだよ!

この決め台詞に、わたしを含め周りの人たちが一斉に頷く空気になり、
冷たい目で周りから見られるのに、さしもの団塊も堪り兼ねたらしく、
(というか奥さんがきっと我慢できなくなったんだと思う)
去って行きましたが、男性は容赦無く彼らを睨みつけ、

「あいつら、立ち見(つまりギリギリにきた)だったんじゃないか

といかにも厚かましい、といった様子で吐き捨てました。

「こんな場所」であることを知らず、始まる直前に来て見たら座る場所もない、
立って人垣越しに見るのは辛い、ということで我慢できず暴挙に及んだのでしょうが、
少しでもいいところで見たい人はそれなりの苦労をしているのだから、
ちょっとこういうのは遠慮して欲しかったですね。

周りも不快だし、皆の冷たい視線を浴びて観戦しても楽しくないでしょうし。
それに、前日徹夜組を怒らせたら、怖いよ(笑)

 

というわけで、もしこのブログを目にした方で、土、日の参加を考えている人、
少しでも自分を振り返って思い当たる節があるなら、悪いことは言いません。
総火演の参加はやめた方がいいです。

というかぜひやめていただきたい。

イベントが終わっても車で来たが最後、夕方まで御殿場市内は渋滞し、
高速に乗るだけで2時間はかかり(特に日曜日)ます。

行きの駐車場で、今や陸自にも出現したらしいトーキング系自衛官が

「本日はディズニーランド以上の大混雑が予測されます。
これは嘘ではありません。わたしは嘘をついたことはありません」

と何回も繰り返してみんなの笑いを誘っていましたが、
わたしも嘘は言いません。(嘘をついたことがないとまでは言いませんが)
幼児と老人と体力のない人には徹底的に優しくない過酷な現場、
甘い考えで行けばそれだけ痛い目を見る、それが富士総合火力演習の実態です。

 

さて、蛇足ですが、冒頭のテレビ朝日の案の定なニュースについて。

今回の演習中止は全く自衛隊に責任も落ち度もありません。
しかし、なんとなくこのニュースに自衛隊を非難する調子が含まれており、
しかも、最後にこんな一行をつけ加えずにはいられないテレビ朝日に、
わたしは「やっぱりマスゴミだわ」と嫌な意味で感心し、納得しました。

曰く。

「演習が行われている東富士演習場では先週、
訓練中のヘリコプターが不時着する事故が起きています

いや、この事故も知ってたけどさ。
ボケ老人が世間を騒がしたこととなんか関係あるのっていう。
今回迷惑かけられたのは自衛隊ですよ?

 

というわけで、参加報告の前にちょっとした苦言と提言を呈させていただきました。
それでは上記対象「以外」のみなさん、ルールを守って楽しい総火演見学にしましょう。

Have  A Nice SOUKAEN!