ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

アメリカのオーガニックスーパー ホールフーズ

2017-08-10 | アメリカ

 

アメリカ国内でホテルを決めるとき、いくつかのチェックポイントがあります。
車で動くのが当たり前なので、交通の便はあまり問題ではありませんが、
たとえ短期間でもキッチン付きのスイートと言われるタイプを選ぶこと、
そしてそこで料理をするために食材を買うスーパーマーケットが近くにあること。

しかしスーパーならなんでもいいわけではなく、オーガニック系のものとなると、
トレーダージョーズ、サンフランシスコのリアルフード、そしてホールフーズに限られます。

 

グルメ・フード、自然食品、オーガニック・フード、ベジタリアン・フード、
輸入食品、各種ワイン、ユニークな冷凍食品も品揃えし、
いわゆる「グルメ・スーパーマーケット」と呼ばれる
比較的高級志向の食料品小売店に分類される。

ホールフーズについて日本語のwikiでは大変簡単に書かれていますが、
わたしたちにとって、このスーパーマーケットの商品が占める食の割合は大変多く、
食材の出どころが明らかになっていて、オーガニックかそうでないかを
正直に店頭で示して売ってくれるホールフーズは、不可欠なのです。

もう一つ、ホールフーズに頼る大きな理由は、どこの店舗であっても
ホットフード、コールドフードなどを好きなだけパックやお皿にとって、
持って帰れるのはもちろん、イートインコーナーで食べることができること。
簡単に食事を済ませたい時に、こんな便利な方式はありません。

 

デリは中のキッチンで作ったもので、その内容はお店によって千差万別。
西海岸はヒスパニック系や中国系が多いせいか、豆料理やタコスの中身、
スパニッシュライス、チャーハン、焼きそばが並ぶ店もあります。

サラダは好きなだけとったらゴマやおかき(!)のトッピングをかけて、
各種ドレッシングやオイルで調味することもでき、どちらも
お皿をそのままレジに持っていくと、レジの下にスケールが内蔵してあるので
それで重さを計ってお値段を出してくれます。

ちなみに、アメリカにしてはこのフードケース、安い値段ではありません。

高級スーパーなので当然ですが、貧民層には高くて手が出ないのもありますし、
そもそもそういう地域にはホールフーズは出店をしないのです。

テキサス州で個人が始めた小さなオーガニックスーパーが発祥である同マーケットは、
西海岸での第1号店をシリコンバレーの超高級住宅地、パロアルトに出しました。

それ以降の店も、いわゆる裕福な層が住む地域にのみ展開しており、
ホールフーズがあることがその地域のグレードを表すと言っていいくらいです。


しかし都市部の店舗はどうしてもいろんな人が紛れ込んでくることになり、
わたしはこれまでサンフランシスコ市内に2店舗あるホールフーズのデリで、
一度は明らかにホームレスがフードケースの周りをうろついて、
人目のないのを見計らって手づかみで口に放り込んでいるのを、
もう一度はレジを通さずにテーブルで堂々と食べ物を食べていた男に、
ピストルを持った警備員が詰め寄っているのを目撃しました。

日本では考えられないほど底辺のモラルが低い国ですので、
こういうことを避けたければ都市部に展開しないのが無難なのはわかっていても、
営業的には痛し痒しなのかもしれません。

さて、今日は今回の滞米中訪れたホールフーズでみた食べ物をご紹介します。

アメリカのスーパーはどこも巨大なので、「普通」のスーパー「セーフウェイ」でも
「ウォルマート」でもエスニックフード、特に健康食の豆腐を扱っていますが、
やはり「オーガニック度」が高くなるほど、豆腐の占める場所は大きくなります。

我が家は朝ごはんに豆腐を食べることが多いので、アメリカでも買いますが、
アメリカの豆腐はどういうわけか「ファーム」(硬い)スーパーファーム(超硬い)
が主流で、日本の絹ごしのようなソフトなものはありません。

左の豆腐はこの写真を見ただけで岩のように堅そうなのがわかりますね(笑)

この「 NASOYA」という会社が出している文字通り「SILKEN」が
一番絹に近いですが、それでも我々の感覚では硬い感じがします。

絹ごし豆腐には、「これでスムージーもできますよ」と言いたいのか、
とても豆腐のパッケージには思えない写真が・・・・。

豆腐とくれば味噌。
わたしは使いきれないこともあり、アメリカの滞在では味噌を買ったことはありません。
この「ミソマスター」のおじさん印の味噌は、住んでいた時に買ったことがあるような。

感心なのは、白味噌、赤味噌、メローホワイト味噌(黄色いの?)
と各種取り揃えていることです。
上の段のサウスリバー社製品には「ひよこ豆味噌」もありますが、
果たしてひよこ豆を使ったものを味噌というべきなのかどうか・・・。

味噌はいずれも10ドルから12ドルと結構高額です。

ちなみに、「ミソマスター」の会社は「グレート・イースタン・サン」。
なかなか日本に敬意を払っているようでよろしい、と思いきや

何世紀もの間、日本の職人は天然発酵を使って大豆や穀物をさまざまな味の味噌に変えました。
(略)日本の味噌メーカーは玄米を使って味噌を作ったことがないので、
「伝統的」という言葉は使われていませんが、

日本人が玄米味噌を作ったことがないって・・・味噌で顔を洗って出直してこい!

これは、マウンテンビューのいつもいく巨大なホールフーズで見つけた新しい飲み物。
ここは、オレンジジュース絞り器を設置していて、スイッチをひねりボトルを下に置くと
いくつものオレンジがガーーーー!っと粉砕されて超フレッシュなジュースが買えます。
つくづくカリフォルニアって果物がやすいなあと思わずにはいられないわけですが、
この新商品、ただの水(おそらく)に果物やミント、キュウリを入れて売っています。

ほんのり味がついた水を楽しむってことなんだと思いますが、しかし売るかねえ。
ちなみに商品名は「スパウォーター」。

これは今回ボストンで初めて見つけた「代替米」的なもの。
ブロッコリーやカリフラワーを米粒の大きさに粉砕したもので、
これを炊いてご飯の代わりにしましょうという考え。

まあ確かに

「ご飯に似たのがブロッコリー」

という歌もあるくらいで。
今調べたら、ブロッコリーをご飯がわりに、というのは日本でも広まっている模様。

こちらは代替パスタ。
ボストンのニーマンマーカスのレストランに行ったら、ズッキーニで
パスタを仕上げたお料理があり、結構美味しかったのですが、
ここでは、右側のオレンジのが「スィートポテト」、
左の黄色いのが「サマースクァッシュ」となっています。

サマーなんちゃらは日本では「ペポかぼちゃ」というそうですが(可愛い)
かぼちゃというより黄色いズッキーニみたいな感じのものです。

そういえば日本でもそうめんカボチャってのがあったわねえ。
あれはカットしなくてもそうめん状になっておりますが。

レジの近くにも、いろんな商品があります。
バーベキューに必要なチャコールは、必ずレジの近く。
アメリカの家庭ではバックヤードがあればバーベキュー、なくてもベランダでバーベキュー、
家になければ公園でバーベキューと、もう親の仇のようにバーベキューを行うので、
チャコールは普通のスーパーでも買うことができます。

で、バーベキューを焼くのは「男の仕事」。
なぜかアメリカの父親は芝刈りとバーベキューをしないなんてありえない!らしく、
バーベキューでは一人がグリルに張り付いてせっせと肉を焼く係をします。

我々は自分の食べたいものを自分で焼けばいいじゃないかと思うのですが、
彼らは基本的に食べる人は調理をしない、というのが常識らしいですね。


この写真は、レジ横の雑誌コーナーが気になったので撮りました。
今回わたしはホールフーズの雑誌コーナーで、

「BATTLE OF THE ATLANTIC」

という写真ムックを見つけて買ったように、侮れないものがあります。

注目していただきたいのは下段のヤギさんが笑っている(よね)写真の

「モダーン・ファーマー」

という専門雑誌。
日本でもこんな雑誌があるのかどうか知りませんが、今月号の特集は

「あなたのヤギを手に入れる!」

ヤギなんて美味しくもないミルクをとる以外農家になんのメリットがあるんだろう、
と思い、つい中をパラパラ見たところ、

「ヤギはミルクも取れるし可愛いから飼う価値があるよ」

みたいなことが大特集で熱く語られていました。

可愛いかどうかとミルクが美味しいかどうかを別にして、
別に特集を組んでもらわなくってもそんなことは知っとる。 

とは思わない人が買うんだろうな。

ワインなどのお酒も普通に売っています。
これはジンのコーナーですが、「ワイルダージン」のラベル、
佇むスナフキンとくまさんのシルエットが目を引きました。

もっと目を引いたのがこれ。
「FUGU 」というお酒のボトルに描かれたのは紛れもなくフグ。

なぜウォッカが「フグ」なのか、しかもウォッカの「ハバネロ」とは何か、
確かめようにも飲むこともままならないわたしには永遠の謎です。

このようにアメリカには、わかってるのかわかってないのか、

「なぜそこにその名前を」

と首をひねってしまう日本語の商品名が存在するのですが、
パロアルトの「ウマミ・バーガー」のように納得できるものもたまにあります。

日本には存在しない「ライスクラッカー」。
なんのことはない、ポン菓子を固めてセンベイ状にしたもので、
アメリカ人はライスクラッカーというとこれだと思っております。

甘みはなく、日本のせんべいのように化学調味料も使っていないので、
これはこれとして、おやつに時々食べていました。

おやつといえばケーキ。

オーガニックを標榜するホールフーズといえども、日本人が決して受け入れない
「ブルーのケーキ」を作ってしまうのがアメリカです。

これは独立記念日当日のボストンのホールフーズで撮ったもので、
必ずジュライ・フォースのパーティ用に、赤白青の三色を使ったケーキ、
これがショーウィンドウに並ぶわけです。

言っておきますが、ここのケーキ群は、アメリカのその他のグロサリー、
ペストリーショップに並ぶものに比べれば、かなりマシな方です。

CAKE BOSS

このテレビ番組の画像を見れば、アメリカ人の考えるところのケーキ、
というものがどんなものかわかるかもしれません。

アイデア賞・・・・・なのか?

海を表すブルーのクリームでデコレーションし、砂を表すケーキクラムの上で
スコップと戯れるかにさんの図。

というかどうしてケーキでこれを表現しなければならないのか。
なぜフラミンゴを描くのか。

アメリカ人はこれを見て美味しそう!このケーキ食べたい!と思うのか。

いろんなことを考えさせられます。

シリコンバレーで一番「勢いのある」ホールフーズといえば、クパチーノ店でしょう。
何しろここには、アップル本社があり、名だたるIT企業が軒を連ねています。

そのクパチーノ店で、去年初めて見かけたこのモチアイス。
へー、と感心して実は一つだけ食べて見たのですが・・・。

(−_−)まずい

冷やせばモチは硬くなるんだよ!
そもそもそのモチが分厚すぎるんだよ!

と散々笑い者にしたのでしたが、なんと今年になってアメリカに行くと、
ボストン、サンフランシスコ、シリコンバレー、サンディエゴのすべてのWFで
このモチアイスのケースが設置され、大々的に売られているではありませんか。

クパチーノで実験的においてみて、どうやら好評だったらしく、
ネイションワイドで売ることに決めたみたいなのです。

えー、あれ、まずかったよ?
と言いながらも各店舗のケースの状況をうかがったところ、これが結構売れてる。
必ず何人かが前に立ち止まり、いくつかを袋に入れて買っているのです。

アメリカ人がアイスクリームになると節操をなくすのは知っていたけど、
モチアイスをこれほどあっさり受け入れているとは・・・・・。

さて、最後にサンディエゴのホールフーズで夜見かけた海軍迷彩を。
一人暮らしのお嬢さん(ただし海軍軍人)が帰宅途中に立ち寄って買い物をしていました。